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ふいに廊下に靴音が響いて、私は顔を上げた。


看護師から、腹膜に癌は見つからなかったので手術継続が告げられた。

それを聞いて父は仕事に行ってしまった。

待っているなんてそわそわしてしまって落ち着かないから仕事をして気を紛らわすそうだ。

私にはそんな芸当はできない。

仕事なんか手につかなくなってしまう。


父がいなくなってから、ひとりぽつんと病室があるフロアの待合室でぼんやりする。

平日の昼間は静かだ。

何もすることがないと頭に浮かぶのは母のことばかりだ。


お母さん、大丈夫かな?


思って、私は首をブンブンと振る。

だめだ、ついつい弱気になってしまう。

私は今日何度目かのため息をついた。


「咲良。」


ふいに名前を呼ばれて顔をあげると、そこにはだいちゃんが立っていた。


「え、どうして?」


一人言のように呟く私に、


「俺は今、咲良の彼氏だから。」


そう言って、だいちゃんは柔らかく微笑んだ。

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