82 衣装のお披露目(3回目)
フローラは、ミスフィートさんが言うように料理の腕がメキメキと上昇していて、俺が用意した調味料を、今や完全に使いこなしていると言っても良いだろう。
そろそろ新しい調味料を追加しなきゃだな・・・。
まあそれは置いといてだ、彼女は他人の面倒を見るのが好きで、母性本能豊かな綺麗系のお姉さんだ。そんなフローラにはナース服(白)が似合うハズ。
このナース服はコスプレ色が強く、当然のように色っぽいデザインがされている。彼女に看病なんかされたら、どんな男もイチコロでしょうな。
そしてナターシャ。彼女もフローラに近い感じの綺麗系お姉さんだ。
最近料理にハマっていて、フローラと話しているのをよく見かける。そしてシャンプーを作るのがとても上手い。良い香りのする花を探して来ては試すという、戦い以外の方面に才能があるのが見てとれる。
そんなナターシャにはチャイナ服(赤)だ。あの美しさと色気ならば、これが似合わないなんてことはまず有り得ない。お洒落な彼女にはピッタリだと思う。
ミリーは、俺が尾張に帰還した時に、ミスフィートさんと共に大ピンチに陥ってた娘だ。
戦闘能力はあまり無いけど、どんな仕事でも嫌な顔をせず、いつも笑顔を絶やさない、見ていてほっこりするタイプの可愛らしい女性だ。
そんな彼女に似合う服はメイド服一択だろう。勿論これも洗練されたデザインだけど、ルーシーのゴスロリメイド服とは違い、白成分が多めな、ふわっとしたロングスカートの純正メイド服だ。これを着れば、彼女の愛らしさは数倍に跳ね上がること間違いなし!
「戦闘も大事なのだが、キミ達には食事や怪我の治療など、皆の補助的な役割を重点的に頑張ってもらいたいと思っている。これからも期待しているぞ!」
「「お任せ下さい!」」
「この後は、論功行賞恒例の行事となった、衣装のお披露目の時間だ!ルル、ピピン、ベアトリーチェ、フローラ、ナターシャ、ミリーの6人は、一度屋敷へ戻って着替えて来てくれ」
「「ハッ!」」
「小烏丸は着替えの手伝いを頼む」
「了解です!」
いつものように、恩賞を授かった6人と一緒に館へと向かった。
・・・・・
ツーーーッ
あえて言おう、圧巻であると。
溢れ出る鼻血をこっそり拭きながら、傍目には冷静に着替えを手伝う。
――――俺はお嬢様の召使い。この程度で狼狽えたりはしない。
ベアトリーチェにブラジャーを着けると、いつもの会話が始まる。
「胸が窮屈ですわ」
「これはブラジャーっていう下着です。胸を隠すと同時に、胸の形を綺麗に保つ効果もありますよ」
「それは素晴らしいですわね!見た目も可愛らしいですし」
なんか忘れてるな・・・、あ、そうそう。
「ブラジャーを使った裏技を教えましょう。少し触りますよ」
「あんっ!ど、どこを触ってますの!?」
「こうやって寄せて上げると谷間が強調されて、胸が大きく見えるのです!」
机に鏡を置いて本人にも確認してもらうと、とても納得いったらしく満面の笑みを浮かべた。
「素晴らしいですわ!!」
周りのみんなもこれには興味津々で、谷間選手権みたいのが始まった。
「これでチェリンの横に並んでも胸を張れるわ!」
「いや、彼女のは別格よ?」
「あれは怪物です!!」
いや、盛り上がるのは良いんだけど、せめて下も履いてからにして下さい。
出血多量で俺が死んでしまうわ!
ハイハイごめんなさいよーと、一人ずつパンティーを履かせて行く。
「下着にも、汚れ耐性++と、自動修復(小)、サイズ自動調節が付いてますので、非常に快適に過ごせますよ」
「確かに快適ね!」
「へーー!痛むことが無いってのは本当に凄いわ」
そして本日のメインディッシュとなる美しい衣装を、一人一人に着せて行く。
その後、それぞれの服に合わせて用意した靴にも履き替えてもらった。
ルル、ピピン、フローラ、ナターシャ、ミリーは簡単に着せることが出来た。
しかし、お嬢にプリンセスドレスを着せるのはむっちゃ苦労した・・・。
他の服と全然違って、あまりにもゴージャス過ぎるんだよ!
「そうそう!恩賞で貰った服には、汚れ耐性++以外にも防水機能と消臭脱臭機能が付いていますので、洗濯する必要がありません。と言うか、防水機能効果で洗濯が出来ません。しかも自動修復が付いているので、服に皴が付くことすらありません」
本当に狂った性能だよなー。
「洗濯しないと不潔に感じるかもしれませんが、まったく汚れないどころか汗すら染み込みませんので、むしろ洗い立ての服よりも清潔なくらいです。更に熱耐性や冷気耐性が付与されていますので、夏だろうが冬だろうが、常に快適な暮らしが約束されます。ぶっちゃけこれを着てれば無敵ですね」
「言われてみると確かに凄まじいわね」
「なんなの、そのとち狂った性能は・・・」
「楽なのは大歓迎よ!!」
「もしかして、寝る時も服を着たままの方が良かったりしない!?」
「まあ、そこはご自由にどうぞ」
そして服を着た後は談笑に花が咲く。
「みんなとても可愛い!」
「ナターシャの服は色っぽいわね~」
「フローラの服もすごく色っぽいわよ!」
「でもやっぱり一番凄いのはお嬢!!」
「そんな重そうな服で戦えるのかしら?」
「全然余裕ですわ!もうすでにやる気が漲っていて、負ける気がしませんわ!
うん。確かにお嬢を見ていると、これで戦闘が出来るのか不安になるな・・・。
「そのドレスを渡した俺が言うのもなんだけど、本当に大丈夫か?」
「思ったよりも全然重くないですわよ?このドレス」
「それなら良いんだけど・・・。さて、そろそろ戻りましょう!外でみんな待ってますよ!」
「「はーい!」」
・・・・・
新しい衣装に着替えた6人を連れて、玄関まで戻って来た。
前回同様、6人にはこの場で待機してもらい、俺だけ外に出て合図をしに行く。
気付いたミスフィートさんに『成功』とサムズアップ。
「皆の者、静粛に!6人の準備が出来たようだ」
「じゃあ行きますかね」
6人が少し緊張しながら、皆のいる方へゆったりと歩き出す。
「「わあああああああああーーーー!!!」」
すごい大歓声だ。
今までで一番人数の多い論功行賞だしな。
「皆すごく綺麗になったな!とても良く似合っているぞ!」
「「ありがとうございます!」」
「ジャバルグ軍との大きな戦に勝つ事が出来たのは、皆が頑張ってくれたお陰だ!そして、勇敢な戦士達に私が出来ることは、それ相応の恩賞を与えて報いることだと思っている。いずれは軍の全ての兵士が、今此処に立っている女性達のように、煌びやかな衣装に身を包まれることだろう。今回はこの6名の他に、4名の戦士が強力な刀を手にした。次の戦での活躍を大いに期待するぞ!」
本当は5人に刀を与える予定だったんだけどね。
まずは服を手に入れないと刀を手にする権利も無いので、今回はしゃーない。
「今回選ばれなかった人達も、次は自分だ!どいう気概を持って、努力を積み重ねて欲しい。では、今回の論功行賞はこれにて終了とする!」
「「わあああああああああーーーー!!!」」
ようやく論功行賞が終わった。今回は大変だったなあ・・・。
尾張平定後の論功行賞なんてもっと色々ありそうだから、今からすでに心配だよ。
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