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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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884/899

884 忍者達と友好を深めるのが目的なんでね

 味見の結果、初代ドラゴン汁は文句なしの完成度だった。

 和泉に伝授して、今度流星城でも作ってもらおう。


 このデカい鍋にピッタリな具と味噌の配分も分かったので、二つ目三つ目の大鍋は忍者料理人に任せることにし、レシピを紙にメモって手渡した。


 俺と虎徹さんは隣のカニ汁ゾーンに移動。


 お馴染みのアリアダンジョン産巨大ガニをぶつ切りにし、カニ味噌を豪快に使ったカニ汁を作り始めた。


 ただ、カニ味噌だけじゃ思ったような味にならないのは前にカニ汁を作った時に判明していたから、普通の味噌も投下し、野菜もぶっ込んで味を調整していく。


 当然ながら、巨大ガニに興味津々な忍者達が集まってきたので、俺と虎徹さんと一緒に完成したカニ汁を試食した。



「「うんまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 さっきドラゴン汁を食べた人もいたけど、もちろんカニ汁の味だって気になるのは当然で、海産物を使ったその濃厚な風味に大絶賛だった。


 これも完成ってことで、紙にレシピを書いて忍者料理人に渡す。


 二つ目三つ目の大鍋は彼らだけで作ることになるわけだけど、初めて見たであろう巨大ガニを解体し、使用するカニ味噌の説明をしておいた。



 そしてラストは貝の味噌汁だ。


 グミに貝の砂抜きを頼んであったので、彼女に一声掛けてから、氷の倉庫の横で一生懸命砂を吐き出していた、ありとあらゆる貝を回収。


 ごちゃ混ぜで大丈夫なのか少し不安はあったけど、『祭なんだし、むしろメチャクチャな方がいいだろ!』という虎徹さんの声に後押しされ、もう適当にぶち込んで作ってみることにした。


 この味噌汁は純粋に貝の美味さを堪能してほしいので、みじん切りにしたネギだけ使うことにし、ネギのみじん切りは野菜を切ってくれた忍者達にお願いした。


 もう使用する味噌の量も大体分ってきたので、それほど苦戦することなく貝の味噌汁が完成し、汁物ばかりでさすがにちょっと腹がタプタプになってきたけど実食。



 ズズズ


「うん。色んな貝が入ってるけど、普通に全部美味い!」

「故郷を思い出す懐かしい味だな~」



 俺と虎徹さんの作る汁物に感化された忍者達も貝の味噌汁を頂き、どれが美味かったかという質問の答えは『全部美味い』だった。


 完成したレシピを忍者料理人に託し、汁物ゾーンでの仕事が終わった。


 ぶっちゃけ、味噌の美味さを知ってしまった忍者達はもう、普通の塩味の汁物じゃ満足できない体になってしまっただろな~。


 残った味噌は伊賀の里にプレゼントしようと思ってるけど、そんなのすぐ無くなるだろうから、同盟が締結されることを祈っててくれ。



「さてと、魚は他のメンバーが頑張ってくれてるから、オレ達は肉だな!」

「焼くのはギリギリでいいけど、肉を切りまくるのが結構地獄ですよ。ステーキ肉の大きさだと3000人分なんて無理だから小さく切らないと」

「だよな~。予想の倍の6000人とか集まるかもしれねえし、やっぱ忍者達に手伝ってもらうしかねえだろ!」

「6000人はヤバいですね。おにぎりを用意してもらってるから何とか大丈夫だと思うけど、全員にドラゴンの肉が行き渡るか自信無いなあ・・・」



 そんな会話をしてたら、ケンちゃんとセイヤが『野菜の皮剥き終了っス!』と知らせてくれたので、今度はメンバー全員を肉切り部隊に任命し、新たにブルーシートを広げてドラゴンの肉を山積みにした。


 あまりの量に全員が絶句してたが、『この地獄を乗り越えたら後は天国だ!』と闘魂注入し、一人分の肉の大きさを決めた後、凄い勢いで肉切り作業が始まった。


 ドラゴンほどの大きさともなると真っ白の超絶脂身ゾーンがあるんだけど、『ドラゴンの脂身を油として使って肉を焼くと、どんな肉でも美味くなるから究極のお宝なんだぞ!』と虎徹さんが小ネタを言って、大歓声が上がった。


