5話 ダメな俺と初依頼
評価ポイントを見る度に、感謝の気持ちが込み上げてきます。
皆さんありがとうございます。
「おばあちゃん、ただいま!」
「お帰り、アルファ。」
「ごめん、遅れちゃった。今から夕飯準備するね。」
「もう、すぐ食べれるよ。お前さんを待ってたんだ。ん?お客さんかい?」
おばあさんと二人ぐらしなのか。大変だな。
「わたしの友人よ。」
「はじめまして、タクトといいます。」
アルファは、 おばあさんに俺のことを説明しはじめた。
海岸で記憶喪失して歩いてきた。
お金も無いし身元もわからない。そんな俺を泊めるもらえるだろうか?
「それは、大変だったね。ゆっくり体を休めなさい。」
「ありがとうございます。お金が貯まるまでご迷惑になります。」
「迷惑だなんて思ってないよ。」
優しいおばあさんだな。よかったぜ。
寝床も確保できたし、あと飯と金かぁ。
アップルが箱いっぱいで500マネーだったな。物価がどれくらいなのか、ハッキリとわからん。
「うーん。いくらあれば10日生きていける?」
「宿とか、ご飯とか生活する分だけだったら...そうね。5000マネーあれば結構楽に生活できるよ。」
アルファの場合、2人で1日500マネーってところか。
そう思うと確かに楽になるな。
「冒険者になれば、あっという間に集めれるお金だよ。しかも、高ランクになればなるほどお金が貯まりやすくなるわ。」
「明日から俺も自分で稼がないとな。」
「臨時パーティーを組んでみようか?」
「一緒に依頼を達成させるってことだよな。いいぜ♪むしろこっちからお願いしたいくらいだしな。」
人生の先輩は俺だけど、冒険者の先輩はアルファだからな。
色々教えてもらおう。
「わかったわ。朝、一番でギルドに行ってみようか。」
「おう!よろしく頼むよ。」
そのあと3人で楽しくご飯を食べたり、水で体を洗ったり、布団で睡眠をとった。
お世辞にも贅沢とは言えない布団だが。
俺、アルファに出会えて本当によかった。
翌日、朝食を済ませた俺とアルファはギルドに向かった。
「あら、アルファちゃん。いつもの依頼?」
「おはようリーアさん。今日はタクトに簡単な依頼をやってもらおうかと思って、ランク1か2のクエストでオススメなのない?」
「えーとねぇ…。」
リーアはペラペラと依頼束を見始めた。
「やっぱり最初は採取の依頼を紹介するわ。」
そう言って俺たちに1枚の紙を見せた。
マッシュルーム箱いっぱい採取。箱1つ300マネー。
道中のモンスター討伐は、別払い。
道中のモンスターは別払い?なんじゃそりゃ?
「この道中のモンスターってどうやって倒したってわかるんだ??」
「ギルドカードにどんなクエストをやって、どんなモンスターを倒したかが記録されるの。古代魔力らしいわ。すごいよね。」
「複数で倒したらどうなるんだ?」
「正規のパーティー組んでたらパーティーで記録されるし、個人や臨時パーティー組んでたら、一番ダメージを与えた人が記録されるわ。」
「すごいシステムだな。」
「ほんとにそう思うわ。」
俺たちはマッシュルームの依頼を受けた。
そんなにモンスターなんて出ないそうだ。
落ち着いて山菜やキノコでも取りに行くって、遠足みたいだな。
楽しそうだ。
「んじゃ、行ってこようか。」
「そうね。早い方がいいわ。町の外に出ましょう。」
「近頃モンスターが、多くなってきているから気を付けてね。」
「わかったわ。リーアさん。行ってくるね♪」
二人でブラブラと話ながら歩いていると、美味しそうなにおいが屋台から風にのってやってくる。
お昼ご飯を買って、町の外に通じる門に向かった。
「もう依頼に行くのかい?」
「おはよう、ジエンさん。昨日はギルド長に話をつけてくれてありがとう。」
「いいんだよ。私も暇しているくらいだからね。今日は頑張って依頼を達成させてくるんだよ。」
おじさんに手を振りながら町を背に歩き出した。
「マッシュルームっていうのは、どこに行ったら採れるんだ?」
「あそこに見える、山の麓に取りに行くわ。簡単には見つからないよ。木の真下あたりに埋まってるから、普通はスコップで掘るんだけどわたしの場合魔力を使うわ。」
山の麓にたどり着くと、川の近くで少し休憩をした。
すごいな。川の水が透き通って、飲んでも大丈夫だろって思えるくらい綺麗だった。
2人で休んでいると急にアルファが小さな声で。
「静かに。何かいるわ。」
音がする方を見ると、緑色で子供くらいの大きさの魔物が2匹うろうろしていた。
ゴブリンってやつか?想像していたゴブリンよりグロいな。
「先に討伐の雰囲気を見て、味わってほしいの。」
アルファは腰につけた小太刀を持ち、素早くゴブリンの方に向かっていった。
初モンスターはスライムかゴブリンか迷いました。
スライムはかわいいイメージがあるのでゴブリンにしました。適当ですね。次回は戦闘シーンです。表現力をフルに使ってがんばります。