【漫才】オカンの話
第三回【GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞】の応募作品です。
二人「はいどうもー」
ボケ「ええかげんにせい!どうも、ありがとうございましたー」
ツッコミ「はやいはやい!なんでもう終わらせるねん!せっかく爆笑ネタ考えてきたんやから!」
ボケ「でも……」
ツッコミ「でもやらへんねん!打ち合わせと違うことやめてくれや、アドリブ力ないんやから!」
ボケ「すまんすまん」
ツッコミ「まったく……こっからは打ち合わせ通り頼むで。んでね、俺のオカンの話なんやけど」
ボケ「どうも、ありがとうございましたー」
ツッコミ「だから終わらせんな!もうちょっと俺のオカンに興味持ってくれ!」
ボケ「最近髪の毛薄くなってきてるのが気になって、カツラ付け始めたんやろ?」
ツッコミ「オチ言うなや!っていうかなんで知ってんねん!」
ボケ「興味持てっていうたやん」
ツッコミ「いや持ちすぎ!どうすれば相方のオカンの頭皮にまで興味持てんねん!」
ボケ「どうも、ありがとうございましたー」
ツッコミ「だからなんで終わらせるねん!始まったばっかりやろ!打ち合わせどおりにしろって言うたやんけ!」
ボケ「もうオチついたからええやろ?」
ツッコミ「よくないわ!お客さんポカーンしてはるやんけ!こんなに早く終わったらお客さんに怒られてしまうで!?」
ボケ「無駄な時間使わせるほうが申し訳ないやん」
ツッコミ「無駄な時間っていうなや!お前がエンジン音みたいなイビキかいて寝てる間、俺は必死こいてネタ考えてたんやぞ!」
ボケ「ちょっとやってみてや」
ツッコミ「ブロロロロロ……って何やらせんねん!……まぁええわ、他のオチもあるからそっち話すわ」
ボケ「冷蔵庫で寝かしておいたネタがこちらになります」
ツッコミ「ひえっひえみたいに言うなや!今朝できたてのホカホカやわ!」
ボケ「どうも、ありがとうございましたー」
ツッコミ「今終わるタイミングあった!?今から爆笑ネタ披露するって話してたよな!?」
ボケ「オカンが近所の犬に吠えられてちょっとチビッたって話やろ?」
ツッコミ「だからなんで知ってんねーん!」
ボケ「確かに黒い土佐犬は吠えられたらめっちゃ怖いよな」
ツッコミ「俺も知らーん!えっ、土佐犬なん!?お前の情報網どうなっとんの!?」
ボケ「はい、ありがとうございましたー」
ツッコミ「いや強引!無理矢理すぎるわ!っていうかネタのオチを先に言うボケがあるか!?」
ボケ「お前のためやねん」
ツッコミ「俺のため……?えっ、どういうこと?」
ボケ「それは俺の口からは言えん……」
ツッコミ「はぁ?わけわからんわ。ええから他のオチやるで!うちの」
ボケ「オカンの布団が」
ツッコミ「だあああああああああああああああああああああああああっ!言わせるかああああああああっ!」
ボケ「うわっ、びっくりした」
ツッコミ「もう邪魔させへんぞ!もう俺は一人ででも爆笑ネタ披露するからな!」
ボケ「やめとけって、な?」
ツッコミ「なんでやめなあかんねん!俺らこういう仕事しとるんやぞ!お茶の間に笑いを届けるのが俺らの使命や!」
ボケ「……わかった。そこまで言うなら俺も打ち合わせ通りちゃんとやるわ。死なば諸共やわ」
ツッコミ「なーんか引っかかる言い方やな……それじゃぁ、ゴホン。うちのオカンがね、布団干しとったんですわ」
ボケ「洗濯物かー、結構力仕事やから大変やなー」
ツッコミ「ところがな、うちのオカンは実は魔法を使えるからこう、バァーッとやれば布団が空中に浮いて楽に物干し竿に引っ掛けられるんや」
ボケ「お前のオカン何者やねん!もっと有効に使えるシーンあるやろ!」
ツッコミ「まさに布団が吹っ飛んだってな!」
ボケ「吹っ飛んだって言うほど飛んでへんやろそれ!」
二人「どうも、ありがとうございましたー」
ボケ「ほらこうなった!ほら静まり返った!めっちゃシーンってなっとるやん!こうなるから早く終わらせたかったんや!」
ツッコミ「嘘やろ!?俺が考えた爆笑駄洒落が!」
ボケ「パクリやからなそれ!?」
ツッコミ「じゃあ他の爆笑ネタを」
ボケ「もうええわ!」
二人「どうも、ありがとうございましたー」
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