第150話 故郷へ
「ルナ、久しぶりに実家に帰らないか?」
ある朝、兄が提案してくれた。
私は嬉しさで飛び跳ねそうになる。
王都での学院生活も楽しいけれど、やっぱりアルケミ領の実家が恋しい。
「父上から手紙が来てな。夏祭りも近いし、ルナの顔を見たがっている」
「やった!久しぶりにお父様とお母様に会える!」
ー
出発の準備をしながら、私は実家へのお土産を考えていた。
「お父様とお母様に何を持って行こうかしら」
「ピューイ?」
ハーブが首をかしげる。
「そうね、最近作った薬を持って行きましょう」
空間収納ポケットに、『魔力回復薬』『疲労回復薬』、それからグリーンフィ領で学んだ技術で改良した『ブドウ成長促進薬』を入れる。
「ふみゅ〜?」
ふわりちゃんも何か心配そうだ。
「ふわりちゃんも一緒よ」
「ふみゅみゅ♪」
嬉しそうに小さな翼をぱたぱたさせる。
「お嬢様、実家でも爆発実験は控えめにしてくださいね」
セレーナが心配そうに言う。
「大丈夫よ!実家には立派な実験室があるもの」
「それが心配なんです……」
ー
馬車でアルケミ領に向かう道中、懐かしい風景が次々と目に飛び込んできた。
「あ、あの丘!子供の頃によく薬草を摘みに行った場所よ」
「そうだな。ルナはいつも泥だらけになって帰ってきていた」
兄が懐かしそうに笑う。
「兄さんだって、剣の素振りで服を破いて母上に怒られてたじゃない」
「それは……まあ、そうだったかもしれん」
馬車が進むにつれて、ブドウ畑の美しい景色が広がっていく。
青空の下で太陽の光を浴びるブドウの房が、宝石のように輝いている。
「今年のブドウも順調に育ってるわね」
「本当に美しいですね。何度見ても素晴らしい景色です」
セレーナが感慨深げに呟く。
「夏の太陽をたっぷり浴びて、きっと甘いブドウになるわ」
「ピューイ♪」
ハーブも興奮している。
「ふみゅ〜♪」
ふわりちゃんも景色に感動しているようだ。
夕方、アルケミ家の屋敷に到着した。
「ルナ」
玄関から母のエリザベスが微笑みながら迎えてくれた。
「お母様」
私は母に優雅に挨拶する。
「王都での生活はいかがでしたの?」
「とても充実してるわ。たくさん勉強して、お友達もいっぱいで」
「それは良かったですわ。さあ、お父様もお待ちです」
屋敷に入ると、父のクリストフが書斎から出てきてくれた。
「ルナ、よく帰ってきた」
「お父様、お疲れさまです」
「ああ、領地の管理で忙しくしているが、元気だ」
「セレーナもお疲れさま」
母が温かく迎える。
「元気そうで何よりだ。いつもルナの世話をありがとう」
父も感謝を込めて言う。
「こちらこそ、お嬢様には日々学ばせていただいております」
セレーナが久しぶりの再会を喜んでいる様子だ。
ー
夕食は家族全員で久しぶりに囲むことができた。
アルケミ領自慢のブドウを使った料理と、「陶酔の雫」のジュースで乾杯する。
「王都ではどんな勉強をしているんだ?」
父が興味深そうに尋ねる。
「錬金術を中心に、魔法の基礎も学んでるわ。それから最近は……」
私は王立魔法学院での生活や、カタリナやフラン、エミリとの友情、マティスとの薬草研究について詳しく話した。
「友達ができて良かったですわね」
母が嬉しそうに微笑む。
「カタリナさんは相変わらずお元気ですの?」
母が懐かしそうに尋ねる。
「はい、とても元気よ。相変わらず完璧で」
「ローゼン侯爵家のお嬢様ですものね。優秀なのは当然でしょう」
「それから、実験の成果もあるのよ」
私は持参した薬を取り出す。
「これは『ブドウ成長促進薬』。グリーンフィ領で学んだ技術を応用して作ったの」
