プロローグ 「何気ない始まり、平凡の終わり」
誰もが知っている本当のドラマをあなたに
「なんでこんなに夏は暑いんだ?」
扇風機の音にもかき消されるような小さな声で僕は呟いた。
誰かに聞かせたいわけでもない。ましてや、暑さの理由を本当に知りたいとも思ってない。 ただ何もすることもなく、うなだれている自分になにかしらの行動を与えたかっただけだ。
窓が一つだけあって、日当たり最高で、夏は蒸し風呂、冬は寂しい、そんな散らかった四畳半に住んでいる。
「なぜ人は冬になれば夏を待ち、夏になれば冬を待つ?」
都合がいいよな。いつまでも無い物ばかりねだってる。
「しょうもな」
吐き捨てるように言ってみるものの、やはり扇風機にかき消される僕の声。
別に誰かに聞かせたって喜ぶような言葉でもない。
でも、独り言はやっぱり寂しいもんだ。
物が散らかってるからまだ寂しさを紛らわすことできるけど、それも寂しいわな、、
「ちょっと悲しくなってきた。。。」
またまた出ちゃった独り言。
その声だけはかき消されずに自分に響いた気がした。
そんな風に無駄に凹んでいると、散らかった四畳半の部屋のベットの上に転がってるケータイ が「早く出ろ!」と言うかのようにけたたましく鳴りやがった。
充分すぎる程にセミの声も聞いている。そして、自分の声も聞いている。
これ以上、俺になにをきかせたいんだ?ケータイさんよぉ。
まぁいい。まぁいい。出てやろうじゃないか。
嫌々、ケータイさんを手に取って誰が俺と話したいのか確認した。
しかし、ケータイさんのデスプレイには
「公衆電話」
あれ?そんな友達いたっけなぁ?昔の幼馴染かなぁ?でもあいつは、香臭伝羽だしなぁー
芸人になりたいわけじゃない。
まぁいいか。出てやるか。「公衆電話さんからの電話」に。
まぁ分かる人にはわかるし分からない人には分からないでしょう。




