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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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823/908

823 リタ&リナの居城に行く

 名も知らぬ村で一人歩いていた村娘に、リタ&リナの居城がどこにあるのか聞いたところ、前に行ったことがあると言うので案内してもらう事になった。


 彼女を乗せるため、試作2号機を着陸させた。



「後ろに乗ってくれ」

「ひゃっふーーーーー!空を飛べるなんて夢みたいだ!」



 そう言った村娘が後ろに跨った。


 彼女はスカートを履いているが、このバイクにはタイヤが無いので、スカートが巻き込まれる心配は無いだろう。風でめくれ上がって、地上から見上げた人にパンツを見られる可能性はあるが。



「ムムム・・・これってどこに捕まればいいん?あ~、お偉いさんでいいか!」


 むにゅん


 村娘が俺の腰に両手を回したので、背中におっぱいを感じた。

 言葉遣いは女性っぽくないが、やはりオネエではないようだ。むしろ巨乳だ。


「ちょっと待った。シートベルトがあるからそれを装着してくれ。いや、言っても分かるわけないか。俺がやろう」


 カチャッ


 一度バイクから降りて、村娘の腰にシートベルトを装着した。

 再びバイクに乗り、俺もシートベルトを装着。


「腰に手を回すんでもいいけど、片手はグラブバーを握るとか、・・・えーとこれがグラブバーだ。あとは俺の肩に手を置くとか腰のベルトに掴まるとか、まあ一番楽な姿勢を探してみてくれ」

「ほうほう」


 俺に言われた通り、グラブバーを握ったり肩に手を置いたり色々試している。


「ん~、やっぱこうかな」


 むにゅん


 やっぱり腰に手を回された。

 おっぱいの感触が気になるが、嫁がたくさんいる俺には効かぬ。問題無い。


「城の方向は?」

「えーと・・・、ほとんど真っ直ぐだけど、少し左かな?」

「了解だ。んじゃ出発するぞ~」

「やった!」



 フィーーン  フィーーン  フィーーン


 村娘が乗っているので加速装置は使えん。ゆっくり真上に上昇する。



「おおおおお!メッチャ浮いてるううううう!!」



 右足のペダルを水平にし、アクセルをゆっくり開けた。


 ヒュン



「おっひょーーーーー!飛んでる!飛んでるーーーーー!」



 後ろがうるさいけど、村娘にとっては生まれて初めての体験だしな。

 とか言ってる俺も全然初心者だから、はしゃぐ気持ちは分かる。


 歩いて半日か・・・。それなら数分で城に到着するかな?


 試作2号機にはちゃんとスピードメーターが付いてるんだけど、どう見ても単位がkm/hじゃなくて、謎の記号が書かれているのだ。


 数字ですらないから、正直まったく役に立たん!


 そしてスピードメーターの左端に棒グラフみたいなメーターが一つあり、おそらくこれが魔石のエネルギー残量なんだと思われる。


 赤ランプとか音でお知らせしてくれると助かるんだが、マニュアルすら用意されてないわけだから、俺が気を付けるしかないだろうな・・・。


 結構命懸けなマシーンなのに、分からない事だらけで本当に困る。



「ねえねえ、お偉いさん!」

「その呼び方はなんか嫌だな。小烏丸だ」

「コガラスマル?長いよ!」

「赤い流星とも呼ばれている」

「二つ名持ちなのか!すごいね~!!んーーーじゃあ、こがちーって呼ぶね」

「また変なあだ名が増えた!んでキミの名前は?」

「リンコ」

「ほーーー、リンコか。良い名前だな」

「でね!こがちーって軍のお偉いさんなんだろ?あたしを雇ってくれない?雑用でも何でもやるからさ」

「何?仕事が欲しいのか」

「聖帝軍が負けたからこれから少しは景気も良くなるんだろうけど、(いくさ)ばっかで畑が荒らされて村は貧乏だし、全然仕事が無いんだよ!」


 そうか・・・。聖帝軍の支配による圧政が終わったとは言え、ミスフィート軍による内政効果が出るのはもう少し先だ。


 (いくさ)で畑を荒らしたのはミスフィート軍でもあるので、仕事が欲しいと言われて放っておくわけにもいくまい。


「腹が減りすぎて本当に限界なんだ。もう体を売るしか無いかなーとか考えてたんだけど、処女だからそれも怖いしさ~」

「待て、早まるな!わかった。城に着いたらリンコを雇ってもらえないか俺が交渉してみる」

「本当に!?お金の前借りってできる?明日食う飯すら買えないんだよね」

「ギリギリにも程があるだろ!とにかく俺に任せておけ。城に着いたら腹いっぱい食わせてやる」

「やったーーーーーーーーーー!!」


 むにゅん


 こうしてる今も腹を空かせているのだろう。これは可哀相すぎて放っておけん。

 しかし限界ギリギリな割にはおっぱいデカいな・・・。いや、それはそれか。



 お、城が見えた!



