第8話 ボス戦
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「や、やった…!1人で倒せたぞ…!」
テイムを重ねることでテイムした者の魔法とスキルを使えるということに気付いた俺は魔法とスキルを使いガーゴイルを倒すことができた。
他の方を見るとグラウスがガーゴイルを一体ちょうど倒し、アイスクイーンのほうも問題ないようだ。
「ガーゴイルのほうは残り2体だしグラウスとマーサに任せるとして…存在進化による恩恵がガーゴイルの増加だけなのがちょっと不気味だな…」
存在進化するとボスのランクは1個上がる。ガーゴイルが2体増えたところでランクが上がるわけはないのだ。だからまだなにかあるはずなんだ。
するとアイスクイーンの目が一瞬光ったのに俺は気付いた。
「なにか…来る…?」
前線で戦うメンバー達は気付いていないみたいだ。メイジ隊を見ても攻撃魔法で援護してるので異変に気付いていないようだ。
「メイジ隊!今すぐ前線に防壁魔法を!」
「は、はい!」
メイジ隊のマグノリアが代表して答えすぐに防壁魔法を展開してくれた。
「みんな一旦距離を取れ!!嫌な予感がする!」
俺は前線に走りながら大声で叫ぶ。そうするとみんな俺の声に気付き下がってくれた。
そしてその時…
「氷結魔法…アイスプリズン…」
アイスクイーンがそう口ずさむとアイスクイーンの回りから前線のメンバーに向かって氷の刃が発射された。
氷の刃は防壁に阻まれている。
「なんとか大丈夫なのか…?」
しかし…
「あ、主様!防壁が持ちません!押し負けています。」
マグノリアのそう叫んだ。防壁が持たないと。
このままでは前線のメンバーがまずい…魔力が心配だがやるしかない…!
「全方位防壁展開!!!」
俺はメイジ隊の防壁の裏にさらに防壁を入れ込むことで二重防壁を形成した。
そしてメイジ隊の防壁が破壊される。だが…俺の防壁によってアイスクイーンの魔法は止まった。
「行け!畳かけろ!」
俺の合図と共にアイスクイーンを畳み掛ける前線組に対して体を起き上がったアイスクイーンは氷剣と攻撃魔法を使いより攻撃を厚くして迎撃するが、メイジ隊と俺の援護の元で攻撃を通しやすくなっている前線組が徐々に体力を削っていく。
「やっぱり存在進化の恩恵はとんでもないな…」
さっきの氷結魔法は通常では撃たないし今こうして氷剣と同時に使っている魔法も本当は使わないのだ。
前線組は俺とメイジ隊の援護がなければおそらくアイスクイーンの氷剣と魔法により蜂の巣にされていたと思う。
だがテイムした魔物達によりそれを上回る攻撃を可能としていた。
「私も主殿にいい所を見せなくてはですね!いきます。迅雷…!」
そしていよいよその時が来た。
セッカがアイスクイーンに向けスキルの迅雷を使い高速で飛び出す。その速度は俺の使った迅雷とは比にならない速さだ。より強い轟音をたてアイスクイーンの攻撃をかわしながら懐に入り込むそして…
ジャギーン!!!
綺麗な斬撃音を奏でると共に腹部を綺麗に切り裂いた。それによりアイスクイーンは瀕死状態になった。
俺はアイスクイーンにトドメを刺そうと走っていき、アイスクイーンを短剣で刺そうとした。
だが…アイクイーンは最後の力を振り絞り向かってくる俺に対して氷魔法を展開した。
俺とアイスクイーンは距離して3メートルくらいまで近づいていた。たった1本の氷の槍だが俺に当たれば死ぬかもしれない。でもそれを守ろうにも防壁は展開できない。
「主殿!」「主様!」「アーサー様!」
みんなの声が聞こえる…でもこの攻撃は防ぎ切れない…そして迅雷でかわそうにも俺はセッカのような速さでは使えないためかわしきれない…なんとか少しでも動けたら…
(いや違う俺は動かなくてもいいんだ…!氷の槍の軌道を変えるだけだ…)
俺は咄嗟の判断でマグノリアが使う火の魔法「炎槍」を使った。
「集中しろ…俺ならやれる…軌道を変えるだけ…『炎槍』」
俺は炎槍をただ最速で出すことだけ考え撃った…結果的に威力はでないが高速の炎槍を繰り出すことができた。
俺の放った炎槍とアイスクイーンの氷槍はぶつかり合い氷槍の軌道がずれ、俺の顔スレスレを通り過ぎていった。
「ふぅ…ほんとに最後まで危ないことしやがって…でもお前強かったぞ。テイム。」
俺の言葉にアイスクイーンの体は光り輝く。
次に5体のガーゴイルの元へ向かい同じように短剣でトドメを刺した。
「主殿ー!我のところへ来てくださいー!」
少し遠いところにいたオルデウスが俺を呼んでいた。
呼ばれたのでオルデウスのところへ行くとそこには宝箱が置いてあった。
「主殿!これは戦闘報酬ですよ!」
「開けてみようか…」
もちろん通常のボスを倒しても宝箱をもらうことはできるのだが、存在進化ボスを倒すとよりレア度の高い物をもらえると聞いたことがある。実際に目にしたのはこれが初めてだ。
宝箱をそっと開けてみると中にはメモ帳のような物が入っていた。
「え?まさかこれだけ?というかこれなんだよ。」
俺が箱に対してのあまりの小ささに驚きつつもそのドロップ品について調べてみることにした。
「これなんですかね…使える物だといいのですが…」
しばらく観察してみてドロップ品の正体が分かった。
「これステータスやらが確認できる物じゃないか?」
「え!?それってマジックブックとかいうやつで相当なレアドロップですよ!」
ステータスを確認できるということは相手の強さを図ることができるということだ。市場に出回ることはあまりない。なにせあるととても便利だからだ。
「これでみんなのステータスも確認することができるのか!」
俺はそう言うと試しにマジックブックにオルデウスと言うとマジックブックにはオルデウスのステータスや使える魔法、スキルまで載っていた。
「これは便利だなぁ…テイムとかの時にも役に立ちそうだ!」
「そうですね!」
俺はマジックブックをしまうとさっきいた場所まで戻ってきた。
どうやらボスのテイムには少し時間がかかるようだがテイムはできるみたいだ。ガーゴイルはテイムが終わり1列に並び俺に跪いている。
そしてアイスクイーンから光が徐々に消えていった。どうやらテイムすることができたみたいだ。