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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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824 リンコを丸洗いする

 リタとリナにお願いしてリンコを雇ってもらう話をしていたわけだが、空腹で限界だった彼女の腹が鳴ったので、まずは食堂で腹いっぱい食わせてやろうってことになった。俺や双子姉妹も少し空腹だったので、四人でゾロゾロと歩いて行く。


 しかしさっきは笑ったな~。


 敬語なんて使ったことないリンコが『あたしに仕事をくれるがよい!』とか偉そうにお願いしていたが、二人にツボったようで思わず噴き出し、面白いから言葉を訂正させないで放っておくことにしたようだ。


 とりあえず適当なテーブルに着いたが、注文は双子に任せた。



 ガツガツガツガツ



「美味しすぎるーーーーーーーーーー!こんな味の濃い料理初めて!」



 それを聞いて昔の尾張を思い出したが、調味料なんて物は無いようなもんで、味付けは塩オンリーってのが当たり前だったんよな。


 現在の尾張や伊勢なんかでは、庶民ですら醤油や味噌で味付けした美味い料理を食べているのだが、京の都ですらようやく食生活に変化が出始めたってくらいで、それ以外の国ではやはり塩味しか存在しない。


 いや、自国と三河、あと近江以外の近隣国には入った事すらないから、絶対とは言い切れないけどさ、元聖帝領ですらこんな感じなのだから似たり寄ったりだろう。


 ちなみに今日のメニューは『カツ丼』だった。


 リタ&リナ軍に所属している料理班も相当な腕前のようで、流星城の料理班が作ったカツ丼に引けを取らないレベルで、舌の肥えた俺の評価でも90点はある。


 塩味オンリーの世界から来たリンコからすると、もう一生忘れられない味なんじゃないかな?一目惚れって感じで大好物となったことだろう。


 メチャクチャ腹が空いている時に食べるカツ丼は最強だしな!



「堺ダンジョンから近いとこだと、次はカーラの城?」

「そうだな。明日は遠足だから明後日向かうことになるだろう」

「遠足??」


 リンコが二杯目のカツ丼を一心不乱に食べている姿を横目に、リタとリナに近江の話をしてあげた。


「一人で面白いことしてるし!」

「いや、一人じゃないぞ。三河の二人とレミィも一緒だ、あと親父もか」

「もっと面白そうになった!」

「でも街に到着したら1000人もの敵と殺し合いになるんだぜ?確かに移動中は面白いけど、ガチ戦闘となると一瞬も気が抜けん」

「その人数で1000人はきつい」

「でも仲間が大名クラスばかり。見に行きたいくらい」

「さすがに妊婦さんは連れて行けないな~」


 ズズッ


 二杯目のカツ丼を完食したリンコがようやく満足したようで、幸せそうに味噌汁をすすっている。


「ごちそうさまーーーーー!もう本っっっ当に美味しかったーーーーー!」

「良かったな!」

「じゃあそろそろ仕事の話をする」

「すぐ近くの村に住んでるんだっけ?」

「うん」

「毎日城まで通うってことでいいの?」

「歩いて半日かかるから、家から通うのはちょっと・・・」

「んーーー、決まりがあるから城内に部屋はあげられない」

「街に住めるとこってあるのか?まだまだ建設中って感じだったが」

「兵舎は最初に作ったけど、部屋が空いてるかどうか確認しないと」


 予定外の飛び込み参加だからなあ・・・。

 エルフに頼んでプレハブでも作ってもらうか。


「どうせ住み込みなら、流星城や尾張で働いてもよくない?」

「でも家族がいるから職場は近い方がいいだろ。いや、こっちでごちゃごちゃ話しててもしゃーないな。リンコの意見を聞こう」

「ん?」

「村も近いし、やっぱこの城で働きたいか?京の都や尾張で働く事も可能だが」


 その言葉を聞き、リンコが驚いた顔をしている。


「京の都に行けるの!?」

「いや、遊びに行くわけじゃなくて勤務地の話だからな?リタ&リナ経由で家族に仕送りする事も可能だ。家族に金を受け取りに来てもらう感じになるが」

「家族も親戚もいないし、もう村にも愛想を尽かしたから、そのオワリって所でも問題ないよ?でもこがちーのいる所がいいな~!」


 天涯孤独の身だったのか・・・。

 リンコの話を聞き、リタとリナの表情も曇った。


「それなら小烏丸に仕事をもらった方がいい」

「うん。京の都なら住居も一瞬で見つかる」

「おおーーーーー!こがちーって京の都に住んでるのか!」

「うーむ・・・。仕事を与えるといっても兵士にするのもな~。和泉に頼んで料理班にでも入れてもらうか・・・」


 ただの村娘だから、軍事も内政も出来ないだろうしな~。


 クンクン


「野生の匂いがする」

「ん。犯人はリンコ」

「え?あたし?野生の匂いって酷くない!?」

「それは俺もずっと気になっていた」

「流星城に行く前に、小烏丸に丸洗いしてもらった方がいい」

「なんで俺なんだよ!!お前らがやってやれよ!」

「丸洗いは得意じゃない。プロに任せる」

「いやその丸洗いって何!?あたしは洗濯物じゃないよ!!」

「野生は口答えしない!」

「お風呂に案内する」

「いや、マジで俺がやるのかよ!もう嫁が増えるの嫌だぞ!」



 結局、リタとリナの部屋があるゾーンの風呂場に連行されたので、不本意ながらもリンコを徹底的に丸洗いした。


 思った通りリンコは、チェリンの次くらいの大きさのメロンの持ち主だったので、本当に手強い相手だったが、嫁がいっぱいいる俺には効かん!


 通常の3倍気合を入れて洗ったが、それは彼女が野生化していたからに過ぎない。

 今夜も夜伽があるのだから、こんな所で立ち止まってる場合ではないのだ。


 素晴らしいメロンだった。それだけだ。



 ―――――なぜか気絶していたリンコが目を覚ました。



「うぅ、ここは・・・」


 リンコがキョロキョロと部屋を見渡し、俺の姿を見た瞬間顔が真っ赤になった。


「あ、あ、あ、アンタ!乙女に何てことするんさ!もうお嫁に行けないよ!!」

「それは違うな。むしろ丸洗いによって、お嫁に行けるようになったのだ」

「はあ!?」


 リンコをクルっと後ろ向きにし、鏡に映る自分の姿を確認させた。


「うぇええええええ!?なにこれ!!すごく可愛い服着てる!!」

「な?お嫁に行けるようになったろ?」


 リンコが気絶している間に、三河産の可愛らしい黄緑色のワンピースに着替えさせておいたのだ。もちろん純白の下着もバッチリ装着済みだ。


「やったーーーーー!もう今すぐにでもお嫁に行けるよ!」


 恥ずかしさによる怒りから、一瞬で喜びの感情に変化した。

 リンコって子供みたいに素直で本当に面白いな。



 玉座の間に戻ると、リタとリナが待っていた。



「うん、すごく可愛くなった。合格」

「こっちは準備完了」


 リタとリナも一緒に転移して、京の都で買い物をするらしい。

 今日中に帰って来る予定だけど、俺は休みだからまったく問題無い。


「んじゃサクッと流星城に行くか~」


「「オーーーーーーーーーー!」」


「え?四人も乗れなくない?」



 リンコは転移なんて知らんので、バイクで行くと思っているようだ。


 さてさて、向こうに戻ったら和泉に彼女の事を頼まんとな~。その後またこっちに戻って来て、村のリンコの家から大事な物を持って行かなきゃだ。


 まだ結構やることいっぱいですぞ?まあ頑張ろう。

 

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