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04.所謂、後日談的なヤツでしょうかね?てゆうか私の出番少な……

「あっ、そうだ。真宵、これありがとうな。」

 匠は所々に割れた綺麗な薄ピンクの水晶のブレスレットを真宵に手渡す。

「これ凄いな。よく分からんがどっか力強くて優しい感じ…?したよ。」

 あの時、匠は目には見えていなかったが、怨霊は真宵を追いかける前に、匠にとどめを刺そうとしていた…しかし水晶が強く光り、怨霊を弾き飛ばしていた。 

「それ…」

 真宵は小町の方をチラリと見つめる。

「小町ごめんっ!!!なんかいきなり割れちゃって…」

 貰った本人の目の前で壊れてしまったブレスレットを手渡され、焦るあまり凄い勢いで小町に謝った。真宵が深々と頭を下げているのを見て小町は膝を折り目線を真宵に合わせて話しかける。

「大丈夫。また新しいのプレゼントするね。」

(や、やべぇ…いい女。)

 おっさんの感情を抱く真宵は優しく微笑む小町に見惚れていた。

 時間が経過し真宵は3人で帰る事にした。

「遅くまで付き合わせてごめんね、小町。」 

「ご迷惑おかけしました。ありがとうございました。」暁も小さくお辞儀する。

「気にしないで。明日は学校休むの?」

「流石にね。お店も暫くお休みしないとだし」

 真宵の言葉に暁は少し悔しそうな表情を浮かべる。

「俺に経営資格とか衛生管理者の資格とか有ればよかったのに…」

「悔しよね。でも今は慌てなくても大丈夫だよ?ゆっくり行こ。」

 (うつむ)く暁に小町に頭を優しく撫でられ暁の顔は真っ赤になっていた。彼は小町のことが好きなんだろう。今までにも小町が遊びに来た時だけ少しカッコつけている事が何度もあった。

(暁よ。ねぇーちゃんの友達いい女だろ…?)

 すっかり大人しくなっている暁を見て真宵はニヤリと笑みを浮かべる。電車に乗り最寄駅に着き小町と別れを告げ自宅に帰る最中、暁は事故現場に姉が居なかったことが気になり話しかけた。

「ねぇーちゃん。叔父さん追いかけた後に何があったの?」

 改札を抜け自宅へ向かう途中、暁が話し出す。

「んー?怨霊に襲われたの。叔父さんの怪我の原因もそれ。」

「えっ!?、そんなに大変な事になってたのならなんで言ってくれないのさッ!!」

 暁は驚きの表情を浮かべ思わず大きな声をあげる。彼の声の大きさに周りの人間も何人か驚き二人を見る。真宵は少し慌て「シーッ」と人差し指をたて辺りを見渡す。その場を足早に去ろうと、暁の服の袖を掴み真宵は歩きながら話を続けた。

