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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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818 出撃!子供チーム

 子供達が不注意から仲間を傷付けてしまうかもしれないという、いつもとは方向性の違う不安で二の足を踏んでいる状態だったが、いつまでも悩んでいたって貴重な時間を無駄にするだけだと、アリアダンジョンに出発することにした。


 子供達を四人並べると握った手を離してしまう可能性があるので、子供・大人・子供・大人って感じで手を繋ぎ、まずはアリアダンジョン1階層の虎徹さんの部屋に転移した。



「あーーーーっ!なんか変わった!」

「小烏丸の魔法でダンジョンに移動したのじゃ」

「ん~、あまりダンジョンっぽくないような・・・」

「お部屋なのよ?」


 メメ、正解だ。


「壁はダンジョンっぽいけど、誰かの部屋みたいなのです」

「何方が住んでらっしゃるのでしょうか?」

「なんかね~、虎徹くんの部屋みたいよ」

「ここはダンジョン1階層に作られた虎徹さんの部屋だ。今は遠江の城に住んでるから寝泊りはしてないんだけど、汚したら怒られるんでキレイに使おうな!」


 つーか今は俺の部屋って感じだな。

 なんせ一日置きにここで仕事してるんだから。


「本来ならばそっちの通路に入って1階層から攻略していくのだが、このダンジョンに出現する魔物ってバカみたいに強くて本当に危険なんだ。子供達が通路に入って行かないよう細心の注意をしてくれ。マジで即死するからな?」

「わわわっ!そんな怖い所だったですか!?」

「目を光らせておきます!」

「噂のガチャはどこにあるのかしら?」

「ああ、正面にある通路の向こう側だ。魔物が出現しない大広場があって、その奥にガチャ部屋がある」

「ほうほうほう」

「でもって、そこに噴水があるだろ?そいつが例の聖水だ」


「「聖水!!」」


「ただ妊婦さんは聖水に触れない方がいいってことになってるから、手や顔を洗いたい時は隣にある洗面台を使ってくれ。アレからは普通の水が出てくるから」

「了解なのです!」

「へーーーーー!お嫁さんのために用意してあったのね!」


 いつもならゴブリンの洗礼を浴びせる場面なんだが、子供達には刺激が強すぎるからキャンセルだな。よし、そろそろ4階層に移動するか。


「んで来る前にも説明したが、4階層だけはボーナスステージになっていて、基本的に子供達でも倒せる海産物しか出てこないんだ。というわけで今から4階層に転移するけど、危険な魔物が2体だけいる。それがドラゴンと人魚だ!」


「「ドラゴン!!」」


 子供達もドラゴンの噂は何度も聞いているので、楽しみにしていたのだ。


「ドラゴンは一度倒してしまえば次の日とその次の日は出てこなくなるんだが、人魚は何度でも出てくるし全員を眠らせるスキルを使ってくるので、まずは眠り耐性を上げるのが本日の目標となる」

「眠らされたら人魚に食べられちゃうんだよね!?」

「その通りだ。眠らされたら殺されて終了という恐ろしい罠なので、耐性上げが最重要課題なんだ。でも耐性さえ上げちまえば人魚なんて雑魚敵でしかなくなるから、みんな頑張ろうな!」


「「オーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 説明はこれくらいで十分だろう。


 いつもなら引率係を一人用意するのだが、子供チームは最初から最後まで4階層で狩りをするので、初日だけ俺が引率係をして、あとは保護者達に任せる予定だ。


 もう一度全員で手を繋いで、4階層へと転移した。



「「わあああああああああ~~~~~!」」


「なんかジメジメしているのです」

「ここが4階層・・・」

「ちょっと緊張してきたかも!」

「最初に出てくる魔物はカニが一匹だけだ。みんな落ち着いて、慎重に、訓練した通りにやるんだぞ!」


 子供達は緊張した様子もなく、闘志を漲らせている。



「大丈夫なのじゃ!ではゆくぞ!!」



 ワーーーーーーーーーー!



 慎重にと言っておるのに、ワーっと突撃して行ったし!!

 まあカニ一匹だし大丈夫だろう。


 慌てて追いかけると、見た目だけは大きいカニが出現。


 ワーーーーー! ドス! ドスドスドス!


 まるで極道の若い鉄砲玉のように、四人がカニに突っ込みドスを突き立てた。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



 ドスの一突きなら耐えたかもしれないが、立て続けに四本も突き刺されてはひとたまりもなく、カニはピクリとも動かなくなった。


 うん、まああの作戦ならば刀を振り回すよりは安全だろう。



「うごかなくなった」

「倒したのかな?」

「かち?」

「我らの勝利なのじゃ!!」


「「やったーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


 ワーーー パチパチパチパチパチパチ


「よかった~~~~~」

「緊張しました!」

「お、思ったよりも遥かに弱かったわね・・・(ボソッ)」

「だろ?ただ次はカニが三匹出てくるから、二匹は保護者組で処分した方が安全だろう。最初だし念のためな」

「マリアナさんのレベル上げに丁度いいね!」

「先にレベル上げしちゃえば楽になるから、二匹とも倒していいわよ」

「はい、頑張ります!」



 子供達がカニに負けるとは思ってないんだけど、経験値が四等分されたとはいえ今のでかなりレベルが上がったハズなので、突然身体が軽くなった反動が怖いのだ。


 カニから魔石を回収する手順を説明して実際に子供達にやってもらった後、一度入り口まで戻って、そこで走らせたりジャンプさせたりして、どれほど身体能力が上がったか自覚してもらった。


 そりゃーもう大騒ぎだったけど、遊んでる暇はないので先へ進んだ。


 子供達もだけどマリアナもぶっちゃけ低レベルだったので、雑魚い海産物を倒しているだけでアホみたいにレベルが上がることに興奮して、すごく微笑ましかった。


 そしてようやくドラゴン部屋に到着。



「「ドラゴンだーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 大興奮する子供達だったがさすがにドラゴンは危険なので、ここはルルとパメラに頑張ってもらい、マリアナと子供達と一緒に派手な魔法バトルを見守る。


 見た目ほど強くはないドラゴンだが実は魔法耐性が結構高いので、すぐには決着がつかずに良い感じの白熱した戦いが繰り広げられて、魔法使いコンビがドラゴンを撃破した瞬間、大歓声が巻き起こった。


 ドラゴンを討伐したルルとパメラを、キラキラした瞳で見つめる子供達。

 今日見た光景は一生の思い出になることだろう。


 ミスフィート領ではドラゴンのような大物と戦う機会がまず無いので、妹たちに格好良い姿を見せる事が出来たお姉ちゃん達もすごく良い笑顔をしていたぞ!



 そして勢いに乗った一行は、とうとう目的地である人魚ゾーンに到着した。



「ん?なんだろ?」

「声が聞こえませんか?」

「うん。歌が聞こえる・・・」

「人魚が歌ってるんだ。いよいよだぞ!眠らないよう耐えてみせろ!」


「「人魚ーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 絶対眠るものかと、じりじり少しずつ人魚に近付いて行く子供チーム。



 すやー



 当然ながら、一瞬にして俺以外の全員が夢の世界に旅立った。


 さてさて、ここからが長い戦いだぞ~。

 とりあえず全員ビンタして叩き起こしますか。

 

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