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ここは何処だ?
「生きて....必ず生き延びて。」
「こんな形でしかお前を守ってやれず、すまない。」
「だが、私たちはお前をいつでも思っているぞ。」
鬱蒼と木々が生える森の奥、ひときわ大きい樹木の下に一人の少年が倒れていた。
「うーーん...」
整った顔に爽やかな青い髪、しなやかで良質な筋肉のついた体をしているその少年は、頭を抑えながらゆっくりと起き上がった。
「いててて....ここは?」
起き上がった俺は、困惑して辺りを見回した。
「というか俺誰だ?」
そうなのだ。今の俺は〈自分が誰なのか〉ですら分かっていない。しばらく考えてみたが、ここは何処で、自分が誰なのか全く思い出せなかった。特に自分の事となると、頭に靄がかかったようになってしまう。
「だめだこりゃ、全然思い出せないや。」
今のところ、誰かが来るという気配も全くない。
「これからどうしようか....」
俺は途方に暮れていた。