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864 やっぱり高級魚はメチャウマです!

 試作2号機に乗って海面ギリギリを進んでいくが、浅瀬に近いと座礁して大変なことになってしまうので、航海士達が豆粒に見えるくらいになった所で大型船を浮かべて、試作2号機をアイテムボックスに収納し、砂浜に転移した。


 全員で手を繋ぎ、大型船の甲板に転移。



「船でっか!!」

「さっきまでイラっとしてたけど、船に乗ったらワクワクしてきた!」

「わかるっス!一瞬でイライラがふっ飛んだっスよ」

「ここまで大きな船じゃなくてもよいのではないか?」

「一応中型船も手元にあるんですけど、カーラやリナ達に渡す予定の船なんですよ。やはり新品の船を渡したいですから、今日は大型船で漁をします。こっちの方が揺れなくて快適ですよ」

「天気も良くて最高の漁日和にゃ!こがにゃん、のどぐろの呼吸を感じ取る必要があるから、今日はウチが船の操縦をするにゃ」

「そうか。確かにニャルルに任せた方が上手くいきそうだな」



 俺がガチャに命を懸けているように、ニャルルは魚に命を懸けているから、対魚の直感能力に圧倒的な差があるのだ。


 特定の魚を狙い撃ちするなら、やはりニャルル船長に任せた方がいいだろう。

 これで勝ちは決まったな。


 というわけでニャルル一人で操舵室に向かったが、精神を研ぎ澄ませて、のどぐろポイント探しに集中する彼女の邪魔をしないよう、俺は甲板で皆と遊んでいることにした。



「お?船が動いた」

「風が気持ちいい♪」

「北西か・・・。あまり佐渡ヶ島の方には近寄ってほしくないんだが、まあそこまで遠出しないか。早く魚が食いたいだろうしな~」

「なぜだ?」

「佐渡ヶ島って北海道と同等レベルの魔境なんですよ。もし海上でリヴァイアサンに遭遇したら、命懸けの激戦になります」


「「な、なんだってーーーーーーーーーー!?」」


 でもこの前猫ちゃんが倒したって言ってたから、まだリヴァイアサンはリポップしないハズだ。確か次のリポップまで3年とか言ってた気がする。


 ミスフィートさんが、マジックバッグからリヴァイアサンの大剣を取り出した。


「聞いたことのある名だと思ったら、やはりこの大剣ではないか!」

「ええ、本当に強敵でしたよ~。ビームライフルの一撃を避けましたからね」

「ビームを避けたの!?よくそんなの倒せたね!!」

「パメラが炎のブレスを水壁で防いでくれたおかげだな。船を燃やされたら全滅もあったと思う」

「ちょっと待つっス!魔法使いがいないけど大丈夫なんスか!?」

「佐渡ヶ島はずっと離れた場所にある島だから大丈夫だ。全力で船を走らせても数日かかるほどの距離だから心配しなくていい」

「それならいいっスけど」


「こがにゃーーーーーん!今にゃ!網を投下するにゃ!」


 おっと!ココがのどぐろポイントか!


「ちょっと行ってきます!」


 タタタタタタッ


「狙いは深海、砂泥底にゃ!」

「オーケイ!そういや、のどぐろって深海魚だったな。ゴミ掃除が大変そうだ」

「四人連れてきて正解だったにゃ」



 重りをつけた網を投下し、ニャルルと二人で左右にしっかり広げながら海底に着地するまで沈めて、最後にワイヤーを微調整した。



「これでよし!」

「後は任せるにゃ!」


 甲板に戻ってきた。


「今回は完全に底引き漁なんで、イカとか海老とかいっぱい獲れるかも」

「ほほう!良いではないか」

「でも、ゴミとか変なムシみたいなのもいっぱい獲れちゃうやつだよね?」

「まあな。でもそれくらいのリスクはしゃーない」

「楽しみと同時にちょっと怖いっスね~」

「よくわからないけど美味しい魚は歓迎だよ!」

「ニャルルに任せとけば大丈夫だ!」



 それから1時間程のんびりと船旅を満喫し、とうとう網を巻き上げる時がきた。



 カッカッカッカッカッカッカッ


 揚網機がギリギリと音を鳴らしながら網を巻き上げて行く。



「「おおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 ゴミだらけ?とんでもない。魚だらけでした!

