902 すごく懐かれた
女番長グループ五人のレベル上げが終わったので、流星城に帰還した。
もう一度リンコのレベル上げをするために戻って来なきゃならんけど、後輩達に知られるわけにはいかないから、とりあえず皆で帰ったふりをして、一人だけこっそり連れ出さなきゃならんのだ。
城に入ってすぐの場所に転移したのだが、レベルが上がっただけじゃなく、新しい服に着替えた百花繚乱の女の子達はとてもご機嫌で、この後どうするかワーワー騒いでいる。
「今日は休日だけど、とりあえず和泉にレベル上げが終わったと報告しにいくか」
「はい!その後は自由にしていいんスよね?」
「休日なんだし好きに遊ぶといい。でも外出するなら護衛をつけるか帯刀した方がいいだろう。ミスフィート軍預かりって立場だし、万が一ってことがあるからな」
「刀を所持すれば、アタシ達だけで街に行っていいんスか!?」
「今までは低レベルすぎて危険だったから許されなかったんだ。もう街のゴロツキくらい撃退できるだろうし構わんぞ」
「「やったーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
この子達にはミスフィート軍の紋章に(仮)と書かれた腕章を渡してあるので、出かける時は着用を忘れないよう言っといた。
この腕章を着けているだけで、変なのに絡まれることはまず無くなる。
住民達から軍人と見られるから、何とも言えない変な空気になるけどな。
あ、お小遣いをあげないと、買い物するにも不自由しそうだな。
「レベル20になったことだし、これは俺からのご祝儀だ。好きに使って構わんけど、実用的じゃない変な置物を買うのだけはやめておけ。絶対後悔するから」
百花繚乱の五人とリンコに、金貨を二枚ずつ手渡した。
「「わああああ~~~~~~~~~~!ありがとうございます!!」」
思わぬお小遣いに、みんな大喜びだ。
「小烏丸さんって、優しくて面倒見が良くて気前が良くて、ホント大好き!」
レイコが腕に絡みついてきた。
「なんかマスクかぶってるし、最初は意味不明な人だと思ったけど、すごく良い人だよね!」
今度は反対側の腕にアケミが絡みついてきた。
「でも嫁がいっぱいいるとか言ってなかった?」
「いるぞ。だから離れろ!」
「いいじゃん!でもそりゃモテるだろ!ミスフィート軍の軍師様だぜ?」
「あの凶悪ゴブリンを真っ二つにしてたし、強さもハンパないよ!」
「私もこんな旦那様が欲しい!」
「えーい、歩きにくいから離れろと言っている!」
「「あーーーーはっはっはっはっはっはっはっは!」」
突然のモテ期到来に困惑しつつも、食堂へ向かって歩いていく。
昨日までは、むしろちょっと距離を感じてるくらいだったんだけどな。
まあ女子高生くらいの子に懐かれて悪い気はしないが、今日一日でこうも親密度が上がるとは・・・。
そうこうしている間に食堂に到着したが、もう昼飯時を過ぎていたのでガランとしていた。
女の子達に絡まれながら厨房の方に向かうと、百花繚乱の五人の声だと気付いたようで、和泉が顔を出した。
「・・・なんで、その子達とメチャメチャ仲良くなってるわけ?」
「しらん。レベル上げとか耐性上げとかしてたら懐かれた」
「しかも服装が変わってるんだけど。フィオーラの服でしょそれ?」
「あ~、ゴブさんを見せたらちょっと大惨事になってな。女神の泉で体を清めて着替えさせたんだ」
「あーーーーーーーーーー!小烏丸さん、なんで言っちゃうのさ!」
「なるほど!お漏らししたのね!・・・もしかして全員!?」
「見ての通りだ」
「あーーーーーっはっはっはっはっはっは!でも気持ちは分かるから気にしなくていいよ。私もちょっと漏らしたし」
「え?イズミさんもだったんスか!ゴブリンがあんな怖いなんて反則っスよね!」
「あのダンジョンちょっとおかしいから。そういえば玉座の間に行ったら、あのゴブリンとまったく同じぬいぐるいが玉座に座ってるよ」
「マジで!?」
「なんで玉座に座ってんのさ!!」
「ミスフィートさんの趣味だ」
「意味分かんないんだけど!」
「「あーーーーっはっはっはっはっはっはっはっは!」」
そういや和泉もお漏らし経験者だったな。
低レベルであの殺気を受けたら、漏らしてしまっても無理ないのだ。
あ、そうだ!
「そうそう和泉、この子達が狩りまくった海産物が結構あるんだが、彼女達の物だから預かってくれるか?」
「いいよ!っていうか、お昼食べてないでしょ?せっかくだから海鮮パーティーしたらいいんじゃない?」
「そういや昼がまだだったな。じゃあ誰もいないし豪快にやるか!」
隣のテーブルと椅子を移動させてスペースを作り、女の子達が狩った海産物をポイポイ出しまくり、まずは和泉が回収。そして食べられそうな分だけまた放出した。
「それってアタシ達が倒した魔物だよね!?持って帰ってきてたんだ!」
「なんか出たり消えたりしてたけど、結構いっぱい倒したよね?」
「今日倒した獲物は全てお前らのもんだ。和泉に預かってもらったから、出してほしくなったら和泉に言うといい」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!」」
テーブルの上にコンロを置き、イカやホタテなんかを豪快に焼き始めた。
床の上にもコンロを置いて、デカい鍋をセットしてカニを茹でる。
もちろん魔石はしっかり回収したぞ。
引き換えに家具を売ってやってもいいかもな。
そして海産物に夢中になってる百花繚乱の女の子達の隙をつき、和泉とリンコと一緒に厨房に入った。
「この後またダンジョンに行って、リンコのレベル上げをするつもりだ」
「リンコだけ?」
「レベルが追い付かれてしまったからさ、先輩の意地を見せなきゃだろ!」
「あはははは!なるほどね~」
「でも夕方までやったところでたかが知れてるから、明日も丸一日レベル上げさせていいか?それくらいやれば明確に差が開くと思うんだ」
「え?明日もレベル上げしていいの!?」
「しょうがないわね~。でも明日はルーシーの助手をする日だよ」
「あ、そういやリンコって料理班じゃないんだった!ルーシーに許可をもらわんとダメか・・・」
「まあ事情が事情だし、ルーシーには私から言っといてあげるよ」
「たのむ。ってことでリンコ、明日も朝からダンジョンだ」
「ありがとう!メチャクチャ頑張る!」
というわけで、リンコを連れ出す許可をもらえたようだ。
話がついたので女の子達の方へ戻り、調理を再開。
みんなでワイワイ海産物パーティーが始まった。
「「美味すぎるーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
街で美味いもんでも食えって感じでお小遣いを渡したんだけど、こっちの方が絶対美味いし楽しいから問題なしだろ!
ふむ、今日はリンコのレベル上げで終了かな?
明日はちゃんとツッパリの武器を作らんと。




