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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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904/910

904 お色気お姉さんとトロッコ

 ツッパリ共の武器を作るため、再び伊賀の里までやって来た。

 別にここで作る必要はないのだが、なんとなくだ。


 そしてニンニンに変化球を教えてくれと言われたので、野球を一時中断して変化球講座を開き、忍者達はまた一つ更なる高みへ登っていった。


 犬の彫像の前に戻ると、白と白のお母さんの姿を発見したので、トン汁の話を聞いてみたら、初挑戦で美味しいトン汁が作れたと喜んでいてほっこりした。


 子供達を疎開させる意味もあって、近江との決戦までに大和の里で修行を再開するって話なので、今のうちにお母さんにいっぱい甘えておくんだぞ?


 というわけで、俺もツッパリの武器作りを再開だ!




 ◇




「小烏丸くーーーーーん!」



 ・・・ん?


 顔を上げて声の方を見ると、大広場入口でお色気お姉さんが手を振っていた。

 こっちこっちとジェスチャーされたので、そっちに歩いていく。



「見て見て!馬車に車輪を付けてみたの!」


 見ると、大広場入口に停まってた馬車の車輪が、シドの店で購入したタイヤ付きの車輪になっていた。元の馬車を知らんのだけど、タイヤなんてあの店にしか売っていないのだから間違いあるまい。


「おお、タイヤ付きの車輪だな!乗り心地はどうだ?」

「もう最高ね♪あまりにも違うから本当に楽しくて楽しくて、伊賀の里を一周しようと思ってるくらいよ!」

「良かったな!シドの店のタイヤはマジですげーんだ」

「儂も驚いてな、他の馬車の車輪も付け替えているところだ!それが終わったら最前線にタイヤを運ぼうと思っている」

「それは重要だな。向こうの馬車が進化すれば、移動や輸送が楽になる」


 そこまで言ったところで、重大なミスに気が付いた。


「あっ!一つ重要なのを見せるの忘れてた!!」


「「重要!?」」


「最強の輸送手段があってだな、ちょっと作るのが大変なんだが、完成すれば恐ろしい速度で移動や輸送が出来るようになるんだ」

「そんな凄いモノが!?見たいわ!」

「今すぐ転移して大丈夫か?そんなに時間は掛からん」

「お願い!」

「儂も行くぞ?」

「じゃあ二人とも手を繋いでくれ」



 というわけで、尾張のガラス工場に転移した。

 そしてトロッコ乗り場まで歩いていく。



「何だこれは?」

「地面に何か変な物があるわね。ずっと向こうまで続いてるけど・・・」

「鉄がずーっと伸びているから鉄道というんだ。線路とも呼ぶがな。んで、この鉄の道を使うことで凄い速度で移動することが可能となる」


 今は鉱山までレールが二本伸びており、魔石を動力源とした機関車風3両編成の自動トロッコがこっちと鉱山側に一台ずつある状態だ。トロッコ乗り場には屋根も付いてるんだぞ!


「この乗り物はトロッコといい、ここでは鉱山から珪岩なんかを運搬するのに使っているのだが、もちろん人をいっぱい乗せて運ぶことも可能だ。というわけで、今から実際に乗ってみよう」



 三人で、トロッコの一番前にある操縦席に乗り込んだ。

 関係者だけが持ってる鍵を差し込み、起動スイッチをON。



「んじゃ出発進行!」



 ガタンゴトン ガタンゴトン


 ほとんど機関車同然のトロッコが、鉱山目指して進んでいく。



「速い!これってかなりの速度が出てるんじゃない?」

「素晴らしい!ただ山の中をこの速度で移動すると、さすがに少し怖いな・・・」

「鉄の道に沿って進んでいるから大きな事故は起こりにくいぞ。ただ動物や魔物が飛び出してくる時があるから、操縦者は周りをしっかり見ながら走る必要がある。速度の調節は基本的に足のペダルを使う」


 二人が俺の足もとに視線を移したので、ブレーキを踏んで速度を落としたり、アクセルを踏んで速度を上げたりしてみせた。


「凄い乗り物ね!」

「こいつは伊賀にも欲しいな!」


 二人とも乗り気になってきたな?


「このトロッコを作るのはそう難しくないんだけど、問題なのは鉄道を大量に作って国中に張り巡らさなければならないことだ。ちなみにミスフィート領では鉄道網を重視していて、尾張から京の都まで鉄道が繋がっているんだぞ。そして京の都から丹波や摂津なんかにも伸ばしているところだ」


「「なんと!?」」


「もちろん三河や遠江にも鉄道が張り巡らされていて、尾張と三河は鉄道で繋がってるんだ。これにより、どちらかに万が一の事態が発生した時、凄い速度で援軍を派遣することが可能となった」


 お色気お姉さんと平蔵が顔を見合わせた。


「この速度で援軍が・・・」

「もしかして、聖帝軍との決戦に三河兵も援軍に来ていたのか!?」

「いや、敢えて三河には頼らなかった。彼らとは対等な立場でいたかったし、ミスフィート軍だけでやれる自信があったんでな」

「あの大軍相手に同盟国を頼らないなんて凄いわね・・・」

「そこで同盟国を頼らずいつ頼るのだ?聖帝以上の敵なんておらんだろ!」


 たしかに!!


「まあ平蔵の言う通りなんだが、おかげで清光さん虎徹さん相手に引け目を感じることなく交渉が出来るようになったわけだし、大きな意味があったぞ!」

「それはよく分かるわ。ウチなんか尾張や三河に引け目しかないもの」

「悔しいが技術力に差があり過ぎて、対等など程遠いですな・・・」

「なあに、近江軍さえ倒してしまえば内政に集中できるさ」



 そんな会話をしているうちに鉱山に到着。

 鉱山に用などなかったので、トロッコを乗り換えてガラス工場に引き返した。


 トロッコから降り、お色気お姉さんに線路のサンプルを渡した。



「これとまったく同じ物を作りまくるんだ。そしてまずは伊賀の里から最前線まで線路を繋げろ。次に大和か伊勢と伊賀の里を繋げれば、ミスフィート軍と交易が可能になるだろう。伊賀の里に新鮮な魚が届くようになるぞ!」


「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!」」


「えーと、トロッコは売ってもらえたりするのかしら?」

「そうだな。世界を繋ぐ鉄道網は俺の目標でもあるんで、ミスフィート領と線路を繋ぐ意思があるのなら、今乗った3両編成のトロッコを2台プレゼントしよう。3台目からは有料だけどな!」

「伊賀にとって利しかないのだから、もうすでに作る気満々だ!」

「本当に嬉しい!帰ったら鍛冶職人を招集するわ!」

「それと寸分違わない物を作らないとトロッコが走らなくなったりするから、職人達によーく言い聞かせるんだぞ?」

「わかってるわ!」

「馬車のこともありますし、忙しくなりますぞ!」



 しかしまあ、ツッパリの武器を作ってるだけなのに、寄り道が半端なくてさっぱり進みません!


 いい加減集中しないと、期限までに間に合わんぞ・・・。

 

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