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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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90 ジャバルグ軍、始動

 あれから3ヶ月、訓練に訓練を重ね、パラゾン防衛戦以降に参入した新兵達も戦う術を身につけた。


 といっても、たかが3ヶ月程度じゃ、軍隊の真似事みたいなもんなので、そんな頼りない兵士すら戦に投入せざるを得ない現状に悲しくなる。


 本当ならもっとしっかり鍛えてから戦わせたかった。でも敵さんはいつまでも待ってくれないんだよ。もう武器の性能頼みで、生き延びてくれることを祈るしかない。


 街へ流れて来る民衆の数も未だに多く、軍の兵隊も毎日増え続けているぞ。



 プルルルル



 通信機の10番が光っている。ヴォルフだ。



「ヴォルフだな?」


『ジャバルグ軍が動き出しました!その数、約5000!』


「5000だと!?」


『真っ直ぐパラゾン方面へと向かっています!ジャバルグの姿はまだ確認出来ていません』


「わかった。その兵数ならば、ジャバルグもいると思って間違いなさそうだな!まだ遅れて別動隊が来る可能性もあるから、もう少しそこで待機してくれ。無茶はするなよ?」


『了解です!』



 ようやく動いたか・・・。


 しかし5000かよ!ほぼ全軍に近いんじゃないのか?

 他国への警戒の為に多少の守備兵は残しているのだろうけど、どうやらこの戦で決着をつけるつもりらしいな。急いでミスフィートさんに報告だ!




 トントン



「入れ」


 ミスフィートさんは机で書類とにらめっこしていたようだ。


「ジャバルグ軍が動き出しました。その数、約5000!」

「5000!?ヤツらも本気という事か!」

「それにしても、本気で攻めて来るまでに、こちらの準備が整うほど時間がかかったのはなぜなんでしょう?」

「それはまあ、大名ともなれば他国とのゴタゴタもあるのだろう。これでも急いで攻めて来たのかもしれぬぞ?」

「あー、なるほど!国の外にも敵がいるとなれば、準備に時間がかかるのも無理ないのか」


 反乱軍にはジャバルグしか敵がいないけど、ジャバルグはそうじゃない。


 隣接国の、美濃、伊勢、三河にも目を光らせる必要があるんだ。尾張内部のゴタゴタを処理したくとも、その間に他国に攻め込まれたんじゃ元も子もないもんな。

 むしろ3ヶ月で他国への対処を終わらせたってことだから、実はものすごく迅速な行動なのかもしれん。



「こちらの兵は約3000。だがそのうちの1000人程は、戦力として計算など出来ない、数合わせでしかないような新兵達だ。今回も数的には相当厳しいと言わざるを得ないな」

「そうですね・・・。しかし今回も初っ端にデカいのを食らわせてやるつもりですので、最低でも敵兵500は削れると思いますよ」

「敵右陣を一瞬で葬った攻撃か!アレは凄まじかったな」


 正々堂々と戦うルールならば、一発レッドカードで退場処分だろな~。

 しかし剣と魔法の世界で、飛び道具はズルイ!なんてことにはならんでしょう。


「今回は中央にぶち込んでやります!それでジャバルグを倒せたらすごく楽なのですが、まあやってみないとわかりませんね」

「そうだな。それで勝つのは少し汚い気もするが、奴らは人を人とも思ってない外道。自分らがやって来た事を逆にやられるだけなのだから、気にする必要はない」

「相手が正々堂々としてるならば俺も躊躇しますけど、顔を見た瞬間『殺せー』って言うような奴らには一切容赦しませんよ。これは害虫駆除です!」

「ハハッ、害虫か!おっと、此処で話し込んでる場合じゃなかったな。軍評定(いくさひょうじょう)を始めるので、皆を館の前に集めてくれ。女性陣だけでいい」

「了解です!」



 そうして軍の主要メンバーが館の前に集合した。




 ・・・・・




「これより軍評定(いくさひょうじょう)を始める!」



 二度目の軍評定(いくさひょうじょう)だ。


 今はまだ身分持ちは俺とカーラだけなので、今回も通常の軍評定(いくさひょうじょう)とは違い、ほぼ一方的な告知になるだろう。



「とうとうジャバルグ軍が動いたぞ!数は約5000!」



 それを聞いた皆が固唾を飲んだ。



「待ちに待ったジャバルグ本隊との決戦だ!この戦いに勝った方が尾張を手にするのだ。間違いなく前回よりも更に激しい戦となるだろう!」


「「オーーーーーーーーッ!!」」


「この決戦でジャバルグを葬ることが出来れば最良なのだが、もしジャバルグが退却した場合でも、我らは猛追をかけ、奴らを尾張から完全に駆逐するぞ!」


 通常の戦争ならば、降参した敵兵は捕虜にしたりするもんだが、ジャバルグとの戦に降参など無い。腐れ外道は1人残らず殲滅だ!



「即ち、ジャバルグ軍との次の戦は無いのだ!この決戦で徹底的に叩き潰す!」


 奴らが逃げようったってそうはさせねえ。城まで逃げたら城を破壊するだけだ!俺を敵に回した時点で詰みなんだよ。最早、死は免れない。


軍評定(いくさひょうじょう)は、本来ならば重臣と話し合いをする場なのだがな。まだ身分を持っているのが小烏丸とカーラしかいないので、今回も私の指示に従って皆に動いてもらうことになる」


 まあ尾張を掌握したら皆に身分が与えられるので、今は我慢して欲しい。



 ミスフィートさんが紙を広げ、細い棒を使って陣形の説明をする。


「紙に書かれている数字に注目してくれ。まず中央にある1が私の本隊だ。その左陣の2に小烏丸、右陣の3がカーラ、4がチェリン、5がリタとリナ、そして6はカトレアの別動隊となる」


 とりあえずの陣形は横に一直線。


「前回同様、最初に小烏丸が敵本隊にデカいのを食らわす!それで敵兵を500程削ることが出来るだろう。その砲撃を合図に、4と5の前面に配備したエルフ達が、側面から魔法を撃ち込みまくる!」


 開幕直後に削れるだけ削ろうって作戦だ。後は大混乱になった敵を狩るだけ。


「この攻撃で敵は間違いなく動揺する。その隙に4と5は前進し、敵の側面に回り込む。別動隊の6も、この機に敵の背後に回り込んでくれ。魔法を撃っているエルフ達はそのまま放置でいい。MPが尽きた後は、弓での援護に切り替わる」


 この作戦が使えるようになったのは非常に大きいぞ。

 エルフ達が仲間になって本当に良かった!


「後は突撃あるのみだ!ジャバルグ軍に我らの強さを思い知らせろ!奴らに容赦など無用、一人残らず叩き潰せ!」


「「おおおーーーーーーーー!!」」



 さあ、ジャバルグ軍との最後の戦だ。派手に暴れようじゃないか!

とうとうジャバルグ軍と、最大の戦が始まります!

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[一言] これこそまさに大決戦! こちらでもよろしくお願いします。
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