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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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876 休日を満喫して全員リフレッシュ

 美女の出現にツッパリ共が大騒ぎし、その彼氏のケンちゃんがタコ殴りにされておかしくないほどの怨嗟が渦巻いたけど、レベル差がありすぎてタコ殴り不可能だったおかげで、騒ぎは穏便に終息した。


 越後の女の子って、ナメられないようにかケバい化粧をする傾向があるので、レナみたいな清楚系美人ってあんまりいなかったりするのだ。


 まあとにかくツッパリ共に自己紹介だけしたレナは、レミィとパトランと一緒に再びリンドンの散策に行き、暑苦しい集団だけ残った。



「ところでアニキ、肩に乗せてあるゴタゴタってボンタンっスか?」

「正解だ。ちょいと越後屋まで行って来たんだが、絡まれまくってな・・・」

「マジか!これ全部ボンタンだって!?」

「バカみたいに積み重なってるじゃん!何本狩ったんだよ!?」



 ドサドサドサドサ


 そういやなんで俺はずっとボンタンを担いでいたのかと、地面に投げ捨てた。



「ちょうど20本だ。欲しかったらやるぞ?」

「いや、俺はいらねーっスけど・・・」

「ちょっと買い物行っただけで20人撃破かよ!」

「お前ら、植物マスクだと思ってナメた口利くなよ?この人、刃物を持った閻道羅漢組(えんどうらかんぐみ)に囲まれたのに全員ボコボコにしたんだぞ!」

「俺も見たぞ!容赦なく腕や足をへし折ってた!!」


 いや、アレは若さ故のあやまちなんで、恥ずかしいから話題にしないでほしい。


 とか考えてたら、ケンちゃん目線での力量講座が始まった。


「あ~、お前らに一つ重要なことを言っておくか。越後にいるとわかんねーけど、軍人ってだけで一般人の10倍以上つえーからな?すなわち、どんだけ喧嘩がつえー奴でも軍人には勝てない」

「レベル差か?」

「そうだ。下っ端軍人でも何人か殺ってるだけで化け物だ。アニキやウチの師匠クラスまでいくと、勝負なるのは大名くらいじゃねえかな?」


「「はあ!?」」


「大名って・・・、越後大名のガルザリアス様?」

「ガルザリアス様の強さは大名の中でも最強クラスだ。でもウチの師匠はガルザリアス様と三日三晩闘って決着がつかなかったらしい」

「マジかよ!?」

「んでさっき話したけど、アニキもウチの師匠と完全に互角だった。武器の差はあったけど、同じ武器で闘ったら三日三晩コースだな~」

「いやいやいやいや!ケンちゃん、近江の大名なんか倒せるのか?」


 問題はそこなんだよな~。近江大名の顔すら見たことないから、どれほど強いのかまったく想像つかんのよ。なんとなくゼネトスくらいかな?って思ってるけど。


「ぶっちゃけわかんねえ。アニキや師匠みたいな強さだったら絶対勝てねえ。でも大名の強さもピンキリだから、普通くらいの大名なら俺のがつええ!」

「なんかテキトーだなオイ!!」

「みんなレベルこそ低いけど、毎日の喧嘩で鍛えたテクは通用するんだよ!俺らの生き様は間違っちゃいねぇんだ。殺し合いが出来る土台はすでに完成している。足りないのはレベルだけ。レベルさえ上げちまえばすぐにでも戦えるぜ!」


 ケンちゃんの言う通り、そこが越後の恐ろしいところなんだよ。こんな国だからこそ一般人ですら肉体的にも精神的にも強い。レベルさえ上げてしまえば一瞬で戦士が完成するのだ。越後兵は下っ端ですらつえーぞー。



「おい小烏丸!お前なんかしやがっただろ?」



 背後から呼ばれたので振り返ったら、買い物袋をぶら下げた清光さんがいた。



「あ、清光さん。買い物袋を持ってるってことは、越後屋に行ってきたんですね」

「ポマードが売ってると聞いたら行くしかねーだろ!当然買い占めた!」

「ハハッ!やっぱ買い占めるだろうなーとは思ってたけど。服なんかも清光さん好みのがメッチャあったんじゃないですか?」

「当然買い占めた。だが問題なのはその後だ!店員らが、『ここにある商品は全てタダで持っていって構いません!』ってひれ伏したんだぞ!?」

「ブハッッ!!」


 エージさん、あンた何やってくれちゃってるのよ!

