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No.978.濁った瞳に光は何もない
がなりたてる雷 荒れ狂う嵐
爆音が鳴り響く今夜
感覚が麻痺してぴくりともしない右腕
さすってみてもわかりゃしない
削られ崩れていく雪の塊
あの日ワイングラスにうつったのは最後のさよなら
今にも散ってしまいそうな花を眺め
濁った瞳に光は何もない
突き刺さる雨音 引き裂かれる体
幻覚が満たしてく地獄
血だらけで今にも引き千切れそうな左手
力んだところで動きもない
切り取られていく過去の幸せ
いつか 何もかも思い出せなくなって終わるのか
今にも散ってしまいそうな花を眺め
濁った瞳に光は何もない




