また露となり逝ってしまった!
去年の12月の雪の降るある寒い朝だった。
隣の棟の管理人の小倉さんが亡くなった。
その棟は除雪車が入るから生活道路は管理人が雪掻きしていた。
雪掻きを終え何故か息が苦しくなり棟の玄関までは歩けたが、玄関の前で息耐え小倉さんは倒れてそのままだった。
冬の早朝凍てつく寒さの中の雪掻きは手が凍るように冷たくなる。
早く部屋に帰り温まりたいと小倉さんは急いだが団地の棟の玄関前で倒れてるところを側を通った通りがかりの人が見つけて救急車を呼んだが、小倉さんは医大に運ばれたが亡くなっていた。
奥さんは、居ない。
子供が九州から駆けつけて退去手続きを取った。
お葬式は友達2、3人での密葬だったそうだ。
団地の管理人としての仕事をする中、町内会に尽力を尽くした人だった。
自分から話す人では無かったが、とても真面目ないい人だったと、うちの棟の管理人さんは、言う。
管理人ともなると棟の雪掻きは必死だ。
うちの棟の管理人さんは82歳だが除雪機を冬の朝1時間は動かし除雪する。
管理人さんは
「雪掻きは、永遠だ!」
とよく呟く。
小倉さんは自分の団地の棟の為の雪掻きで亡くなった。
私たち冬の凍てつく早朝に雪掻きする者にとっては、明日は我が身だ。
雪は手のひらに落ちて来て雪の結晶を見せてくれて、とてもロマンチックな気持ちにさせてくれるが、反面とても非情だ。
ひとの命を奪う。
雪の冷気で包み込み、ひとを凍死させる。
私は小倉さんと言われても写真を見せてもらえばわかるが、いったい誰なのかわからなかった。
管理人さんが懇親会で小倉さんが亡くなったことをおもむろに皆に話し一瞬静かになった。
誰だか顔が浮かばないが、私は涙が出そうになった。
こんなに団地の為に尽くした人が呆気なく亡くなってしまうなんて…絶句だ。
75歳だと聞く。
みんな80以下は若いと言う。
あまりにも若い死だった。
雪掻き、やりたがらない人がたくさん居るが、誰もやらないから管理人が1人で雪掻きし、亡くなったケースである。
「みんなの為に」と小倉さんは思って雪掻きしたのだろう。
若い40代の人が雪掻きしないのである。
老人に皺寄せが行き、老人が命を落とす。
若い人の身勝手では、ないだろうか?
そう問いたい。




