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無機質な腐敗  作者: 望月笑子
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こうやって、仕事の途中で、高い建物の上から夜明けの空を眺めることが好きだった。

自然はこんなに美しいのに、なぜ心の靄だけが晴れないのだろう。

よく分からないが、なぜか、年上の男性に憧れる傾向がある。瀬川がそれを、「ファザーコンプレックスだ」と言った。

『そうかも知れない』、いや、今でも妙子の潜在意識には、父親が眠っていた。

妙子が幼少期の頃、父親は、沿岸の陸前高田に単身赴任していた。一番甘えたい時期に甘えられない、もどかしさがあった。




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