 小さい街も見えるが、出来立てホヤホヤって感じだ。建設中の建物も多く、何も無い場所にいきなり城を建てたって感じだな。


 これから大きな街に成長していくのだろう。リンコの村にも声が掛かってると思うんだけど、村の住民が動くにしてもこれからって感じか。まだ何もねーし。


 突然中に飛び込むわけにもいかんので、城門の前で着陸した。



「うぇえええええ!なんか出た!!」

「なんか空から降って来たよ!!って小烏丸さんだし!!」

「よう!遊びに来たぜ。リタとリナは城の中か?」

「えーと、はい!中にいるハズです!呼んできますか?」

「いや、城内も見てみたいし、勝手に入って二人を探す」

「了解です!小烏丸さんなら問題ないです。ジャンジャン入って下さい!」



 門番の女の子二人はたぶん新人の兵士だと思うけど、俺の姿格好は全兵士に認知されているので、俺は知らなくても向こうは俺の事を知っているのだ。


 試作2号機をアイテムボックスに収納し、城の中に入って行った。



「うっひょーーーーーーーーーー!初めて城に入った!凄すぎる!!」

「ミスフィート軍の重臣二人の居城だ。その辺の城とはレベルが違うんだよ」


 ただミケネコ城やレイリア城を参考にして造ってるから、中身はほとんど一緒で、俺としてはそんなに目新しく感じなかったりする。メッチャ綺麗だけどね。


 リンコにあれこれ説明しながら玉座の間に入った。


「あーーーーー!小烏丸が出た!!」

「よう!つーか『出た!』って言うのやめて」

「もちろんあの二人に用事があるんでしょ?呼んで来るね!」

「頼む」


 タタタタタタッ


 名前はちょっと忘れたけど、今の子はリタの古くからの部下で、足軽大将まで出世した有望株だったと思う。玉座の間にいたってことは、内政が出来てかなり重宝されている有能な武将なんだろな~。



「「小烏丸!」」



 リタとリナが駆け寄って来たのだが、すぐ斜め後ろに女の子がいることに気が付いて立ち止まった。



「久々に会えたと思ったのに、また違う女を連れてる!」

「しかも乳がデカい。生意気」

「いや違うんだ!リンコはすぐ近くの村に住んでる女の子で、この城の場所を知ってるって言うから案内してもらっただけなんだ」

「ほうほう」

「なるほど。いや、案内だけでいいのにすでに名前まで聞き出してる」

「む!相変わらず手が早い。ホント女たらしの旦那様」


 うがーーーーー!嫁が100人超えしてるから信じてもらえねえ!


「とにかく!俺が来たって事は、これから好きな時に転移で来られるようになったって事だ!リタ、リナ、久しぶりだな。会いたかったぞ!」

「そうだ!これでいつでも流星城に行ったりできる!」

「やった!向こうの街で買い物とか出来るのすごく助かる!」


 ワー


 歓喜したリタとリナに抱きしめられた。


「それはそうと、いきなりで悪いんだが、この娘に何か美味いもんでも食わせてやってくれないか?やばいくらい腹を空かせてるんだ」

「腹ペコ?」

「それくらいならお安い御用」

「あと城で雇ってやってほしい。仕事も金も無いらしいから、今日腹いっぱいになっても明日から食っていけない状態でさ。ほら、リンコからもお願いしろ!」



 突然話を振られたリンコがたじろいだ。



「あっ!えーと、仕事を・・・、お偉いさんだから敬語じゃないとダメだよね?でも敬語とか使ったこと無いんだけど!えーと、あたしに仕事をくれるがよい!」



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 仕事を求めてる立場のくせに偉そうだなおい!殿様か!!

 まあ、敬語なんて使ったことが無くて、本当にわからなかったんだろうけど。

 

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