「ちょっと!声がデカいよ!…伝えられる状況だったと思う?」

 不可抗力とはいえ大きな声を出してしまった事に、少し反省した暁は真宵の問いに答える。

「そう……か。でもだったら姉ちゃんはどうやって対処したのさ。除霊なんか出来たっけ?」

「出来る訳ないじゃん。私じゃないよ、なんか変な人が助けてくれたの。」

「変な人?」眉を顰め真宵を見る。

「そう。陰陽師って言ってた。」

 漫画やアニメでしか聞かない職種が出てきた事に彼は首を傾げる。

「暁は陰陽師に詳しい?」

「安倍晴明ぐらいしか知らない。」

「だよねー。」

 自宅への帰り道2人は明日から店をどうするかなど話し合いながら帰宅した。真宵は暁と会話が出来ることが凄く幸せに感じれた。

 翌日、真宵は改めて匠の元へ向かう。病室に入ると匠は変わらない笑顔で迎えた。ベットの隣の椅子に座り持ってきた果物を剥き始める。

「さっき言ってた変な人って。どんな奴だったんだ?」

 持ってきたリンゴを慣れた手つきで皮を剥く真宵に匠は話しかける。

「陰陽師って言ってた。」

「陰陽師?」真宵の言葉に匠は眉を顰めた。彼の表情を見て昨晩の暁が同じ顔をしていたことを思い出した。

「名前は?」

「蘆屋道満?って人」

 真宵の言葉に匠はピタリと止まる。

「真宵…そいつは本当にそう名乗ったのか?」

「うん。何で?」

 リンゴを剥き終わり刃物を片付けていると匠は彼女に質問した。

「真宵は陰陽師って言うと誰を連想する?」

「えっ……?あっ、安倍晴明?」

「他には?」

「他?他にも居るの?分かんないよ…。それがどうした?」

 昨日の帰り道、暁が言っていた名前を復唱しただけの真宵は少し困っていた。

「蘆屋道満ってのは安倍晴明のライバルだ。」

「へぇー。凄い人なんだ。」

 別に興味ないと言わんばかりに綺麗に剥かれたリンゴに手を伸ばし一口頬張る。

「正義の晴明。悪の道満って言われていてな。」

「ん?」身を呈して守ってくれた姿とは対照的な呼び名に彼女は首を傾げる。

「簡単に説明すると、安倍晴明と蘆屋道満は平安時代に活躍した陰陽師でな、蘆屋道満は藤原伊周ふじわらのこれちかの依頼で藤原道長ふじわらのみちなが公卿くぎょう…。まぁ、現代で言う国の最高幹部を呪い殺そうとしたんだ。だが、その呪いが安倍晴明に看破されてな、播磨国に兵庫県の姫路の方に流され、その地で亡くなったと伝えられている。一説では蘆屋道満は空想上の人物だったともね。」

「そ、そうなんだ…」

 帰りの電車内、匠の話を聞き昨晩の道満の背中が脳内に蘇る。彼は本当に「悪」だったのだろうか?人の目を欺く為の演技だったのか?真宵の中でいくつかの疑問が浮かび上がる。電車の窓から見える景色を彼女はじっと見つめていた。 


「ハァハァ…ハァハァハァハァッ!」

 人の通りのない裏路地を走る1人の男子生徒の姿があった。容姿は髪が明るく染められ、左耳には金色のピアスが3つ輝いていた。何かから逃げようと必死な表情を浮かべている。逃げ惑う生徒をゆっくりと追い詰める男が居た。

「そんなに急がなくてもいいじゃん?」

 黒い和服を着用し腰に小刀を備えた白髪の男…蘆屋道満だ。

「来るなッ!来んじゃねッ!!」

「そんなこと言わないでよ〜。探すの苦労したんだよ?小笠原くん?」

「ハハハッ」乾いた笑い声が辺りに響き道満は俯く、彼の目は化け物に取り憑かれた様な目をしている…。

「当たり前の事だけど…あの呪術は素人では扱える代物ではない。」 

 道満は呟く様に吐き捨てる。

「単刀直入に聞こう。どこで?誰に?あの術を教わった?」

 睨まれた小笠原は呼吸が浅くなってゆく。

「言える訳ねだろッ!?」

(ほぉー…そう来たか…。) 

「まっ、いい。なら質問を思い切って変えよう。あの怨霊は本来なら1週間で対象者を呪い殺す。だが、お前の思い通りの結果にはならなかった。なぜなら彼女は途中であの怨霊を祓うほど強力な護りを手に入れていたから……お前はそれに気づいたよな?彼女の守りの力を破壊するためにあの怨霊を強化したよな?」