父が興味深そうに薬を手に取る。
「ほう、これは興味深いな」
「土壌の栄養分を効率よく吸収させて、ブドウの糖度を上げる効果があるはずよ」
「明日、実際に試してみよう」
ー
夜、自分の昔の部屋に戻ると、懐かしさで胸がいっぱいになった。
「久しぶりの実家ね」
「ピューイ♪」
ハーブも嬉しそうだ。
「ふみゅ〜」
ふわりちゃんも満足そうにベッドの上でくるくる回っている。
セレーナは隣の客室を用意してもらった。
「お嬢様、ご実家は本当に素敵ですね」
「でしょう?明日はブドウ畑で実験をするわよ」
「……爆発は控えてくださいね」
ー
翌朝、早起きして懐かしいブドウ畑を散策した。
朝露に濡れたブドウが朝日に輝いて、宝石のように美しい。
「やっぱり故郷は最高ね」
セレーナと一緒に畑を歩いていると、領地の人たちが次々と挨拶してくれる。
「ルナお嬢様、お帰りなさい!」
「王都でのお勉強はいかがですか?」
「セレーナさんもお久しぶりです」
みんなが私たちの帰郷を喜んでくれているのが伝わってきて、とても嬉しい。
「みんな、久しぶり!元気にしてた?」
「セレーナも久しぶりね。元気そうで何より」
領民たちとセレーナも再会を喜んでいる。
午後は父と一緒に『ブドウ成長促進薬』の実験を行った。
「この区画で試してみよう」
父が指定した場所に薬を散布する。
「効果が現れるまで少し時間がかかるけど、きっと良い結果が出るわ」
「ルナの錬金術の腕前、王都で相当上がったな」
「お友達のおかげもあるのよ。みんなで協力すると、一人では思いつかないアイデアが生まれるの」
「それは素晴らしいことだ」
実験中、いつものように小さな爆発が起こる。
ーーぼんっ!
紫色の煙がもくもくと上がった。
「ルナ……」
父が苦笑する。
「あ、えーっと、これはいつものことで……」
「王都でもこうなのか?」
「まあ、その……」
セレーナが遠くから心配そうに見ている。
煙が晴れると、ブドウの房がうっすらと光っている。
「おお、これは……」
「成功みたい!魔力が注入されて、品質向上効果が現れてる」
「素晴らしいな。これなら夏祭りでも自慢できる」
夕方、家族全員でブドウ畑を見回った。
薬の効果で、ブドウがより一層美しく輝いている。
「ルナの錬金術、本当に役に立つのですわね」
母が感心している。
「王都で学んだことを故郷でも活かせるなんて、とても嬉しいわ」
「これからも勉強を続けて、領地のために役立つ技術を身につけなさい」
父が優しく言う。
「はい、お父様」
夕日が美しいブドウ畑を黄金色に染めている。
故郷の美しさを改めて実感し、胸が温かくなった。
「明日は夏祭りね。楽しみ」
「ピューイ♪」
「ふみゅ〜♪」
ハーブとふわりちゃんも同感のようだ。
「お嬢様、故郷の皆様も本当に優しいですね」
セレーナが感動している。
「セレーナも家族の一員よ」
私の言葉に、セレーナが嬉しそうに微笑む。
こうして、久しぶりの帰郷第一日目は、家族の温かさと故郷の美しさを満喫した素晴らしい一日となった。
夏祭り当日の朝、私は早起きして実家の工房を見に行った。
懐かしい実験室は、王都の学院のものより一回り大きく、様々な実験器具が整然と並んでいる。
「やっぱりここは落ち着くわ」
「ピューイ♪」
ハーブも嬉しそうに工房を探検している。
「ふみゅ〜」
ふわりちゃんは器具の一つ一つを興味深そうに眺めている。
「お嬢様、おはようございます」
セレーナが朝食の準備ができたことを知らせに来た。
「おはよう、セレーナ。今日の夏祭り、楽しみね」
「はい。領民の皆さんも、お嬢様の帰郷をとても楽しみにしていらっしゃいましたから」