 もちろんドラゴン歴の長い俺は知ってたけど、マジでお宝なんだよな~これ。

 祭の後で争奪戦になるんじゃないだろか。


 大変だけど大量の魚を捌くよりは全然マシなので、『これが終われば後は焼いて食うだけだから頑張れ!』と声を掛けながら奮闘していると、お色気お姉さんに連れられて『どんぶり』を作りまくってた清光さんが戻って来た。



「やっと終わったぜ」

「お疲れ様でした!何個作ったんですか?」

「おそらく5000個くらいだ。あのくノ一お姉さんが『それくらいで十分よ』って言ったんでな。足りなくても俺のせいじゃねえ!」

「5000個かよ!やっぱそれくらい人が集まりそうな感じか・・・」


 清光さんに完成したどんぶりを見せてもらうと、色こそ土色だが、ニスを塗ったかのようにツヤツヤしていて、見事な一品だった。


「完璧などんぶりじゃないですか!流石ですね~」

「忍者達にばら撒くみたいだし、恥ずかしい作品を渡すわけにゃいかんだろ」

「5000個ともなると、かなりデカい穴ができたんじゃね?」

「罠としか思えない巨大な落とし穴が完成したぞ。マジで危ないから、祭が終わったらすぐ埋めた方がいいだろな」



 他の作業が終わった忍者達もどんどん参戦してくれたので、なんとか全ての肉を切り終えることが出来た。


 間もなく魚班も魚を捌き終わって広場に集結し始め、そろそろ良い時間だし、すでに広場の周りが忍者まみれになっていたので、『祭』を始めることにした。



 拡声器を貸してあげると、平蔵が集まった忍者達に向かって話し始めた。



『突然の呼び掛けに驚いたと思うが、大和の里で修行していた子供達が全員帰郷したのもあり、良い機会なので『祭』を開催することになった!』


「「わああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」


『後ろの者は見えぬと思うが、今日振舞われる食材は、此方にいる方々が提供してくれた物だ。紹介しよう!尾張軍師小烏丸殿、三河大名清光殿、遠江守護虎徹殿、そして此方にいる、あ~、今はまだ詳しく話せぬのだが、我等と共にレザルド軍と戦ってくれるであろう同志達だ!』


「「うおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 ピカピカの素性をバラしてしまったわけだけど、友好を深めるにはバラす必要があったし、ミスフィート軍と清光軍を味方につけたとなれば伊賀軍の士気がとんでもなく上がるから、もう言ってしまうことにしたのだ。


 代表として俺が一言話す予定だったので、拡声器を受け取った。



『尾張ミスフィート軍軍師の小烏丸だ。赤い流星と言った方が伝わるかな?なぜミスフィート軍の軍師が伊賀の里にいるのか疑問に思うだろうけど、政治的な駆け引きなどではなく、偶然、大和の山奥で平蔵達と出会ったのが始まりなんだ』


 聖帝軍を撃破して勢いに乗っているミスフィート軍とか、どう考えたって危険視していたハズだから、まず忍者達を安心させなければならんのですよ。


『・・・そして忍者達の勇敢で優しい人柄を知ったわけだが、おっと!話したいことは沢山あるのだが、早く祭を始めたいからこれくらいにしておこう。えーと、すなわちだな、忍者達と友好を深めたいと思って食材を提供させてもらったのだ』


「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 平蔵に拡声器を返した。



『提供して頂いた食材はすごいぞ!伊賀の里では滅多に食えない大量の海の幸!そして解体を見ていた者もいると思うが、伝説の竜の肉が皆に振舞われるぞ!それでは皆の者、今日は存分に楽しんでくれ!『祭』の始まりだ!!』


「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」



 本当はもっとちゃんと話したかったんだけど、祭を待たせちゃいけないしな!


 ・・・さてさて、俺達はまだ仕事がいっぱいだぞ。


 全員に楽しんでもらいたいから料理班には自分達も食べながら料理を振舞ってくれと伝えてあるが、この参加人数だから大変だ。


 まあ自分達も祭を楽しみながら、最後まで頑張りますか~。

 

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