管理会社
団地には住民を管理し団地建物を管理し改善する大きな管理会社がつく。
私は道営だが大きな管理会社ひとつが道営団地全体を管理している。
管理会社の職員は、給料もいいし、団地の住民より金持ちで大きな家に住み豊かな暮らしをしている。
住民の世話をし、かなりな温情を管理会社職員は住民に持っている。
その温情は優しく親のようである。
最初入居したばかりの若い頃、お風呂のドアが外れたと管理会社に言ったらすぐ直してくれたが、前の住人が亡くなり、部屋が私に替わってから何も工事して無いからお風呂のドアの下の敷居を直してあげると、管理会社の職員大勢が立会いで来て敷居の検証をして業者が数時間かけて工事してくれた。
若かった私は何だか把握出来ずに居てお礼もそこそこだったが、管理会社は新しい住人に貞節を持ち優しく受け入れてくれるんだなぁと肌で感じた。
その頃は職員より歳下だった。
旅さんと結婚するとなり、団地の廊下側の小さな一室を旅さんの部屋にすると片付け整理掃除したが、いろいろと自分の部屋の見直しをした。
お風呂の水の蛇口を締めてもシャワーから水が漏れてた。
水道代も見ると2ヶ月前から高くなっている。
管理会社に電話したらすぐ職員が来てくれて新しいシャワーのホースを注文してくれ、後日付けてくれた。
お金は払わなくて良い。
この職員も歳上だった。
キッチンの水道も直してもらったが無料だった。
去年、キッチンの水道が壊れて私より若い職員が来て、水道の取手の品番が古くてわからないので業者も呼んだ。
品番がわかり、即発注し、取り付けてくれた。
無料だった。
113号室のおじさんの玄関のドアに何か取り付けててそれを取ったらドアが開け辛くなった。
その工事も管理会社がしてくれたそうだが、おじさんの責任が問われ有料だったと聞いている。
113号室のおじさんは体をバネにしてめちゃくちゃ働けるし、いい会社に勤めてるし、奥さんは農家の娘で高額な遺産相続したし、お金に困って無いのですぐ管理会社にお金払ったそうだ。
この棟でお金持ちなのは、そのおじさんと管理人さんだ。
新しい住人もそうかも知れないが、3軒とも夫婦2台車を持っている。
駐車場も1軒で2台分借りている。
団地で車2台所有している人は、お金持ちだ。
車持つという事はタクシー乗り回すよりお金がかかる。
管理会社は私が入った頃から同じ会社名だが、大きな入れ替わりが数年前あったそうだ。
住民の言うには前は優しかったが今は何でもケチりすぐ直してくれないと言っている。
玄関の上の大きなボイラーの機械も相当高額だが結露があると言った家は無料で新しいボイラーに前はすぐ替えてくれたが、今は結露があると言ってもなかなかボイラーを替えてくれないらしい。
私の部屋は結露が無いので工事はしてもらって無い。
うちからちょっと離れた市営住宅の団地は建て直しして新しい団地になったが、古い3棟の誰も住んで無い団地は幽霊棟のように建っている。
1棟壊すのに1億かかるからそのまま3棟放置しているそうだ。
誰も使わない駐車場には違法駐車してる車がいつも1台ある。
ずいぶん広い土地がそのまま放置されている。
管理会社もムダなお金を放出しないよう厳しくなったのだろう。
今の私の団地の管理会社の職員は歳下が多い。
うちの棟の担当の職員は、お兄さんだ。
私が「おじさん」と言ったら凄くイヤそうな顔をした。
私の1階の集合ポストの扉がある日、階段降りて見に行ったらグチャグチャに曲がり壊されてた。
その時、管理会社のお兄さんが通り
「恨まれたりしてないか?
このいたづらは、怨恨の可能性がある。」
と言った。
私は自分の部屋に戻りどうしようか途方に暮れてしまった。
午後、下に見に行ったらポストは綺麗に直っていた。
夕方、お兄さんが他の棟を回っているのを見て駆け寄って
「集合ポスト綺麗に直ってました。
ありがとうございます、直して下さったんですか?」
と言ったらお兄さんは笑顔で
「器具使って直しましたよ。
もう大丈夫ですよ。」
と白い歯を見せて笑い、まるでヒーローみたいに見えた。
管理会社とは、団地の住民の味方で助けてくれる頼もしい親みたいな存在だ。
私は、いつも職員の温情に触れて優しいと感動する。
それが職業だからそうなのだが、生活困窮者の住人には管理会社は神のような存在だ。