朝食の席で、父が夏祭りの予定を教えてくれた。
「今年の夏祭りは例年以上に盛大に行う予定だ。ルナの帰郷を記念してな」
「そんな、大げさにしなくても……」
「いえいえ、領民たちが一番喜んでいるのです。それに、昨日のブドウ成長促進薬の効果も披露したいですしね」
母が嬉しそうに付け加える。
「そうそう、ルナ」
父が思い出したように言う。
「祭りでは恒例のブドウジュースの試飲会があるのだが、今年は特別に『魔力回復薬』を混ぜたジュースも作ってみてはどうかな?」
「それは面白そうね!でも、安全性には気をつけないと」
「もちろんだ。ルナの作った薬なら信頼している」
祭りの準備のため、午前中は家族総出で屋敷の飾り付けを行った。
「この花飾りはどこに飾りましょうか?」
セレーナが美しい花輪を持ちながら尋ねる。
「玄関の両側に飾りましょう」
母が指示を出す。
「セレーナ、この提灯を魔法で光らせてくれるか?」
兄のルキウスが頼んでくる。
「お任せてください」
セレーナは簡単な光の魔法を提灯にかけた。ほんのりと温かい光が灯る。
「おお、これなら夜まで持ちそうだな」
昼過ぎ、約束通りブドウジュースに魔力回復薬を混ぜる実験を始めた。
「分量は慎重にしないと」
工房で『魔力回復薬』を少量ずつブドウジュースに混ぜていく。
「ふみゅ?」
ふわりちゃんが心配そうに見ている。
「大丈夫よ、ふわりちゃん。安全な分量で作るから」
しかし、いつものように小さなハプニングが発生した。
「あれ?なんか泡立ってる……」
ジュースが予想以上に反応を起こして、金色の泡がぷくぷくと湧き上がってきた。
「ピューイ?」
ハーブが首を傾げる。
ーーぼんっ!
小さな爆発音と共に、工房内に甘い香りが広がった。虹色の煙がもくもくと立ち上る。
「お嬢様!」
セレーナが駆け込んできた。
「大丈夫よ!いつものことだから」
煙が晴れると、ブドウジュースが美しい琥珀色に光っている。
「おお、これは……」
様子を見に来た父が感嘆の声を上げる。
「魔力回復効果だけじゃなくて、なんだか特別な輝きが加わったみたい」
「試してみるか?」
父が小さなコップで一口飲んでみる。
「うむ、確かに魔力が回復する感覚がある。それに……なんというか、気持ちが晴れやかになるな」
「成功ですわね」
母も嬉しそうだ。
「でも、この虹色の煙の原因がよくわからないのよ」
「お嬢様の実験にはいつものことです」
セレーナが苦笑いする。
「ふみゅみゅ♪」
ふわりちゃんが何かを伝えようとしている。
「ふわりちゃんも気に入ったのね」
午後、領民たちが続々と屋敷の庭に集まり始めた。夏祭りの開始だ。
「ルナお嬢様、お帰りなさい!」
「王都でのお勉強はいかがでしたか?」
「セレーナさんも元気そうで何より」
みんなが私たちを温かく迎えてくれる。
「みんな、ありがとう。今日は一緒に楽しみましょう」
祭りが始まると、屋敷の庭は賑やかな笑い声で包まれた。
子供たちは走り回り、大人たちはブドウジュースを片手に談笑している。
「それでは、特別なブドウジュースの試飲をどうぞ」
父が用意した琥珀色のジュースを配り始める。
「これがルナが作った特製ジュースです」
領民たちが一口飲むと、驚きの声が上がった。
「なんて美味しい!」
「体の疲れが取れるような気がする」
「心も軽やかになりますわ」
「やったな、ルナ」
兄が私の肩を叩く。
「みんなに喜んでもらえて良かったわ」
夕方になると、昨日実験したブドウ畑の見学会も行われた。
魔力が注入されたブドウが美しく光っている様子を見て、領民たちは感嘆の声を上げていた。
「ルナお嬢様の錬金術、本当に素晴らしいです」
