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菫さんと私  作者: やいよるこい
8/21

6歳の誕生日に

多分あってるはず

 9月13日私は6歳を向かえる誕生日の日、弟の陽太が高熱をだし、急遽入院することになった。

 家ではお母さんが忙しなく陽太の着替えなどの準備をしていた。


「友理ごめんなさい誕生日を祝うのは陽太が元気になってからでいいかしら?」


「・・・うん」


 お母さんが言うにはケーキは予約されていてあるけれど、料理の方はそれどころではなく。

 陽太が元気になってあらためてケーキと祝いの食事を作ってくれるらしい。


 お母さんに祝ってもらうのは陽太が元気になってからを受け入れ私は菫さんの家に遊びにいった。


「いらっしゃい、友理ちゃんお誕生日おめでとう!」


 菫さんが玄関扉から出てくるなり、抱きつかれよしよしと頭を撫でられる。

 最近は遊びにいくと抱きしめられて頭を撫でられるのが恒例となっており玄関で人目があるのにされる私はいつも菫さんが満足をして離してくれるまで、羞恥心に耐える。

 それでも今日ばかりは羞恥心よりも嬉しさが勝った。

 菫さんが私の誕生日を知っていて、そして祝ってくれたからだ。


「どうしたの友理ちゃん?」


 家にいれてもらい部屋に通しともらったあと菫さん気づかれていたのか、どうしたのか聞かれ私は全てを話した。


「あらら、陽太君が入院・・・大変ね。うーん、叶さんがいいって言うなら食事を振る舞えるんだけど、叶さん私が料理作ると決まって嫌そうな顔するのよね。」

「菫さんのご飯の美味しいのに?」

「ええ、昔の叶さんに手作りで料理を振る舞ったらこう言われたわ、もう、なんであんたはそんなになんでもそつなくこなすのよちょっとは可愛げってものはないわけ!?って」


 菫さんがお母さんぽく話したときすごく、可愛かった。

 でも、お母さんはなんで菫さんあんなことをいったのだろう。


「それほどお祝いはできないけどお昼は食べていって叶さん忙しいだろうし多分許してくれるだろうし」


 菫さんはお母さんになにを許して貰うのだろうか。


 お昼は菫さんの作った煮込みハンバーグ、サラダ、コンポタージュ、パン、それと小さいケーキを美味しくいただいた。

 あまりお祝いできないと言っていたのになんだかすごく祝って貰った気分になりながら夕方にお母さんが来るまで菫さんと遊んだ。


「友理ちゃんこれ誕生日プレゼント」


 帰りぎわ、誕生日プレゼントの小さな可愛い紙袋を菫さんから貰った。


「来年から小学生1年生でしょう、私からの誕生日プレゼントはお守り、手作りでちょっと不恰好だけど身につけてもらえたら嬉しいな」


 帰宅してすぐ私は菫さんから貰っらたプレゼントを開けた。

 お守りは編まれた紐に繋がれた青い変わった形の石が入っていた。


 お母さんに貰ったものを見せると勾玉と言われ、あとで青い石はラピスラズリということがわかった。


「6歳の子の誕生日に勾玉ねぇ家は洋風なのに古風ねぇ・・・うーんそういや私も貰ったわね気が付いたらなくなっていたけれど」


 お母さんは私が貰った勾玉を眺めながらそんなことを言っていた。

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