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第7話 未確認生物が出現

通常20時配信予定でしたが、今更ながら「即時配信」ができることを知りましたので、配信させて頂きます。今後も20時前に配信することがあると思います。恐縮ですがご了承お願いします。

(20時を過ぎることはありません。20時に開かれれば確実に読める状態にあります)。

 それからしばらくは、平穏な日々だった。

 俺は毎日学校に行って、ダチの啓介やゼノンと過ごして、そして家に帰ると妹とゲーム。


 ああ、毎日平和で素晴らしい!!


 異世界へ行った時は、毎日魔獣倒して魔獣倒して魔獣倒して、そんな毎日だったからな。

 労働基準法なんてないから、俺は朝から晩までずっと魔獣討伐で働かされていた。時に休憩時間もなく働かせられていたんだぜ。

 もちろん、「勇者様」ともてはやされていたし、それについては気分の悪いものではない。

 だけど、ずーと働き続けているのは辛かった。

 あっちにいたときは、やっぱりこの現世の日本の平和な生活が恋しくなっていた。

 ごろごろ寝ながら、コーラを飲んで、ポテチ食ってゲームをすることの幸せなこと。

 こうした平和な日々が、これから先もずっと続けばいいのに。

 そんなことを、俺は願っていたのに……。



 月曜日の朝、また学校の始まるその朝、テーブルについてトーストにバターを塗っている時、突然テレビに「緊急速報」という文字が流れてきた。


 テーブルについていた皆の目が、テレビに一斉に注目する。



「新宿区に未確認生物が出現。現在、警察が調査中」




「未確認生物ってなんだろう。ツチノコ発見とか?」


 妹の由貴がそう言う。


 画面が切り替わって、ヘリから地上を映した映像が映し出される。

 紺色の制服に白いヘルメット、透明なポリカーボネート製の盾を手にした複数の警察官が映し出される。一部は刺又(さすまた)を手にしている。


「なんだか捕り物っぽいわね。動物園から猛獣とか逃げたのかしら?」


 母さんが目を凝らして画面を見ている。そんな母さん達視聴者の願いが届いたのか、ヘリからの映像が少しアップになった。

 警察官が刺又を手に、追い詰めるようにしていたものは、一匹のゴブリンだった。


 俺は口からぽたりとトーストを落とした。


「え、ゴ……ゴブリン?」


 人間よりも小柄で、人間と同じように二足歩行をしているが、顔立ちは醜悪で歯をむき出しにして威嚇している。その右手には石斧を持っていた。

 肌の色は緑色をしていて、たとえ人型をしていようとも、その肌の色で人間とは明らかに違う生き物だということがわかる。

 警察官が近づくと石斧を振り回して奇声をあげていたが、やがて多勢に無勢で、刺又で押さえつけられて連れて行かれた。


「……人間じゃないの? アレ」


 人型をしているため、人間のように見えるのだろう。だが、見ている者は本能的にアレは違うと思ったことだろう。

 醜悪で凶悪な人類の敵、モンスターだ。


「人間じゃないだろう」


 すぐにゼノンからラインが入った。

 学校で話し合おうという内容に、正直俺は……面倒くさいと思っていた。

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