833 大人勢、ほぼ罰ゲームの羞恥地獄
とりあえず子供達のガチャは一周したので、すぐ着替えさせてもよかったのだが、大人勢も全員ガチャってからお披露目するってことになった。
大人勢も服をゲットし、一緒にお披露目した方が盛り上がるだろうしな。
というわけで次から大人勢なのだが、ルル→マリアナ→パメラという順番でガチャることになっている。
「ルルは何狙いなのかしら?」
「やっぱり服が欲しいのです!三着くらい手に入れて、その日の気分で着替えられるようになったら最高なのですよ♪」
「やっぱり服狙いか~!まあそりゃそうだよね。ミスフィート軍ってみんな華やかな服を着て歩いてるから、いつも『あの服いいな~』とか考えちゃうもの」
「折角ですので、私も素敵な衣装が欲しいですね。それ以外だと家具が出るといいなと思っています」
「それだ!」
「あ、言われてみると家具もいいわね~♪」
そういや、身分上位なら小烏丸商店で家具が買えるのだが、マリアナはメルティー様の侍女という特殊なポジションだから該当しないんだよな。
城内の清掃や洗濯、それとちょっとした内政の仕事を任せて給金を渡しているので、軍と無関係ではないのだが、メルティー様や子供達のお世話を中心に動いてるから、通常の出世は叶わないのだ。
まあ、一つもゲット出来なかったら、不人気そうな家具をこっそり回してあげようかな?でも頑張って自力ゲット出来るといいなあ。
とか考えてるうちに、ルルがデラックスガチャに魔石を投入した。
「ふーーーーーっ」
静かに目を閉じたルルが、両手を組んで天に祈りを捧げる。
子供達はまったく我慢できなかったが、大人の祈りは長そうだな・・・。
でもその気持ちはすごくよく分かるので、早く回せなどとは思わない。
とか考えてたら、ルルもパメラほど忍耐力が無かったようで、7分くらいの瞑想でレバーを回した。
ガチャコン! キュピピピン!
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!」」
うお、マジか!
どうやら祈りの長さはそこまで重要じゃないらしい。
「この音ってララの時と一緒だよね!?」
「うん!」
「やった!お姉ちゃんも服が出るといいな~」
金カプセル銀カプセルはホント色んな物が出るから、さっぱり読めないんだよ。
「わああああ!金カプセルだよ!」
「たまにベッドみたいなバカデカい物が出たりするんで、カプセルに入ってるカードに何が書かれているか読み上げてくれ。家具みたいに大きな物が出たらマジで怪我するから、俺が叫んだらカプセルを持ってる手を高く上げること。いいな?」
「そんな罠があったですか!?じゃあ読み上げるです!」
ルルがカプセルを開けて中のカードを確認した。
「あ!【服】って書いてあるです!」
「「おお!」」
ルルの両手の上に可愛らしい服が出現した。
「・・・・・・あれ?」
「うにゅにゅ?」
「どこかで見たことがあるような」
「それ!」
「いっしょのふくなのよ?」
みんな一斉にメルティー様の服を指差した。
[魔法少女セットⅢ]
:謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価S
:ワンピース、帽子、ブーツ、マント、変身ステッキの5点セット。
:フル装備で全パラメータ5%アップ
:魔法の言葉は『ランパ・ルルンパ・クルリンパ』
:斬撃耐性+ 衝撃耐性+ 魔法耐性+ 熱耐性 冷気耐性 汚れ耐性
:自動修復(中)サイズ自動調節
メルティー様の衣装は、白+ピンクのワンピース。
ララがゲットしたのは、白+水色のワンピース。
そして今回ルルがゲットしたのは、白+黄色のワンピースだった。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「お姉ちゃんも一緒の服だーーーーーーーーーー!」
「仲間が一人増えたのじゃ!」
「まさかウチの嫁が魔法少女になってしまうとは・・・」
「フフッ、ぷくくく」
マリアナが笑いを堪え切れずに肩を震わせている。
「良かったわねルル!今日からあなたも魔法少女よ!」
「「やったーーーーーーーーーー!」」
待望の服が出たわけだが、ルルの顔は真っ赤になっていた。
「いや、これはさすがに・・・、ボクにはちょっと厳しいのですよ!!」
「実は服を手に入れたらその場で着替える仕来りがあるんだ。今すぐ変身したいだろうけど、強化が終わるまで少し待っててくれ!」
「えええええーーーーーーーーーー!そんな話聞いてないよ!!」
「決まりならしょうがないわね!」
「頑張って下さい!」
大人勢がみんな悪い顔になってるな。
俺だってその場で宇宙刑事になったのだ。これはやってもらわねーと!
