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工場の中は、機械が発する熱で常夏のような暑さだった。
真夏になれば温度計は40度近くなるという。真冬に氷点下13度になる盛岡と比べると、別世界へタイムスリップしたようだった。
妙子は、4年間かけて肩まで伸ばした髪をバッサリと切った。作業用の帽子に収まらないからだ。
『首に巻くマフラーや髪の毛など引っ掛かりやすい類いの物は、機械に挟まれたりすると危険である』と、初日にスキルセンターという講習場所で習った。
センターでは、妙子と潤のほか、所属会社が別の派遣労働者たちと、ビデオを通じて工場内での基本ルールなどを学び、一定の適性検査や応用訓練を受けた。