「これなら今年の収穫が楽しみですね」
祭りの終盤、突然ふわりちゃんが光り始めた。
「ふみゅ〜?」
小さな体が淡い光に包まれる。
「あれ?ふわりちゃん、どうしたの?」
周りの人たちも気づいて見守っていると、ふわりちゃんの周りに小さな光の粒が舞い始めた。
「まあ、なんて美しい……」
母が感動している。
「これは……神聖な力ね」
私もふわりちゃんの特別な能力を改めて実感する。
光の粒は祭り会場全体に広がって、みんなの疲れを癒しているようだった。
「心が洗われるような気持ちです」
領民の一人がつぶやく。
「本当に素晴らしいお友達をお持ちですのね」
母が微笑む。
「ピューイ♪」
ハーブもふわりちゃんの美しい光に見とれている。
夜が更けて、祭りも終盤になると、家族だけの時間となった。
「今日は本当に楽しい一日でした」
セレーナが感想を述べる。
「領民の皆も喜んでくれて何よりだったな」
父が満足そうに言う。
「ルナ、今度はいつ帰ってこられるんだ?」
父が尋ねる。
「また休暇の時に帰ってくるわ。その時はもっと面白い薬を作ってくるからね」
「またお土産話を楽しみにしています」
母が嬉しそうに微笑む。
夜空に花火が上がり、美しい夏祭りの夜が更けていく。
故郷の温かさと家族の愛情、そして領民たちの優しさに包まれて、心から幸せな気持ちになった。
「ふみゅ〜♪」
ふわりちゃんも満足そうに鳴いている。
「ピューイ」
ハーブも今日一日を楽しんだようだ。
「明日は王都に戻るのね」
少し寂しい気持ちもあるけれど、また新しい実験が待っている王都での生活も楽しみだ。
こうして、故郷での夏祭りは大成功のうちに幕を閉じた。
家族との絆を深め、領民たちに喜んでもらえた、とても特別な一日となった。
夏祭りの翌朝、私たちは王都への帰路に就いた。
馬車には故郷からのお土産がたくさん積み込まれている。
「ルナ、気をつけて行くのですよ」
母が心配そうに手を振る。
「王都でも体に気をつけなさい」
父も優しく見送ってくれる。
「お父様、お母様、ありがとうございました。また必ず帰ってきます」
「ピューイ」
ハーブが小さく鳴いて、故郷に別れを告げている。
「ふみゅ〜」
ふわりちゃんも何となく寂しそうだ。
馬車が動き出すと、セレーナが荷物の整理を始めた。
「お嬢様、領民の皆様からのお土産も含めて、随分と荷物が増えましたね」
「みんなが温かく送り出してくれて嬉しかったわ」
道中、私は昨日の実験について考えていた。
「そういえば、あのブドウジュースの実験、思ったより上手くいったのよね」
「確かに、いつもの爆発にしては効果的でした」
セレーナが振り返る。
「虹色の煙の原因がまだよくわからないの。魔力回復薬とブドウの成分が予想外の反応を起こしたのかしら」
「お嬢様の実験は、いつも予想を超えた結果になりますから」
兄のルキウスが苦笑する。
「でも、それが新しい発見につながるのよ」
馬車が王都に近づく頃、空間収納ポケットから実験用の小瓶を取り出した。
故郷で作った特製ブドウジュースの残りが入っている。
「これをカタリナたちに見せたら、きっと興味を持ってくれるでしょうね」
「お嬢様、まさか馬車の中で実験するつもりでは……」
セレーナが警戒した顔をする。
「安全な観察だけよ!」
小瓶を光にかざしてみると、琥珀色の液体が微かに光っている。
「やっぱり魔力が残ってる」
その時、馬車が急に揺れた。
「何事だ?」
兄が御者に確認する。
「申し訳ございません。道に大きな石が落ちていまして」
揺れた拍子に、私が持っていた小瓶が床に落ちてしまった。
「あっ!」
