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散りゆく桜
道を歩きながら、ふと見上げてみます。
あんなに幸せそうだった桜が、春と別れを告げていました。
どんなことにも、終わりの時はやってきます。
楽しかった思い出を抱いて、泣いていたのは昔になりました。
大好きだった人たちは、いまはもう僕を覚えていないでしょう。
あのころが幻ではなかったことを、胸の痛みだけが教えてくれています。
寂しくて悲しいけれど、それでも僕はかまいません。
地面に落ちている花びらを拾って、また歩いていきます。
終わりの時が、僕を優しく包むまで。