本当のような嘘の悪女の話
僕のことを僕がいる前で噂してきた。
明らかに僕の耳に入れようとしていた。
名前は呼んでないけど、僕の特徴が話に含まれていた。
文化祭があった。
文化祭に女性は、彼氏を呼んでいた。
廊下で彼氏とべったりして、ずっと喋り続けていた。
彼氏とのラブラブな日々を、惜しげもなく近くで喋っていた。
女性はその時、心からの笑顔をしているのだろうと確信した。
僕と喋るときには常に苦笑いをしているように見えた。
僕がいても、僕がいないかのように振る舞ってきた。
仲良さそうにしていた男友達を悪く言うこともあった。
友達のように接してくる女教師を、軽く受け流したりもしていた。
ずっと女教師をウザいウザいと言っていた。
女性はやけに勉強が出来た。
そして女友達にはかなり好かれていた。
やけに僕に詳しくて、いつも陰でイジってきた。
そんな女性が、もし本当にいたとしたら、僕は恐れおののくだろう。