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B4紙を手放し、妙子は思わず口に手を当てた。
工長に告げ口をする一人の女性の姿。
チラチラとこちらを見ながら、工長と話をする高橋だった。
あの時、高橋は妙子がトイレに行く瞬間をチクッていたのだ。
自分の身を守るために、少しでも長く生き延びるために、妙子を売ったのだ。
それは、間違いのないように思われた。女の勘だった。
この時点で妙子は、派遣社員の解雇理由が、さほど効力のないものであることを悟った。
ニチドーにとって、派遣社員の解雇理由など、極端な話、なんでも良いのだ。
大企業にとって、派遣社員は、雇用調整要員でしかないのだ。




