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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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95 追撃戦

 敵兵を倒してる最中に、ふと違和感を感じた。


 明らかに敵の手応えが無くなった。闘志が感じられないというか・・・。



「ん?・・・敵軍が引いて行ってないか?」



 もしかして、撤退するのか!?


 こちらに背を向けている兵士が何人もいるのだ。

 戦いの最中に背中を見せる理由なんて、退却くらいしか思いつかん。


 目を凝らして敵の動きに注目していると、遠くに巨体の男が馬に乗る姿が見えた。



「見つけたぞ、ジャバルグ!」



 悪いが逃がしゃあしねえよ。


 ビームライフルを取り出し、安全装置を外し即座に構える。



 ビュオン



「なにッ!?避けただと?・・・もう一度試してみるか」



 ビュオン



「ジャバルグで間違いなさそうだな。私の射撃は正確なハズだ。それをことごとく外すとは」



 思えば、激戦すぎて名セリフをスッカリ忘れていた。

 とりあえずノルマ達成だ。


 しかしジャバルグに逃げられてしまったぞ・・・。

 奴は馬に乗ってたから、全力で走っても追いつくのは無理か。



「小烏丸さん!本隊から追撃の合図です!」


「ルシオか、了解だ。皆の者!これより敵の追撃に入る!!一人も生かして帰すな!ただし一人だけで深追いしないよう、周りをしっかり見て動けよ?」


「「ハッ!」」



 ここからは無理に目立った活躍をする必要はないだろう。俺はすでにジャグルズを倒しているからな。むしろ他の皆が戦功を稼げるよう、後押ししてやるべきだ。


 それに城攻めになった場合、ビームライフルが必要になるから、それまでにエネルギーの充填をしておかなければならない。

 まあ、一日二日で辿り着くような距離じゃないので、その時間は十分あるだろう。

 皆の活躍をチェックしながら、のんびりやりましょうかね。


 あ、ジャグルズの装備だけは回収しておかないとな・・・。






 ************************************************************






 追撃を始めて半日が経過した。



「暗くなって来たので、今日はここまでだ。各自野営の準備に入れ!」


「「ハッ!」」



 兵士達に野営の準備を任せて、ミスフィートさんの天幕を張る為に本隊の方へ移動する。




「今日はここまでにしましょう。みんな疲れているし、これ以上無理する必要は無いと思います」


「だな。皆の者!今日の追撃はここまでだ!各自野営の準備をしろ!」


「「ハッ!」」



 マジックバッグから天幕を取り出し、みんなで組み立てる。



「ルシオ、ボヤッキー、今から言う人達をここに集めてくれ。カーラ、カトレア、チェリン、リタ、リナの5人だ」


「「了解しました!」」



 ミスフィートさんの天幕に、現時点での重臣のみが集められた。




 ・・・・・




「皆の活躍は聞いているぞ!今日はよくぞ戦い抜いてくれた!」


「さすがに疲れたわね・・・。今日はもう無理~」

「敵軍の背後を封鎖していたのに、ジャバルグの逃走を止められませんでした」

「アレは仕方ないよ。あんだけの人数が一斉に撤退を始めたんだ。死に物狂いの敵をいつまでも封鎖なんて出来っこない」

「むしろ頑張りすぎて戦死しなくて良かったと思うぞ。流石はカトレアだ!引き際をわきまえてる」

「その通りだ!自分の責任だと感じる必要はない」


 ああいうケースで無茶をしないのが、カトレアの信頼できるポイントだな。

 だからこそ別動隊という、判断力が必要なポジションを任せられるのだ。



「追撃戦はどうだった?」


「雑魚兵は結構倒したけど、殿(しんがり)の部隊を殲滅出来なかった」

「リタと二人で攻撃したのに倒せなかった」


「敵の殿(しんがり)は、宿老シャガールだ。奴は手強いぞ」


 リタとリナのコンビでも倒せないとは、相当な手練れだ。

 ジャグルズまでとは思わないけど、相当な実力者なのだろう。



「明日の夜明けと同時にまた追撃戦に入るが、みんな無茶だけはするな。最終的に城攻めで殲滅すればいいだけの話だからな」

「でもまだ敵兵は1000近く残ってるわ。出来れば追撃戦で500は削っておきたい」

「味方の生存者はどれくらい?」

「こちらは約2000の兵が健在だ。聖水の存在が大きいな」

「それでも結構やられましたね・・・。5000対3000で始まってるから十分な戦果だけど、追撃戦でもう少し敵を減らせば城攻めも楽になる」

「城の守備兵をどれほど残してきたのか、まあ、そう多くはない筈だ」


 ああ、そうか!他国のことを考えたら、守備隊をある程度城に残してるよな。

 500はいるだろうなあ・・・。



「それにしても、小烏丸対ジャグルズの対決は本当に凄かったわ!」

「そうだ!私もその話が聞きたかったのだ!」

「聞いたわ!ジャグルズを打ち破ったって。ジャバルグの弟よね?」

「私の所にも、すぐに撃破の報が伝わりました」

「髪が1メートルある男」

「強かった?」


 おっと、その話か。少し照れるな。


「かなりの使い手でしたね。命を懸けた紙一重の戦闘をしたのは久しぶりです。ジャバルグがそれ以上の手練れとなると、迂闊に攻撃を仕掛けるのは危険です」


「いや、ジャグルズも大名に匹敵する実力者だぞ!前大名との戦いで獅子奮迅の活躍をしたと聞いている。国をもう一つ落としていれば、確実に一国を任されていた人物だろう」


 なるほど、大名クラスだったか。確かにあれだけの強さの男がポンポンいたんじゃ堪らんわな。



「あの、お話の途中で失礼ですが、そろそろ夕食にしませんか?」

「アタシもお腹ペコペコだよ!」

「そうだな、作戦会議は夕食後にするか。私も限界だ!」

「「賛成!」」


 俺も一暴れしたせいか、すげー腹が減ってきた。

 今日は腹いっぱい食って、ぐっすり寝て、明日の戦いに備えよう!

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― 新着の感想 ―
[良い点] すでに自身が目立った戦功を挙げ、戦闘自体に余裕があるという条件もあるかも知れませんが、味方に手柄を譲る小烏丸は良い上司の素質があるように思えます。
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