 こりゃやべえ・・・、ちょっとニャルル船長なめてたかも!


 ドサーーーーーーーーーー


「いやいやいやいや!のどぐろまみれじゃねえか!何匹いるんだよ!?」

「すごい!甘鯛もいっぱいいるよ!!」

「この平べったいのも美味しい魚っスよね!?」

「なにこれ!!凄すぎるーーーーー!」

「わはははは!これはニヤけてしまうな!」


 パシッ


 ニャルルとハイタッチを交わした。


「見事だ。しかしあまりにも獲れすぎて、のどぐろやアカアマダイの高級感が薄れちまったな!」

「ウチもビックリにゃ!さすがにこの量は食いきれにゃいにゃね。城のみんにゃにご馳走するにゃ!」



 あまりにも上手くいきすぎたので、底引き漁は一回で終了することにした。

 今回は寄港できないから、このまま船の上で魚の仕分けだな。


 全員にガチャ産のゴム手袋を配った。

 こんなんでも貴重だから、しっかり強化してあるぞ。



「それでは諸君、ここからが本番ですぞ!魚の仕分けとゴミ掃除、そして網に引っ掛かってる諸々までキレイにして下さい!」

「全部終わったら、さかにゃ食い放題にゃ!」

「その為に連れて来られたのは知ってるけど、さっきお昼食べたんだよね~」

「少し時間が経ったから食えないこともないが、腹は減っていないな」

「刺身ならいけるかもっス」

「私はいくらでも食べられる!無限の胃袋だからね!」


 そういや、昼食後くらいに拉致ったんだった。

 まあ網外しでカロリーを消費すれば、食えるようになるだろ!



 というわけで、皆で網外しと仕分けをめっちゃ頑張った。


 和泉なんかは高級魚の価値をよく知っているので、ニャルルと楽しそうに会話しながら本当によく頑張ってくれた。


 仕事が終わった頃には、昼食を消化したどころか結構カロリーを消費したようで、ちょっとした魚料理なら美味しく頂ける状態になったもよう。


 俺が本気で造った大型船の中にはちゃんとした厨房があるので、和泉と二人で魚を捌いて美味しい料理を完成させた。


 前回は美食家のニャルル先生に料理を評価してもらったが、もう美味いのはわかっているので、今回は普通に皆でワイワイ頂くことになった。



「それでは皆さん、とりあえず今のところ越後でしか手に入らない『のどぐろ』料理を、存分にお楽しみ下さい!」

「甘鯛も高級魚だからよく味わって食べてね!」


「「いただきまーーーーーーーーーーす!!」」



 もちろん甘鯛も気になってしょうがなかったが、やはり今回の目的である、のどぐろの刺身から食おう。


 皮を炙った本格的な刺身を醤油につけ、口に放り込んだ。



「こりゃやべえ、美味すぎだろ・・・」

「越後に来て良かったにゃ!やっぱり美味すぎるにゃ~♪」

「のどぐろやっばいね!!」

「なんと脂の乗った魚なのだ!」

「お昼食べた後なのに、こんなの余裕で食いまくれるっス!」

「本当に高級魚って味がする!おいしすぎるーーーーー!」


 続けて甘鯛の刺身も食ってみる。


「やべえ、こっちも最強クラスだわ・・・」

「赤いさかにゃは全部美味いんにゃ!久しぶりにキンキも食べたいにゃね~」

「あ~!キンキも高級魚だよ!早く北海道行って獲ってきて!」

「北海道か!私も一度行ってみたいぞ!」

「その前に陸奥を越えなきゃだから、結構大変そうだな~」



 まあでも越後まで来たわけだから、北海道までもうすぐではあるな。

 問題は津軽海峡越えか・・・。


 リヴァイアサンは出ないハズだけど、それ抜きでも、一日中海だけ見ながら走るのって地獄なんだけど!

 

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