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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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849 幼女くノ一に懐かれた

 

 ジュワーーー パチパチパチパチ


 上蓋だけ外してそのまま火にかけ、醤油をぶっかけたホタテの匂いは気絶するほど破壊力抜群で、子供達がガン見したまま固まっている。


 その向こうでは俺が即席で作った超巨大鍋でカニを茹でており、さらにその向こうでは、忍者達がイカとタコに塩胡椒を振りかけて豪快に焼いている。


 人数が多いから一つ一つ俺が面倒を見るなんてことはせず、忍者達に美味しい召し上がり方を説明し、調味料をばら撒いて勝手にやらせることにした。


 広場のあちらこちらで同じ光景が見られるが、本当にみんな楽しそうだ。

 海産物を大量にくれた子供チームに感謝だな!


 海産物はどれもこれも生で食っても大丈夫なので、毒見係に任命したお嬢が広場をぐるぐる回って、焼いてる最中の料理を食べ歩きしている。


 ・・・俺ですか?


 口が塞がってるから、涎を垂らしながら見ていることしかできんのだ!

 焼くのをを手伝ったりはしてますけどね~。



「よし、良い感じに焼けたぞ!」



 焼き上がったホタテを子供忍者達のど真ん中に置き、次のホタテを持ってきて、上蓋を外して火にかけた。


 そして毒見係のお嬢を呼ぶ。


 お嬢が小皿に取り寄せたホタテを口に入れ、『メチャメチャ美味しいですわ~!』と叫ぶと子供達から歓声が上がり、一斉に食べ始めた。



「「おいしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 楓という名のエロくノ一がこっちにやって来たので、目の前でホタテに醤油をぶっかけてから後を託した。


 すると今度は、カニの足を右手に持ったニンニンがこっちにやって来た。



「大きいから大味かと思ったらなんのなんの!死ぬほど美味いでござる!」

「クッソ弱いけど、魔物だから通常の海産物よりも味が濃厚なんだよ」

「喜んでもらえて良かったですわ♪」


 ニンニンもだけじゃなく子供達も危なげなく忍者刀で殻を引き裂き、豪快にカニの足を食べているのが見えた。あんなちびっ子なのに流石は忍者だな!


 みんな指導しなくても調味料を使いこなし始めたので、もう手伝わなくても大丈夫だろうと、切り株に座って焼きイカを食べ始めたニンニンの近くの地面であぐらをかいた。大人数だから切り株椅子がもう空いてないのだ。


 すると真っ白い忍装束を着た幼女くノ一がトコトコ歩いてきて、なぜか俺のあぐらの上にちょこんと座った。


「むむむ!?」


 くるっと振り返ってニコッと笑ってから、小皿に乗ってるホタテを食べ始めた。


 ・・・あらかわいい。


 これには宇宙刑事もニッコリ。

 その真っ白い服を汚さないように注意するんだぞ?


