一話 私の家族
アルファポリス同時投稿しています。
拙い文章ではありますがどうぞよろしくお願いします。
※溺愛※チートなし※ダーク
※少し残酷な描写あり※価値観の相違あり
※逆ハー(最終的には1人を選びます)
By作者
ダークな世界観。独特な私たち悪魔の価値観が交錯する物語です。受け入れられるか受け入れられないかは人それぞれ。それでも良いという寛容な読者様はお読みください。(一応異世界ものですよ)
~支配人リーヴル~
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──────もしも──貴方が─
悪魔に恋をしてしまったら、どうしますか?──
~狂壊の鎮魂歌~
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「・・・」
私の両親が死んだ。
頼れる親戚なんて居ない。お婆ちゃんも先月亡くなった所だった。
私は高校生だったから一人で生きることもできたけれど・・・
これから私は一人ぼっち。
どうすればいいんだろうか?
気の進まない足取りで高校へ向かう。
そこは試験で失敗したせいで入った滑り止め高校だった。
あぁ、遅刻だ。
のそのそと靴箱に向かって靴を変える。その時には何時も溜息。
(また・・・バカみたい)
一体何時までこんな事をしているんだろう?
嫌な臭いのする泥を見つめて思う。
やっぱりスペアの校内靴を持ってきておいて正解だったみたいだ。
ずっとずっと自問自答。
下を向いて、靴箱の汚れを掃き出す。
一旦外に出て花壇に戻してから靴を履き替えた。
私は高校生にもなって虐められている。
何が悪かったのか分からない。ただ、周りには何時も澄まし顔でイラつくと言われた。
成績が良いのもムカつくと言われた。
いじめっ子の好きな子に告白されたのが許せないと言われた。
・・・きっと私の全部が気に入らないのだろう。
だから気にしない。
だって表情を変えなかったのは貴方たちの相手をしてる時間が惜しかったから。
成績が良いのだって親の笑顔を見たかったから。
告白されたのだって私の意思じゃない。
・・・こんな淡白過ぎるところが馴染めない一つの理由なのかもだけどさ。
そうして職員室へ挨拶をしに向かう。
「失礼します。○年○組の江藤 澪璃です。おはようございます」
「ああ江藤!おはよう・・・・その、大丈夫か?」
担任の先生が遠慮しながら聞いてくる。
私は頷き、言った。
「はい、大丈夫です。色々とありましたが・・・私も一人ですので。しっかりしないといけませんから」
「そ、そうか・・・何かあったら、先生に言ってくれ」
「ありがとうございます」
別にこの先生に期待なんかしない。
実際口だけの教師ばかりを私は見てきた。
内心冷めた目で見つめて、思う。
そして言うつもりだった言葉を口にすると先生は目を丸くした。
「すみません、ですが私は学校辞めます・・・今日はその手続きをしに来ました」
「・・・っは?」
「ですので先生、今までお世話になりました。ありがとうございます」
「っていやいや、江藤、良いのか?折角高校に通ったんだ。親御さんだってしっかり卒業することを望んでる筈だぞ?」
「いえ、流石に無理です。私は頼れる親戚もいないし両親が残した遺産だけで生きてけれる訳ではありませんので。高校卒業はしたかったのですけれど、その余裕もないので。まずは仕事をしたいんです」
この先生はやっぱり口だけだなと思った。
今の私の状況でよくそんな事を口にできた。逆に感心しますよ。
貴方がよく知りもしない両親の気持ちを語るな。代弁するな。
私の両親は私が生きる上で大切なことを優先すべきだと分かっている。
私には今は少しでも多くのお金が必要だ。
学費や給食費なんか、払ってる余裕もない。
「では、手続きをお願いします」
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シトシトと雨が降る中私は雲を眺めていた。
両親が亡くなった日もこんな日だったのを思い出す。
あの後、手続きは滞りなく終わらせることが出来て、そのまま学校をあとにした。
さて、当面は親の遺した遺産があるから暫くは良いだろう。が、だからといってそのお金に頼りきる訳にはいかない。
幾つかの仕事の面接を受け終わったからあと数日でお知らせが来る筈だ。
まぁ、手応えはどれも微妙だったけれど学歴よりも実力を見てくれる所もあった。そこが有力候補かな。
「さて、帰ろうかな」
誰もいない家へと。
ズキリと胸が痛んだ気がする。もう二度と会えないんだろうと。
「ッアッレェ?江藤じゃーん。何?アンタもサボり?めっずらし~(笑)」