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王様殺しの兵士の物語  作者: 小説初心者
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始まりの夢

 いつものこの時間なら、親が作り置きをしてくれた朝ごはんをノロノロと食べているはずなのだが、今日は違った。

 机に置かれている美味しいご飯を素通りして家の扉に手を掛ける。そして、扉が開いた瞬間眩しい光が差し込む。


 扉を開けた先の光景はやはりいつも通りだ。

 詩人が歌い、子供がはしゃぎ、あるところでは恋の風が吹き、そのまた別のところでは冒険者達が酔いつぶれている。


 ごく普通のいつも通りの光景だ。

 だが、その日の自分にはその平和な光景を全くの別の目で見ていた...。


「...あれは絶対にただの夢じゃない...このままだとこの街のみんなは...いや、この世界の全ての人類が危ない...!」


 僕の目に写った光景はワイワイしていた人達が簡単にも死んでいく姿、街が人が世界が簡単に全てが無になってしまう...そんな未来の光景だ。


 そう、僕は夢の中で告げられたのである、それも現実の出来事とも思えるほど鮮明にはっきりと覚えている。

 魔王が復活したのだと、あなたは魔王を倒す存在...勇者だと、この世界をどうか守ってほしい、それはあなたにしかできないこと...そんな事を告げられたのだ。


 僕が見た「あれ」は明らかに人類とは違った存在だとはっきり認識できるほどのなにかを感じた。だからこそ、自分が勇者だという夢物語にも多少は納得出来たし、魔王の復活も真実だろう...。


 とりあえずこのことを一刻も早く王様に伝えるべきだろう...だけど信じてくれるだろうか?少なくとも夢を見るまではただの農家の息子...しかも虫が苦手なために農家の手伝いはせず、家で小物作りをしていたただの一般村人の話を信じて貰えるとは到底思えはしない。


 だとしても、このことを知るのは自分しかいない、もしも僕がこのまま黙って家で渋々とカゴを編み続けてる間に魔王が世界に何かしたら、なにかされた人達に申し訳ないだろ!とりあえず行くしかない!


 勇気の1歩を踏み出し、微妙に距離があって行くのがめんどいお城に向かう...しかし、本当に魔王が復活したのかと思えるほど街中は平和であり、これから伝えに行くこととの緊張感が違いすぎて、少し調子が狂う。


 もしも魔王が復活したことを村人に伝えたらきっと馬鹿にされるであろう...少なくとも信じてくれるだろうお人好しは多分いない。仮に僕が道端を歩いてる時に同じことを言われたとしても信じなかっただろう。


 あれこれ考えてる内に気がついたらお城の扉の前まで着いた、王様に信じてもらえるかはやはり分からないけど、それでも僕の冒険はここから始まる...!


「すいません、王様に要...」


 お城の兵士に話かけようとした時にその声は城中に響いた。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ、王様が...王様がっ...ナイフで刺されて沢山血が出てる!!!」


 ...僕の冒険の始まりはいきなり曇り状態から始まるようだ...

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