 そこまでしろとは言ってない!!


「あ~、ちょっと知り合いに会ったんで、白くて長い服の男が現れたら丁重にお迎えしろって言っただけですよ。そこまでしなくていいのに余計な真似を・・・」

「やっぱりお前か!まあ、ちゃんと金は払ったけどな。だが『これは当店からのほんの気持ちです』と大福の詰まった袋を手渡された」


 清光さんが買い物袋の中を見せてくれた。高級大福がギッシリだった。

 こいつは高いハズだから、ほんの気持ちところじゃないな。もはや深愛だ。


「良かったじゃないですか。これ1個1000ギランだから結構な気持ちですよ」

「初めて行った店でここまでされると気持ち悪いんだよ!!」

「うわははははははは!」


 まあ、揉め事になるよかよっぽど健全だ。

 越後屋も崩壊しなかったし、めでたしめでたしだな。



「越後めんどくせーーーーーーーーーー!」



 どこに行ってたかは知らんけど、虎徹さんも帰って来たようだ。



「どこ行ってたんです?」

「アニキと一緒に越後屋に行ってからテキトーに街を散策してたんだが、少し歩くたびに絡まれて喧嘩してた。ツッパリから目を逸らすとか無理だろ!」

「あ、虎徹さんもでしたか。俺も3時間くらいボンタン狩りしてましたよ」


 地面に山積みになってるボンタンを指差した。


「なんでズボンばっかこんなに・・・」

「アレ?虎徹さん、ボンタン狩りって知らない?」

「知らん」

「お前ボンタン狩りなんかしてたのかよ!越後文化に染まりすぎだろ!」


 どうやら清光さんはボンタン狩りを知っているようだ。


「いや、むしろ俺が流行らせたっぽいですね。北海道からの帰りにボンタン狩りして高笑いしてたら、ツッパリ共の琴線に触れたみたいで」


「「犯人はお前か!!」」



 とまあ、俺は三河コンビとツッパリ文化を語りながら騒いでいたわけだが、ケンちゃんとセイヤはツッパリ共とこれからの話で盛り上がっていて、そうこうしてる間に女の子達が越後の散策から帰って来た。



「越後って変な国だけど面白いね♪」

「屋台の料理もメチャクチャ美味かった!」

「近江と全然違うの!すごく楽しかったーーーーー!」

「ここは越後の東にあるリンドンって街なんだけど、一番大きいのはショーナンって街だな。でも、俺も一番好きなのはリンドンの街だ」

「それで結局、あいつらはどうなったの?」


 レミィがツッパリ共を指差した。


「今日は話をしただけって感じだな。ツッパリ共が答えを出すのは一週間後だ」

「一週間後か・・・。騒がしくなりそうだね~」

「それまでアタシらはどうすりゃいいのさ?」

「いつも通りじゃないか?まあ、ゼーレネイマス次第だ」

「レベル上げってどこでやるの?」

「やっぱダンジョンかな?その間は遠足もお休みだろうな」

「ダンジョンかーーーーー!」



 ツッパリ共の参加は一週間後だけど、それまで俺達がどう動くか話し合う必要があるだろう。


 俺は明日平蔵を連れて伊賀の里だから、話し合うなら今がいいのか・・・。

 あ、そうか!一週間伊賀の里ってのもいいな!よし、提案してみよう。

 

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