幸い割れはしなかったが、蓋が緩んで少量のジュースが馬車の床に飛び散った。
「大丈夫ですか?」
セレーナが心配そうに見る。
「ええ、瓶は無事よ」
ところが、床に飛び散ったジュースが奇妙な現象を起こした。
木の床に触れた部分から、小さな光の粒が立ち上り始めたのだ。
「これは……」
「ピューイ?」
ハーブも不思議そうに見ている。
「ふみゅ?」
光の粒は消えることなく、馬車の中をふわふわと漂っている。
「お嬢様、これは一体……」
「わからない。でも、危険な感じはしないわ」
兄も興味深そうに光の粒を観察している。
「ルナの薬がこんな現象を起こすとは……」
「魔力回復薬とブドウ、そして何らかの触媒が関わっているのかも」
光の粒に触れてみると、ほんのりと温かく、なんとなく心地よい感覚がした。
「これ、もしかして浄化効果があるんじゃない?」
馬車の中の空気が澄んできているような気がする。
「お嬢様の実験は、いつも想像を超えますね」
セレーナが感心している。
「これは学院に戻ったら、ぜひカタリナに相談してみましょう」
王都の街並みが見えてくる頃には、光の粒は自然に消えていた。
「面白い現象だったわ。でも、なぜ起こったのかしら」
「それを解明するのも、お嬢様の楽しみの一つでしょう」
セレーナが微笑む。
夕方、王都のアルケミ家の屋敷に到着した。
「ただいま」
玄関では執事のハロルドが出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、ルナお嬢様。ご実家でのご滞在はいかがでしたか?」
「とても楽しかったわ、ハロルド。みんな元気にしてた?」
「はい、皆元気でございます」
部屋に荷物を運び入れながら、故郷での出来事を振り返る。
「ふみゅ〜」
ふわりちゃんが安心したように鳴く。
「ピューイ」
ハーブも慣れ親しんだ寮の部屋でリラックスしている。
荷物を整理しながら、持ち帰った実験サンプルを確認する。
「カタリナやフラン、エミリに会うのも楽しみだわ」
「お嬢様、夕食の準備をいたします」
「ありがとう、マリア」
その晩、日記に故郷での出来事を記録した。
特に、馬車で起きた光の粒の現象については詳しくメモを取った。
「新しい発見の予感がするわ」
窓の外を見ると、王都の夜景が広がっている。故郷の星空とは違う美しさがある。
「ピューイ」
ハーブが眠そうに欠伸をしている。
「ふみゅ〜」
ふわりちゃんも今日の長旅で疲れたようだ。
「みんな、お疲れさま。明日からまた新しい毎日が始まるわよ」
翌朝、いつものように早起きして朝の支度をしていると、ノックの音が聞こえた。
「ルナさん!帰ってこられたのですわね!」
ドアを開けると、帰郷していたカタリナが嬉しそうに立っている。
「カタリナ、おはよう。昨夜遅く戻ったのよ」
「故郷はいかがでしたの?」
「とても楽しかったわ。それに、面白い発見もあったの」
私は昨日の光の粒の現象について説明した。
「まあ、それは興味深いですわね」
カタリナの目が知的好奇心に輝く。
「ぜひ一緒に研究させていただきたいですわ」
「もちろんよ。一人では解明できそうにないもの」
「では、今日の実験の時間に詳しく調べてみましょう」
「楽しみね」
こうして、故郷での充実した日々を終え、王都での新しい研究が始まろうとしていた。
光の粒の謎解明という新たな目標を胸に、今日という一日が始まる。
「ふみゅみゅ♪」
ふわりちゃんも新しい冒険を楽しみにしているようだ。
「ピューイ♪」
ハーブも元気いっぱいだ。
家族の温かさを胸に、仲間たちとの新しい発見を求めて、また充実した学院生活が始まろうとしていた。




