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携帯電話を握る手が、震えた。
《本当のことを言っていいのだろうか。瀬川に、自分の恥を知らせてしまったら、嫌われてしまうのではないか》
と、心が揺れた。
妙子は、吸い込んだため息を、一つ吐いたあと、メールを送った。
《実は、セクシャル・ハラスメントというよりも、ほとんどレイプだったんです》
瀬川から、メールが来た。
『2、3日考えさせてください』
妙子の頬に、一筋の涙が零れ落ちた。
《そうだ。私は、汚れてしまったのだ。もう誰にも会いたくない》
その場に、立ちつくすことしかできなかった。