表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

838/910

838 ガチョピンファンネルーを披露する

 チェリンとカトレアに、先程のちょっとした出来事の詳細を話した。

 それによりハチベエがここにいる理由が分かり、二人とも納得する。



「野盗を退治してくれてありがとう!あいつらミスフィート軍を見るとすぐ隠れるからさ~、なかなか捕まえられずに困ってたんだよね」

「それにコロモスからレイニーパイまでかなり距離があるので、見回りも出来ないですし、中間地点に兵士を駐留させておく余裕も無いのです」

「あ~、確かに結構距離があるもんな」

「もう少し統治が進めば治安に兵士を注ぎ込めるんだけど、とりあえず国境の壁が完成しないと兵を引き戻せないのよ」

「丹波はちょっと近隣国が多過ぎなので・・・」


 こればかりはしょうがあるまい。

 国境の壁を作るにも、丹波はデカいから、どうしても時間が掛かってしまうのだ。


「ところで小烏丸の頭上にいっぱい浮いてた人形って何だったの?」

「それです!私もアレが何なのか気になっていました!」

「ああ、ガチョピンファンネルーか」


 前に何歩か進んで振り返り、床の上にガチョピンを4体出し、チェリン、カトレア、シャイナ、ハチベエに向かって歩かせる。


 てくてくてくてく


「あはは!なにこれカワイイ!」

「意味不明な人形ですね」

「魔物?でもこんな緑の魔物なんか見たことないよ」

「そもそも地面を歩く人形なんて初めて見ました!」


 半分くらい歩いたところでガチョピンが大ジャンプし、それぞれの顔の前で空中停止した。


「「うわっ!!」」


「飛んだんだけど!!」


 目を大きくしたカトレアがガチョピンを手に取り調べ始めた。

 捕らえられたガチョピンが、手の中でイヤイヤ暴れている。


 まあ、俺が動かしてるんですけどね!


「なんて精巧な・・・」

「ツルツルしてる!」

「なんと美しい人形なのでしょうか。しかも野盗と戦ってましたよね?」

「ハチベエ、人形の下半身を持って顔をこっちに向けてくれ」

「其方向きに?」


 ハチベエがガチョピンを俺の方に向けたので、口から火を吐かせた。


 ボボボボボボボボボボボボボボボ


「うわあああああああああっ!」


「「火を噴いた!」」


 その一瞬の隙をつき、チェリンの手から脱出した人形が変身し、リフレクションシールドになった。


「ちょっと!何なのよこれ!?」

「凄いだろ?ガチョピンファンネルーは魔法が撃てるし、盾としても使えるんだ」


 カン カン カン


「硬い!本当に盾のようです」

「凄いのはわかるけど、意味がわからない!」

「私もさっぱり理解出来ません!」


 そうこうしている間に時間切れでガチョピンが一斉に消えた。


「あ、消えた!」

「時間切れだ。俺の魔法で作った人形だから勝手に消えるんだこれ」

「あっ!時空魔法なのですか?不思議な魔法ですね」

「でもな、清光さんと虎徹さんともう一人の男が、俺とまったく同じことが出来るんだよな~」

「えええええ!?三河大名って土魔法の使い手じゃなかったかしら?」

「正解だ。土魔法で人形を作り、今の技を完璧に再現してみせたぞ。炎じゃなくて槍とか短剣を飛ばしてくるからマジで手強い」

「化け物ですね・・・」

「この人もだけど三河大名もおかしいよ!」

「いやはや、三河大名とも懇意な間柄だったのですね」



 ガチョピンも消えて落ち着いたので、そろそろハチベエの話に戻そう。



「でだ。ハチベエなんだが、丹波の御用商人に推薦するぜ。俺に接近してきた商人じゃなく偶然の出会いってのがいい。京の都に窓ガラスを売ってくれる友人もいるようなので、人柄も良いと言えるだろう」


 チェリンとカトレアがハチベエを見た。


「ご、御用商人に!?」


 突然御用商人に推薦されたので、ハチベエが驚愕している。


「ふむふむ。確かにハチベエなら悪くないわね」

「良いと思います。商人にしては珍しく腹黒さを感じませんし、私は賛成です」

「まあ、評判が悪いようなら関係を断てばいいだけのことだ」

「そうね。じゃあ採用!」

「わ、私なんかが御用商人に・・・」

「そうそう思い出した!大型バスが一台完成したらしいから丹波にやろうか?親父が運転手を育成してるから、護衛の兵士をバスに何人か乗せれば、安心して京の都からレイニーパイまで物資を輸送することが出来るハズだ」

「本当に!?そんなの絶対欲しいに決まってるじゃない!まだ線路が開通してないから機関車も来ないし、民間に物資を流す以前の問題で、城の兵士達も色々と不自由してたのよね~」

「それは嬉しいです。物資さえ調達出来ればハチベエが活躍しそうですね。バスに乗せて京の都で色々仕入れさせてもいいですし」


 こうして話をしているだけでもハチベエの人柄がよく分かるので、そりゃーもう呆気なく御用商人に採用された。


 いや、採用って言い方だと軽すぎね!?まあいいけど。


 俺と出会った幸運ってのはこういう事なんだよ。これからはミスフィート軍が守ってくれるから、安心して荒稼ぎするといいさ。


 ・・・ただし、死ぬほどこき使うけどな!


「ハチベエの馬車と馬を預かってるんで、とりあえず一旦店に帰すぞ?」

「店の名前は?」

「あ、はい。『七福屋』で御座います」

「ほうほうほう。良い事がありそうなお店ね!」

「素晴らしい名前だと思います。私がついて行って店の場所を確認するので、チェリンは魚を仕入れてきて下さい」

「了解!じゃあ小烏丸、準備するから少し待ってて」

「馬車を出さなきゃならんから、城門前で待ち合わせってことでいいよな?」

「はいはーい」



 というわけで、城門前に移動してハチベエに馬二頭と馬車を返した。


 カトレア一人でついて行くのかと思ってたが、女性一人だと変なのに絡まれた時に面倒らしく、見た目だけは屈強な男兵士を二人お供にして、ハチベエの馬車に乗って街に向かって走り去った。


 ルーサイア港でのお買い物は、カーラの時と一緒のパターンなので詳細は省くが、トロッコの魚を大人買いされて、二周目GOと言い渡された船長の愕然とした様子はなかなか見物だった。


 チェリンもやはり忙しいらしく、流星城に寄り道しないですぐ丹波に帰した。


 ハチベエのことは、もうチェリンとカトレアに任せていいだろう。

 大型バスを届ける時にまた会うだろうけどな。


 用事が全て終わったので、何となく流星城の城門前に帰還し、シャイナと一緒に城内を歩く。



 ドドドドドドドドドド



「うわあああああああ!自分で歩けるって!はーなーせー!」



 ピピンを両手で持ったルーシーが正面から走ってきて、俺達の目の前で右折して食堂に向かって走っていった。


 なんかド迫力で、噴きそうになったし!



「そうそう!ボクも朝やられたけど、これ何なのさ?流行ってるの!?」

「うむ。流行る寸前って感じだな。ピピンを探していた誰かに手渡すのだろう」

「ほっほ~~~。なるほどなるほど・・・」



 シャイナさん、顔がニヤけてますよ?

 次の遠征はニャルルが同行する予定だが、絶対シャイナから手渡されるだろな。


 地味にちょっと楽しみだったり。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