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待合室フロアの奥の方で声がする。
小泉潤と、彼の友人の佐藤まさるだ。
2人とも厚手のコートを着て、待合室のソファーに腰掛けていた。
妙子が挨拶のかわりに手を上げると、2人が笑顔で片手を上げた。
潤の右手には、片道切符が握られている。
「あと5分で、バスが来るよ」
そう言った佐藤が、腕時計からそっと目を離した。
佐藤の父親はいわゆる仲介業で、労働者を派遣社員という形で登録させ、派遣先企業に送り込む仕事をしている。
妙子と潤が、セーフティという人材派遣会社に登録したその日に、4人で食事をした。