第2話 アーサーの可能性
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『アーサー様の仰せのままに』
さっき俺のことを捨てたはずのパーティーメンバー達は今俺の目の前で膝をつき頭を下げている
「一体どういうことなんだ…どうしてグラウス達が俺を様付けなんかで呼んでいるんだ…」
俺は突如として態度が急変したグラウス達に混乱していた。
「アリス…アーサー様が怪我をしている。ヒールしてあげなさい。」
「わかりました。アーサー様失礼します。」
アリスはそう言うと俺のところに来て傷だらけとなった体にヒールをかけた。
「これはどういうことなんだ…」
俺は考えた。さっきまで俺のことを散々罵倒し、暴行してきた人間がここまで急に変わることなんてありえない。ありえるのは外的要因…
「多分これはさっきの魔物の仕業か…」
さっきの見たことない魔物がこの状況を作ったとみて間違いなかった。逆にそれ以外考えられないのだ。
ヒールによって体が回復した俺は立ち上がり辺りを見回した。
「さっきと同じ魔物はいない…それに周囲に魔物がいるような感じもしない。」
俺の目の前には変わらずに頭を下げ、跪いている4人がいた。
しばらく考えて俺はひとつの結論を見出した。おそらくさっきの魔物が死ぬ時に何らかの液体を出していた。それがなにかの状態異常を4人に付与したのではないかと。
「グラウス、体に異常を感じるか?」
「いえ、アーサー様。私は大丈夫です。」
(毒などではないと…体に異常がないとなると精神異常か…)
今の俺にはさっきの絶望とは違い、希望の光が見えていた。今4人は俺のことを主のような存在だと認識している。俺はこれを利用して上手くダンジョンから出れないかと。
「グラウス達は俺のいうことをなんでも聞くか?」
俺はグラウスに1個質問をした。もし仮にいうことを聞いてくれるのであれば魔物を倒してダンジョンから出れるかもしれないからだ。
「もちろんです。ここにいる皆はあなた様に付いて行きます。」
(もしかして…これは…)
俺は戦闘はできないため、他のことでパーティーの役にたとうと、昔よく図書館に通い本を読んでいた。そこで読んでいた本の中にこれと似たような状態異常を付与する魔物を思い出した。
「デスチャーマー…確かこの魔物は被討伐時辺りに液体を撒き散らし、液体に触れた者は付着後、初めて見た生物を主と認識する。みたいな効果を持つ中型の魔物だった気がする。」
この状況が掴めてきた俺とは違い、相変わらず4人は無言で頭を下げ跪いたままである。
「でも確かデスチャーマーはダンジョンの下層に現れ群れで行動したはずだが…もしかしたらはぐれた個体ということか?」
この状況の原因がわかった俺はこの後どうするかについて考えた。
「デスチャーマーの状態異常である魅了の効果時間は確か…24時間…この4人の力があればダンジョンをでることはかんた…ん?ちょっと待てよ?」
「アーサー様。どうなされましたか?」
俺は1つ閃いた。ダンジョンを出る前に自分を今までの無能テイマーから変われる方法を!
「俺は君たちをテイムしたい。」
グラウス達はお互いの顔を見合わせ俺のほうを向き返答した。
「わかりました。主との絆がこれでより強くなりますね!」
グラウスがそう言うと他の3人も強く頷いていた。
「正直、法律違反だけど…ダンジョンから出るまでの間だけだ。こいつらだって俺を遠回しに殺そうとしていたしお相子だな。」
そうして俺は4人の頭に手をかざした。相手からの好意と忠誠があれば魔力のない俺でも相手承諾があればテイムをすることができる。ただしこのテイムは24時間限定だが…
「それにしても…人生初テイムが人間とは…なんか不思議だな。よし!テイム…!」
俺がテイムと唱えると4人の体は少し光俺の支配下に入った。
「タイムリミットは24時間…この間に少しでも強くなるぞ!」
そう言って俺とテイムされた4人はダンジョンの下層へと向かって行くのであった。
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それにしてもあとがきってみなさんなに書くんですかね…とりあえずこの話を書いていて思ったことは私も近所の可愛い犬をテイムしたいですね。