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お題小説

歩いていったものは

作者: 水泡歌

縦一列に並んだ信号機

行かなきゃいけないところがあるんだ

赤信号の先へ


やあ、坊や、少年、青年、ご老人

君たち、一体、何を待つ?

信号の表す意味はそれぞれ違う

瞳に映るものはそれぞれ違う

これから先、どんな景色が待っている?


ある者はどしゃぶりの場所で信号を待つ

そこに用意された君の傘 

初めての空から降る水滴に不思議そうに見上げる坊や

用意された傘は使い方を教えられる

両手広げて嬉しそうに雨浴びる少年

用意された傘は余計なものとして放り出される

濡れてしまった大切な誰かを見かける青年

用意された傘は誰かを温めるために差し出される

見知ったものとしてぼんやりと空見上げるご老人

用意された傘はこれから訪れるもののため置いていかれる


ある者は虹架かる空のもとで信号を待つ

そこに用意された君のカメラ

初めての空に架かる七色に不思議そうに見上げる坊や

用意されたカメラは見上げる君を映すもの

見つけたことに嬉しくなってはしゃぐ少年

用意されたカメラは虹の根元を探すもの

指さされた先を見て虹の存在を知る青年

用意されたカメラは誰かの指先越しに映すもの

かすむ目をこらし手を伸ばすご老人

用意されたカメラは虹の本当の姿を映すもの


さあ、青信号の時

歩いていこう

この道はまだ続く

新しい景色が君を待つ

そこに用意されたものを君はどう使うだろう?


赤信号の先へ

赤信号の先へ

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