遥か次元のケンプマシーネ(短編版)
※とびらの先生主催『あらすじだけ企画』参加作品です。
ですので、内容は冒頭からエンディングまでのあらすじ「だけ」ですので本文はありません。ご注意ください。
他次元から前触れもなく日本に現れては破壊の限りを尽くすモンスター、通称『異元獣』。
この脅威に対し、自衛隊の戦力でも異元獣が自ら異次元へと移動するまでの足止めが限界だった。だが、羽場という学会の異端児が開発した技術により、異次元から巨大人型兵器『ケンプマシーネ』を召喚し、異元獣を倒すことに成功する。
薬物と訓練によって脳の機能を限界まで調整し、イメージを具現化することで物理的に干渉観測できる次元の外から呼び出せる『ケンプマシーネ』を呼び出し、操縦できるのは小鳥遊啓と志賀修一の二人だけ。
小鳥遊は自身の正義感から、志賀は力を渇望して、以前から羽場の実験に協力しており、のことだった。
二人の存在は秘匿され、ケンプマシーネの存在と共に開発者である羽場の名前が世間に大きく取り上げられるように。
そんな彼を怪しむ雑誌記者や政府捜査官が羽場に探りを入れる中、小鳥遊は実験室と自室を往復し、時折現れる異元獣と戦うという日々を過ごしていた。
薬物と洗脳で脳に深いダメージを負い、戦闘時の興奮がおさまると激しい頭痛や不安感に苛まれる彼が唯一安心できるのは、同居している恋人のミユキだけだった。
ミユキが求める平和な世界を実現するため、小鳥遊は命がけで異元獣との戦いを乗り越えていく。彼女からのねぎらいが、彼の全てだった。
正義感の塊のような性格をした小鳥遊は人気を得ていくのだが、異元獣との戦いは日ごとに激しさを増し、小鳥遊も志賀も脳の能力に限界を迎えていた。特に志賀は自分の身体が言うことを聞かなくなりつつあることを自覚しており、それでも小鳥遊のために記者や捜査官へ助言を行うことで羽場の闇を明らかにしようと考えていた。
だが、記者は無残な状態で発見され、志賀も羽場が行っていた非人道的な実験の証拠映像と異元獣が羽場の手で召喚されていた証拠を手に入れるも、強烈な薬物を使用されて廃人寸前の状況に追い込まれて捜査官の手助けでかろうじて危地を脱する。
静養を勧める捜査官の言葉を振り切り、志賀は小鳥遊と戦うことを選んだ。小鳥遊は薬の影響で精神崩壊の危機にありながら、その原因である羽場を守ろうとしていたからだ。
二人の死闘は肉弾戦からケンプマシーネを呼び出しての大規模なものへと移るが、脳の限界を迎えていた志賀のマシーネは動きを止めてしまい、次元の彼方へ消えてしまう。
志賀は好機にも止めを刺せない小鳥遊の甘さを嗤い、最後の力を振り絞って羽場の実験の真実を伝え「ミユキは小鳥遊の空想で生まれたイマジナリーフレンド」だと伝える。
そして志賀は近づいてきた小鳥遊に口づけをする。
突然の行為に混乱を覚えながらも、小鳥遊は羽場がやったおぞましく性的な“実験”が思い起こされそうになり激しい頭痛で頭を抱える。志賀は愛する者の正体とその事実を直視するように伝えて彼への愛を告白し、絶命する。
混乱したまま羽場に会って問い詰めた小鳥遊は、ミユキとの日々を続けたいなら自分に従って実験と薬を続け、異元獣と戦えと語る。羽場の言葉がミユキからも聞いた言葉と重なることに戸惑い、困惑に囚われたまま、小鳥遊は羽場が呼び出した異元獣を倒すため、薬を飲みケンプマシーネを呼び出した。
過去最大のサイズとパワーを誇る異元獣を相手に奮闘する小鳥遊は、脳の限界を超えてマシーネの存在を維持することも難しくなる。だが、いつの間にか隣にいたミユキから励まされ、彼女が実際に存在しないことを理解しつつも、それでも彼女への愛と平和への願いは消せなかった。
異元獣も羽場のことも、そうする力がある自分が終わらせなければならない。そのために小鳥遊は上限を超えて薬を飲み、脳の機能を限界まで開放する。結果、彼のマシーネを包むように眩しい光が放たれたかと思うと、新たな次元のほころびが生まれる。
そこから現れたのは、ミユキだった。小鳥遊の暴走する思考と想像力が、マシーネと同様に『存在しないはずの彼女を別次元から呼び出した』のだ。
本物のミユキが現れ、彼女との触れ合いと口づけで気力を取り戻した小鳥遊はあちこちから血を吹き出しながらも再びマシーネを操り、巨大異元獣とも対等に渡り合う。
さらにミユキがマシーネと融合し、新たな形態へと進化。とうとう巨大異元獣を次元の彼方へと消し飛ばすことに成功する。
そしてミユキも、小鳥遊自身が強く思い描けばいつでも会える、と希望を残し消えた。
戦いの終わりを見届け、研究に完成を見た羽場は自らを世界最高の科学者であると自賛するも、戻ってきた小鳥遊に殴り飛ばされ、彼と共にやってきた捜査官に逮捕された。
異元獣は二度と現れないと安堵した小鳥遊は大量の水で胃を洗い、多少意識をすっきりさせてから、ミユキの姿をゆっくりと頭に思い浮かべた。
お読みいただきありがとうございました。