 そう言うと道満は腰の小刀に手を伸ばす。

「そんな便利なアイテムどこ手に入れた?密林か?フリマアプリかぁ?ネットオークションかぁッ!?」

質問をする度に道満の怒りの感情が増して行くのが小笠原には伝わっていた。

「や、やめろ…来るんじゃねぇっ!?」

 不気味な笑みを浮かべ徐々に距離を詰める。

「たっ、頼む…来ないでくれ…くっ、来るな…来るな来るな…来るなぁああああぁあああぁああぁ!!」

 小笠原の悲鳴は人気のない夜の街に飲み込まれて行った。

『昨晩未明、国分寺市内の裏路地で学生が遺体となって発見される事件があり…』

 テレビからニュースが流れている。暁は上機嫌に鼻歌を口ずさみながら朝ご飯を準備していた「よし。」テーブルに並べられた料理を見て満足げな笑みを浮かべていると騒々しい音を立てながら真宵が厨房に入って来た。

「朝ごはん出来てるよ!」

「ごめん!今日はいいっ!寝坊した!」

 真宵は皿の上に置いてあったトーストを咥え勢いよく駆け出していった。

「ねーちゃんっ!………諦めて遅刻すればいいのに。」

 暁はテーブルに座りテレビに目をやる。

『被害者の男子生徒は柏高校に通う2年生小笠原賢治くんで…』

(ん?今、柏高校って言った?ねーちゃんの学校じゃん。)

「物騒な世の中だねぇー」とため息混じりに老人の様な口調で呟く。

 学校に近づくと前を歩く美雨の姿が見え真宵は駆け寄った。

「美雨っ!おはよっ!」

「おぁよぉ」

 口に含んだパンをモゴモゴとし美雨は笑顔を浮かべている。

「ねぇ?ニュース見た?」

「ウチの生徒が殺されたってホント?」

「らしいね。」

「殺されたのって何年生?」

 学校へ向かう最中他の生徒が話す内容が少し気になった。学校の周りにも見慣れない大人達が多く見受けられ、マイクを持つ女性や学校の周りを写真や動画に収める人々も見受けられた。彼らに気にしつつも2人は自分の教室へと向かう。真宵と美雨が教室に入ると小町は少し深刻な表情を浮かべ席についている。

「小町ぃ?」

 美雨が顔を覗き込むと驚いた表情を浮かべ小町はいつもの微笑みを浮かべた。

「ボーッとしているなんて珍しいね。」

 真宵が机に鞄を置き席に着く。

「えっ、あっ。少し考え事を。」

「糖分足りてる?あんパン食べる?」

 ニコニコとしながら美雨は鞄からパンを取り出す。

「気持ちだけ頂くね。」

 そう言うと小町は美雨の頭を優しく撫でた。暫くすると校内放送が鳴り響き生徒たちは体育館へと向かう。真宵たち3人が体育館へ足を踏み入れるとほとんどの生徒達が集まっており館内の雰囲気は何処か重々しく真宵は不思議そうな表情を浮かべる。

「緊急集会って何かあったのかな?」

 ざわついている生徒達を真宵は辺りを見渡していると校長が徐に教壇に登り静かに話し出す。

「えぇー、突然の朝礼に集まってくれてありがとうございます。ニュースや今日登校された際に環境の変化で気づいている生徒もいるかもしれませんが…先日我が校の生徒が何者かに殺害されました。」

「え?」突然の言葉に動揺している真宵に美雨が話しかけた。

「裏路地で発見されたらしいよぉ。しかも…体が2つに引き裂かれてたって…」

 美雨の言葉に思わず目を歪め疑問を投げかける。

「被害にあった生徒って私たちと同じ学年?」

 真宵の言葉に美雨は少し困った表情を浮かべ目を逸らす。

「なに?美雨何か知っているね?」

「え?んんー?知ってる…かなぁ?」

 ハッキリしない返答に真宵はため息混じりに伝える。

「美雨。隠し事している時、目を逸らす癖出てるよ。」

「ふぇっ!」っと不意打ちで脇腹を突かれた様な素っ頓狂な声を出ると小町が苦笑いを浮かべ少し低いトーンで話し出した。

「いずれ分かることだけど…出来るだけ真宵には言わないでおこうと思ったの…被害者の男子生徒…小笠原先輩なの。」

 小町の言葉に殺害現場で切り裂かれた小笠原の姿が頭に思い浮かぶ。真宵は決して殺害現場にいた訳ではない…しかし、彼女の脳内では小笠原の断末魔…おびただしい量の血痕や匂いまでもが香ってくる程の想像が出来た。真宵の顔色はどんどん悪くなり次第に目の前の景色すらも霞み出し…目の前が真っ暗になった。

「真宵っ!」

 彼女の名前を呼ぶ2人声を最後に真宵は意識がなくなってしまった。

 真宵が気がつくとそこは未知らなぬ路地裏にいた。

(ここは?)

