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嘘つきは恋の始まり  作者: あさの紅茶


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25/66

*

「この時間だと病院へ行くならタクシーが早いよ。すぐそこの大通りならよく走ってるから、捕まえよう。」


そう言って、津田さんは私の手首から手を離したかと思うと、その手は掌を捕まえて固く握りつかつかと歩き出す。

なすがままの私は引っ張られるようにして大通りまで歩き、何かを考える暇もなく津田さんがつかまえてくれたタクシーに乗せられた。


「一人で行ける?」


タクシーに乗り込んだ私に一万円札を渡してくるので、そこでようやく私は我にかえりその手を拒否する。


「大丈夫です。ありがとうございます。」


それなのに私の膝の上に一万円札を乗せて柔らかく笑うと、運転手さんに総合病院までと行き先まで告げて津田さんはさっと身を引いてしまう。

あっと思ったときにはもう扉は閉められていて、タクシーは出発していた。


あっという間の出来事だった。

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