3/119
1
このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
<19万平方メートルなんて、50坪もない実家の何倍の規模なんだろう>と、妙子にはおよそ見当もつかなかった。
その工場で妙子は、自動車エンジンの製造と組み立てや検査の仕事に携わるのだ。
人材派遣会社に登録し、そこから派遣社員として勤務することになる。
夜の盛岡バスセンターは、自動販売機の灯りだけが頼りで薄暗く、ひっそりと静まりかえっている。
老朽化した建物の中は、レトロな雰囲気を保ったまま、長い歴史を回想させられるほどである。
もはや、ここに帰るつもりはなかった。
後ろ髪を引かれる思いなど、何一つない。
たとえどんな事があろうと耐えてみせる。
これからは、新しい生活が待っているのだ。