魔法少女ルルが爆誕するのだ!これは楽しみだぞ!
「それでは私の番ですね。頑張ります!」
「「がんばれーーーーーーーーーー!」」
マリアナがデラックスガチャの前に立ち、魔石を入れ始めた。
しかしルルが魔法少女とか、マジでクッソ笑えるんだが!
姉妹で魔法少女だぜ?こんな展開になるとは思いもしなかった。
まさか宇宙刑事騒動のようなイベントが発生するとはビックリですよ。
急いで大切な衣装を強化してやらんとな!
ガチャコン! キュピピピン!
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーー!」」
な、なんだってーーーーー!?マリアナまで金をぶち当てたのか!
「えええええ!?今の音って、もしかして当たりでしょうか?」
「マリアナさんも当たりなのです!」
「おおーーーーー!マリアナも魔法少女なのじゃ!」
「「・・・え?」」
「いや、えーと、同じ物が出ると決まった訳では無いと思います!」
ルルの魔法少女爆誕で、一緒に悪い顔をしていたマリアナがたじろいでいる。
「信じるのよ!マリアナさんならきっと最高の魔法少女になれるわ!」
「マリアナさんなら絶対やれるとボクも信じているのです!!」
ルルも仲間を増やそうと必死である。
なるほど・・・。ギャラバーンとサイダーもそんな気持ちだったんだな。
「ぐふッ!カードに【服】と書いてあるのですが・・・。いや、そんな筈は」
[魔法少女セットⅣ]
:謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価S
:ワンピース、帽子、ブーツ、マント、変身ステッキの5点セット。
:フル装備で全パラメータ5%アップ
:魔法の言葉は『ランパ・ルルンパ・クルリンパ』
:斬撃耐性+ 衝撃耐性+ 魔法耐性+ 熱耐性 冷気耐性 汚れ耐性
:自動修復(中)サイズ自動調節
メルティー様の衣装は、白+ピンクのワンピース。
ララがゲットしたのは、白+水色のワンピース。
ルルがゲットしたのは、白+黄色のワンピース。
そして今回マリアナがゲットしたのは、白+黒のワンピースだった。
・・・うん。これって魔法少女が勢揃いする運命のコンボが炸裂しただろ。
「やったーーーーーーーーーー!マリアナさんも魔法少女だ!!」
「マリアナも仲間なのじゃーーーーーーーーーー!!」
「「おめでとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」
ワー パチパチパチパチパチパチパチパチ!
四人目の魔法少女誕生に、ガチャ部屋は拍手喝采雨あられだ。
そしてマリアナは床に両手をつき、『失意体前屈』のポーズになっていた。
侍女の中の侍女というくらい完璧で隙の無いマリアナが魔法少女ですってよ?
20代後半であの衣装を着て魔法少女に変身とか、なんて萌える展開なんだ!!
「ま、まだです。パメラさん!貴女もこの衣装を手に入れて、一緒に魔法少女になりましょう!」
「そうだ!こうなったらパメラさんも魔法少女なのです!」
「いえ、私は遠慮するわ!ルルやマリアナさんほど似合わないと思うし」
「大丈夫だ!パメラほど魔法少女が似合う女などいやしない。さあ行ってこい!」
「くッ!順番だしやるしかないか・・・。でも私は回避してみせる!」
泣きそうな顔になりながらも、パメラがデラックスガチャに魔石を投入した。
そして例のポーズで祈り始めたが、複雑な心境だからか、目を閉じているというより糸目になっている感じだ。
それでも手抜きなどしていない。
魔法少女は絶対嫌だが、彼女にも欲しい物はあるのだから。
ガチャコン
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
パメラが糸目のままこっちを振り返った。
「どうやら運が回復していなかったようだな」
「うん。魔法少女は回避したみたいだけど、これはこれで寂しいわね・・・」
とりあえずこれで、子供チーム全員がガチャを回したな。
とっとと服の強化を終わらせて着替えさせなきゃ!
ちなみにパメラが引いたのは青カプセルで、中身は白いハイソックスだった。
強化してる魔法少女の衣装の上にそっと置かれたので、パメラからのプレゼントってことでマリアナに履かせようと思う。




