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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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840 道路公団なめてた

 港は城と違って土魔法使いが数人いればその日のうちに造ることが出来る。

 大雑把に言うと、足場を固めて平らにしてそれっぽい形にすりゃ完成だからだ。


 もちろん港というものを知っている人が指示しないと無理なんだが、ルーサイア港と伊勢の港を造った経験があるエルフが二人いたので、和泉の国の港が予想以上に早く完成した。むしろ市場を作るのに時間が掛かったようだ。


 とにかくこれで、船長さえ連れて来れば漁を始める事が出来るようになった。

 漁師の家は明日にでもリタ&リナ軍所属のエルフが建ててくれる予定だ。



「船長をいつ頃連れて来るかだな・・・」

「明日」

「いや、道路が無いと魚が運べないだろ!」

「早起きさせて漁師の家を建てて、一気に堺まで道路を作らせる」

「でも馬車持ってきてない。小烏丸、馬車と馬の転移お願い」

「焦るな焦るな!いくらエルフ達でも堺まで道路を作るのに何日も掛かる。それが完成するまで待ちなさい」

「ぐぬぬぬ、しょうがない」

「大型バスを一台注文しといてやる。アレがあれば馬車なんぞ必要ねえ」


「「大型バス!?」」


「運転手は?」

「親父が育成中だ。帰ったら聞いてみる」

「すごく期待してる!バスさえあれば無敵」



 最近アリアダンジョンと近江の遠足を繰り返してるんで、親父と仕事の話とか全然してないんだよな~。いい機会だから色々聞いてみよう。


 リタ&リナを城に帰し、エルフ達と一緒に流星城に帰還。

 すぐアリアダンジョンに転移。子供チームを回収し、皆で食堂に移動した。



「なあ親父、運転手の育成ってどこまで進んだ?」

「ん?もう京の都ダンジョンまで一人で行って帰って来るほど育ったぞ」

「マジか!?」

「とりあえず10人とも問題無さそうだ。徹底して安全運転を叩き込んだからな」

「ブホッ!10人だって!?いつの間にかそんなに育ててたのか!!」


 ・・・親父なめてた。


 道路公団の仕事を任せたのは俺だが、想像を遥かに超えてくるとは、流石は俺の親父だけのことはある!


「しかしそんなに運転手育てても、乗り物の方が足りんだろ」

「ん?大型バス10台あるからピッタリだぞ」

「大型バスが10台だってーーーーーーーーーー!?」


 ・・・道路公団なめてた。


 もうそれ、バス会社じゃん!

 エルフを動かしていただけじゃなく、シドの店にタイヤまで作らせていたとは。


「どうやら、近江とアリアダンジョンを往復する生活をしていた俺の時間の方が止まっていたみたいだな・・・」

「お前はお前で忙しい毎日だからしょうがあるめえよ」

「そのバスと運転手って、もらっても構わんか?」

「全部か?」

「尾張、伊勢、美濃、大和、摂津、和泉、丹波で7台かな?」


 本当は城主全員に渡したいが、全部持っていかれると困るだろうし。


「その数え方からすると、軍の移動手段として使う感じか」

「もちろんだ!それと魚の運搬に使う。実はさっき和泉の国に港を造ってきたんだ。明日は摂津に港を造る予定だ」

「ほーーーーー。肝心な船はあるのか?」

「中型船が二隻完成した。船長も育成完了してる」

「やるじゃねえか!バスは持ってって構わんぞ。良い運転手を付けてやる」

「助かる。じゃあ明日の夕方にでも、いや、明後日の朝もらいに行くわ。あ、バスが10台ってことは、街中にある事務所じゃないよな?」

「学校の向こうに道路公団の本拠地と教習所を作ってもらった。そこでバスの訓練をしてから路上教習って流れで育成している」

「いつの間にそんな施設を!?いや、マジで凄いな!じゃあ明後日の朝、道路公団の本拠地に案内してくれ」

「おう!」



 バスが完成したって報告を受けたから1台完成したと思ってたんだが、まさか10台だったとはビックリですよ!


 ミスフィート軍って基本的に、軍師である俺が思い付いたことを指示して、頼んだ物が出来上がって『よし、次!』って流れだったんだけど、親父は、俺が必要とするだろうモノを先読みして用意してくれていたんだ。


 仕事の話でこんなに驚いたのは初めてかもしれない・・・。


 実績も無いのに強引に侍大将にして道路公団のトップに据えたわけだけど、いやホント流石俺の親父だけの事はあるというか、むしろ俺以上の内政の達人が現れたことに感動している!


 こりゃ格が違う。道路公団のトップ程度の地位じゃ親父を生かしきれていない。

 もっと重要な地位に就かせて好きにやらせてみよう。



 というわけで、夕食の後ミスフィートさんを捕まえ、親父が有能すぎるから街奉行にして好きにやらせたいと言うと、『いいぞ!』と快い返事をもらった。


 まあ元々侍大将だったし、身分が上がったとかじゃなく、呼び方が変わるくらいなので、論功行賞を経由する必要も無いのだ。大老や老中にするってなると話は変わるけどね。






 ************************************************************






 夜の任務を終えて流星城に帰還し、子供チームと合流すると、チャミィとメメ、そしてルルとマリアナの服装が変わっていることに気が付いた。



「それって、ルルとマリアナの正装である魔法少女の服だよな?」

「正装じゃないです。ボク達には荷が重いので、服は子供達に託したのです!」

「この服と交換してもらいました♪」


 そういや魔法少女の衣装って、所有者登録とか無かったもんな。

 そうか、メタルヒーローと違って交換可能なのか。なんかずるいぞ!


「なるほど・・・。もう二人の魔法少女姿を見ることができないのは寂しいが、良い服と交換してもらったな!とても良く似合ってるぞ」

「ありがとなのです!」

「自分でも気に入ってるので本当に嬉しいです!」


 ルルもマリアナも、とてもセンスのあるカジュアルな服を着ている。

 マリアナは着物美人の印象が強いが、こういう格好でも似合うんだな~。


 子供達に視線を移す。


 チャミィが黄色でメメが黒の魔法少女に就任したようだ。


「チャミィとメメも良く似合ってる。交換してもらえて良かったな!」


「「うん!!」」


 そうか~、結局子供達四人が魔法少女になってしまったか。

 学校に通うようになったら、憧れの四天王となって崇拝されそうですね。


「そういや子供チームは今日が最終日だな。悔いの残らないよう、みんな最後まで頑張るんだぞ!」


「「がんばる!!」」



 時間が勿体ないので、慌てて手を繋いでアリアダンジョン4階層に転移した。


 わーーーっとダンジョンに突撃していく子供チームを見ながら、この光景を見るのも最後なんだと少し切なくなった。


 もちろん、ここに二度と来ないとかそういう意味じゃないぞ?

 子供達はすぐに成長してしまうので、このわちゃわちゃ感が薄れてしまうのだ。


 おっと!感傷に浸ってる場合じゃなかった。


 エルフ達を摂津に連れていかねばならんのだ。すぐにでも大型バスが手に入りそうだから、リタ&リナにも報告しなきゃならん。


 いかん、遠足に遅れちまう!急げーーーーーーーーーー!

 

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