 辺りを見渡すと、遠くに見える街灯の灯りが見える。

 灯りの方から必死走ってくる見覚えのある男がこちらに向かって来るのがわかった。男が近づくにつれその姿がハッキリと分かった。小笠原賢治だ。

「来るなッ!来んじゃねッ!!」 

 激しく息を切らし目には大粒の涙を浮かべている。

「小笠原先輩?」

 真宵の呼びかけに小笠原は気づいていない様だ。

「先輩っ!落ち着いて下さい!」

 小笠原の肩に触れようとした瞬間、彼の体をすり抜け電柱にぶつかりそうになる。

(え?なに今の…?)理解が追いつかず思わず自分の両手を見ていると聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「そんなに急がなくてもいいじゃん?」

 黒い和服を着用し腰に小刀を備えた白髪の男…蘆屋道満がいた。

「探すの苦労したんだよ?小笠原くん?君が作った呪霊のせいで彼女がどんなに苦しめられたか知ってる?」

 腰に手を当て大きなため息を吐く道満に小笠原は逆上する。

「うるせぇっ!あんな女死んで当然だっ!」

 彼の一言に道満の表情は徐々に曇って行く。

「あーあ、言っちゃった。」

 少しの時間硬直していた道満はため息混じりに言葉を漏らすと腰の小刀をゆっくりと抜刀する、抜かれた刀は赤黒い禍々しいオーラを纏っていた。

「君がクズで本当に良かった…君を殺しても僕は何も思わない。」

 道満が吐き捨てる様に一言言い放つと小刀を振り上げ小笠原に振り抜いた。

「蘆屋さんっ!駄目ッ!!」

 真宵の言葉は道満には届かない…。小笠原の血液は辺り一面を赤く染め彼の悲鳴が辺りにこだました… 

 真宵は悲鳴のような大きな声を上げ突然勢いよくベットから起き上がると、美雨が大きな目をパチパチとさせていた。手に温もりを感じ視線を左手やると美雨が強く握っている。徐に美雨の顔を見ると目元は赤く腫れていた。

「まよいぃー!!」

 真宵の体に勢いよく抱きつく美雨。

(ここは?)

 ゆっくりと辺りを見渡す真宵、どうやら彼女は朝礼中に倒れてしまった様だ。周りの人間は校長の長話に貧血を起こしてしまったのだろうと、またしても根拠の無い噂が流れていた。

「北沢さん。安心するのはいいけど、保健室では静かにね。」

 カーテンを開け先生が入って来る。

「だってぇーーー」

 泣き喚く美雨に先生は困った表情を浮かべていた。

「美雨?声が大きいよ。」

 カーテンを開け呆れた表情で小町も入って来た。彼女の鳴き声は廊下にまで響き渡っていた様だ。

「大丈夫、真宵ちゃん?」

 そう言うと小町は真宵のベットに腰掛け真宵の頭を撫でる。

「ごめん。また心配かけて。」

 少し恥ずかしそうな表情を浮かべ真宵は小町の手を握る、その後ろで美雨は大きな声で泣いていた。

「まだ3日しか休んでないでしょ?疲れが抜けきってないんじゃない?」

「よがっだよーーー!」美雨の鳴き声は徐々に大きくなっていく、小町は何度も美雨に視線を送っている。

「どうだろ…?」

 頭を撫でる小町を見て「いづもの光景だーー!」と美雨の大きな声がこだます。あまりの大きな声に真宵も何度も視線を送る。

「どうしましょう?」大きな声で泣き続ける美雨に先生が困り果てていると、小町は制服のポケットから飴玉を取り出し美雨の口に咥えさせると彼女はピタリと泣き止んだのだった。