「まあ!可愛らしい女の子ですわね~♪お名前は?」

「シロ」


 シロ?なんか犬みたいな名前っスね。

 いや、忍者って漢字の名前のハズだよな。


「えーと、白い色の『白』って書くのか?」

「うん」

「へーーーーー!良い名前だな!」

「服の色も白だから覚えやすいですわね!」

「くノ一は、名前にちなんだ色の服を着る傾向があるでござる。桜も桜色の服を着ていたでござろう?」

「ただのオシャレじゃなく、ちゃんと意味があったのか」

「全部が全部そうだってわけじゃないでござるよ?半数くらいテキトーでござる」

「傾向があるというだけで、決まってるわけじゃないのですわね~」


 『花』って名前だったら何色でも良さそうだしな。

 でも『青』って名前で『緑』の忍装束を着てたりしたら嫌だな。



 まあそんなこんなで海産物大会は大いに盛り上がった。


 食べ切れなかった分はもちろん忍者達にあげた。忍者村には魔法の氷で部屋を冷蔵庫みたいにする氷室があるみたいなので、そこに運び込めば明日も食べられることだろう。


 そろそろいい時間なのだが、カーラから港が完成したって連絡が来ない。

 もう少し遊んでても大丈夫そうだな。


 美味しい料理で忍者達と完全に打ち解けたようで、みんな笑顔で話し掛けてくるようになった。



「うんしょ!うんしょ!うんしょ!」



 特に幼女くノ一の『白』に懐かれ、なんか身体をよじ登ってきたので肩車してやったら、大喜びして頭の上できゃっきゃと騒いでいる。


 それを見て、他の子供忍者達が羨ましそうな顔をしていたので、その辺にカラフルなチビ結界をいっぱい浮かべてやった。



「「うぇッ!?」」


「「なにこれーーーーーーーーーーーーーーー!?」」


「その辺に浮いている箱の上に乗って、他の箱に飛び移って遊ぶんだ。ただし数分で消えてしまうから、色が薄くなったら他の箱に移動しないと落ちちゃうぞ!」


「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!!」」


 普通の子供と違ってちびっ子忍者だから大丈夫だろうと遊び方を教えたら、子供忍者達がチビ結界に上って、ピョンピョン飛び移り始めた。


「これおもしろい!」

「あーーーーーっはっはっはっはっはっはっは!」

「よし!次はそっちの赤いのに飛び移る!」

「わわわわわ!落ちるーーーーーーーーーー!」



 子供達がはしゃいでる姿を見て、大人達もほっこりしているようだ。

 危ないとか注意をされていないので、これくらいなら全然問題無いっぽい。



「ねえねえピカピカさん!こっちに難しいの作って!」

「いいけど、落ちたら怪我するような高さにはしないからな?」



 桜の要望に応え、難易度を高くした大人用アスレチックを作ってやった。

 大人達も興味津々だったようで、みんなでピョンピョン遊び始めた。


 一番高い場所で6メートルくらいにしてやったんだけど、みんな忍者だし、たぶん大丈夫だろう。



「白はあっちで遊ばなくていいのか?」

「こっちでいい!」

「随分と懐かれましたわね♪」

「ピカピカしてるからな」


 アスレチックのチビ結界を補給しながらまったりしていると通信機が鳴った。

 どうやら摂津の港が完成したようだ。


「分かった。今から迎えに行く。10分くらい掛かるんで少し待っててくれ」



 通信が終わったので、『そろそろ帰る時間だから、そのチビ結界が消えたらおしまいな!』と遊んでる人達に伝えた。


 そして平蔵とニンニンを呼び寄せる。



「明後日の朝、この広場まで迎えに来るってことでいいな?」

「それで頼む」

「楽しみでござるな!」

「どこかいくの?」

「ん、まあちょっとな」

「白もいく!」


「「なにッ!?」」


 そういえば白を肩車したままだった。


「ん~、まあ危なくはないと思うけど、ただずっと歩き続けるだけだぞ?」

「いくの!」

「モテモテですわね~」


 なぜこんなに懐かれてしまったのか・・・。


 タタタタッ


「白ちゃん一人だけじゃ心配だから、私も行くよ!」


「「なにッ!?」」


「一人?拙者達も一緒でござるが?」

「いくの!」

「ぐぬぬぬ、まあ別に構わんような気もするが・・・」

「それならワタクシも行きますわ!」

「いや、お嬢はその髪型を何とかしないと即バレするから連れていけんぞ?」

「じゃあ行くのはヤメましたわ」

「ヤメるんかい!!」


 縦ロールの拘りハンパねーな!


「うーむ、すなわち同行するのは、平蔵、ニンニン、白、桜の四人だな?」

「女子供が増えたが問題無いのか?」

「変装さえすれば大丈夫だ。でもこれ以上は増やさないでくれ」

「分かっておる」

「そろそろ時間切れですわよ?」

「おっと、じゃあ明後日の朝な!白、良い子にしてるんだぞ?」

「うん!」

「ニンニン」



 さてさて、明後日の遠足は賑やかになりそうだな!


 その前に明日はバスの配達を頑張らないとだ。まずは道路公団の本拠地か。忍者村のインパクトが強すぎたので、やるべき仕事をしっかり確認しねえと・・・。


 ニンニン、明後日まで良い子にしてるんだぞ?

 

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― 新着の感想 ―
『氷室』は『ひむろ』と読むんですけど……赤い流星が間違えて覚えてる? 幼女に懐かれてしまったか。光源氏計画でもするのかな? しかし赤い流星はやはりロ……おっと、誰か来たようだ。
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