(小町、扱い慣れてるな…)

 心の中で呟くと真宵の笑いのツボが刺激されたらしく彼女は笑い声をあげた

「なに?今度は真宵ちゃんの番なの?」

 少し呆れた表情で小町は頭を抱える。

「ごめん、ツボった。」

 明るい笑い声が教室に響く。笑いながら真宵は思い返していた。

(最近笑えてなかったんだ。)

 真宵の笑顔に小町と美雨は安堵の表情を浮かべ一緒に笑った。

「真宵ぃー、一緒に帰ろ?」

 1日の授業を終え帰宅の準備をしていると美雨と小町が話しかけて来た。

「ごめん。先帰ってて、ちょっと行きたいとこあるんだ。」

「じゃ、一緒に行くぅー。」

「図書室だけど勉強する?」

「やっぱりいいや。帰ってご飯にする。」

 真宵の一言に美雨の目の光が消えた。美雨の表情を見て小町はクスクスと笑い、しゅんとした美雨の頭を撫でる小町、2人に別れを告げ真宵は図書室へ向かう。

(ネットでも調べられるけど…紙媒体の方が頭の中に入って来るんだよね。)

 近年では電子書籍が増えつつあるが匠の影響か本は紙のに限る。と彼女には持論があった。図書室に入ると机の上で居眠りをする生徒や勉学に励生徒がチラホラいた沢山の本棚が並ぶ中に進んで行くと真宵は日本史の歴史書が並ぶ本棚の前で足を止めた。

(陰陽師ってマニアックなジャンルかもだけど…何かしらはある。はず…)

 歴史に関する棚の本を端から順に手を付け目を通していく。

「違う、これも…これも違う…。」

 ブツブツと呟き何度も何度も本を手に取っては棚に戻す作業を行う。安倍晴明に関しての資料はいくつも見つかるのだが肝心な蘆屋道満に関する資料が見つからない。探し方を変え、晴明の資料に手を伸ばし周りの人物から情報を得ようとするが、どれも同じような内容しか記載がない。晴明の資料にも蘆屋道満との対決や、以前、匠から聞かされた程度の情報しか見つからず真宵は本を手に取ることをやめ一度図書室の椅子に腰掛けた。

(歴史上の人ってなんで情報多い人とそうじゃない人の偏りあるんだろう…?)

 ふと、携帯を取り出し時間を見る。図書室に来て2時間も経っていることに気づき真宵は教室を後にする。

 帰宅途中、電車の入り口付近の壁にもたれながら真宵はあることを思い出していた

(保健室で見た夢って現実に起きた事なのかな?)

 道満と初めて出会った夜のことを思い出す。一言多い男だと思ってはいたが…不思議と彼女の目には人を殺める様な男には見えなかったのだ。

(おじちゃんから聞いた話は悪の道満って言い伝えがあるらしいけど…。何でこの時代に蘆屋道満が??偽名?じゃあ何で歴史上の人物の名前を名乗ったの?おじちゃんの話だと蘆屋道満は存在していたかどうかも分からない…本の情報では似た人はいたみたいだけど…。)

 電車は真宵の最寄駅に着き扉が開く多くの人が下車し、もみくしゃにされながら真宵も電車を降り改札を抜ける真宵は徐に道満が小町の膝蹴りを顔面に食らい痙攣していた場所に視線がいった。

(道満さん、無事だと良いんだけど…)

 駅を抜け周りの景色を見ながらゆっくり歩く、見慣れた景色があの一件以来、彼女には別の景色に見えていた。先日、匠が怪我をした事故現場に差し掛かるとそこには、人が出入り出来ぬようバリケードで囲まれていた。事故現場の光景を見て先日の光景がフラッシュバックする。

(また…会えるかな?)

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