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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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808 正直、時空先輩をナメてた

 

「っていうかお前、名前呼び禁止っつっただろ!」



 そろそろ帰ろうと思って転移しようとしたら、虎徹さんに痛い所を突かれた。



「気付かれちゃいましたか・・・。実はですねえ、サンダー大佐とサイダーの名前がかぶってる事に気付いて咄嗟に名前呼びに変更したんですよ。周囲は確認したんで大丈夫だとは思いますけど、次から気を付けます」

「あ~、確かに思いっきりかぶってんな!まあ分かっててやったんならいいわ」

「なるほど。人形の人選ミスだな」

「んじゃそういうことで。サラバですじゃ!」



 アリアダンジョンに転移した。



「さてと・・・」



 おそらく時空先輩は、俺が作った人形を再現するだけじゃなく、それ以上の何かをやってくるだろう。なにしろ先輩としてのプライドがあるからな。


 だからこそ俺も対抗する技の研究をしたいところではあるが、なにも今やる事はないだろう。どうせ近江の遠足中は暇なんだから、そういう時間を有効活用せんと。


 やっぱり今日も普通にマジックバッグ作りでいいか。

 待ってる人がまだ大勢いるんだ。こればっかりは俺が頑張るしかねえ。


 というわけで、いつもの様にソファーに座ってマジックバッグ作りを開始した。




 ・・・・・




 今日は耐性上げの日だから、ガチャをぶん回せる程の魔石を入手する事が出来なかったハズなので、4階層にいる皆を回収に行ったのは17時過ぎだ。


 それから1時間マジックバッグ作りを頑張り、ガチャ部屋まで迎えに行く。



「耐性上げで忙しかっただろうけど、4階層はどうだった?」

「そうそうこがっち!ドラゴン倒したぜ!」

「ちょっと緊張したよね~!」

「でも思ったより弱かったにゃ」

「下位竜は見た目だけじゃ」

「しかし解体はどうする?」

「前に私達がドラゴンを狩った時は、解体してる時間なんて無かったからさ、ガチャ期間が終わってから皆で解体したよ」

「魔石集めに忙しすぎて無理だよな~!ドラゴンでけえし」

「海産物くらいなら出来るけど、ドラゴンは無理!」

「ドラゴンよりも海産物が食いたいにゃ!」

「そうじゃの。終わってからの楽しみって事でいいんじゃないかの?」

「だな!」



 俺くらいのドラゴンマスターになればサクッと解体出来るんだが、そういう大変な作業も一生の思い出になるから、敢えて手伝わないようにしている。


 そして手に入れたドラゴンの肉は、基本的に討伐メンバーで山分けだ。


 でも今回のチームは一気に4階層まで進んだから、ギリギリあと二回ドラゴンを狩れるのか。まあ俺が口出しする事じゃないが、話の流れ次第で城にいる人達にドラゴンステーキが振舞われるかもしれんな!



「今日はあまりガチャれなかっただろうけど、明日からは今まで以上にぶん回せるようになるぞ!」

「行き帰りに海産物を狩りまくったけど、メッチャ弱かったぞ!」

「うん!いっぱい魔石を稼げそうだよね~」

「限界まで狩りまくって一生遊んで暮らすにゃ!」

「一生遊んで暮らすじゃと?いや、金にはならんぞえ?」

「ニャルルにとっては金よりも価値があるのだろう。気持ちはわかるぞ!」

「そう言われてみると、売れば結構なお金になりそうな気もするわね。別にお金に困ってないから売らないけど」



 確かに。


 デカいしとんでもない美味さだし、市場で売りに出したら争奪戦が始まるだろな。果物と同じ場所で売るわけにゃいかんけど、地味に稼げそうだ。



 とまあ、そんな感じで平和な一日を過ごし、ずっと仕事をしてたような気がする休日が終わった。






 ************************************************************






 アリアダンジョンメンバーを4階層に放流し、虎徹さんの部屋に戻って来た。



 これは暗黙の了解なんだが、ダンジョンにいる時は近江の話などしない。

 なぜなら、こんな場所で昨日の出来事を聞いてもつまらんからだ。


 まず近江勢の雰囲気を見て、何か異変が起きていないか推測する。

 その後でようやく情報の共有をするのだ。



「やっぱり村スタートじゃないのか。ケンちゃん達もいつも通りだし、何もイベントが起きなかった感じかな?」


 清光ハウスだから寝不足ってこともないだろうし、パトランが二人に増殖しているような異変もない。


「さてと」


 三河コンビの方に振り返った。



「見せてもらおうか。時空先輩の修行の成果とやらを!」



 その一言で、メタルヒーローのいる一帯が緊張感に包まれた。



「一つだけ言っておこう。先輩をナメんなよ?」



 そう言ったサイダーが、地面に茶色い人形をそっと置いた。


 ムムム・・・、なぜ俺に放り投げなかったんだ?

 疑問に思いながらも置かれた人形を見ると、それは俺がよく知るアイツだった。


「ゴン太郎くんじゃないか!」


 ノッポッポさんはいないのかーとか考えていると、サイダーが不敵の笑みを浮かべている気配がした。



 ―――――その直後、地面に立っているゴン太郎くんが歩き出した。



「ブホッッ!!な、な、な、なんだってーーーーーーーーーーーーーーー!?」



 てくてくてくてく



 身長20㎝くらいでずんぐり体型のゴン太郎くんが、よちよち歩きで俺の近くまで来たので、手の震えを抑えきれないまま拾い上げた。


 気持ち良く歩いている所を捕まえられたので、手の中でイヤイヤと暴れている。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 正直驚いた。


 あの時空先輩が俺に追いついたくらいで満足するわけないとは思っていたが、何かやるにしてももっと別方向だと思ってた。こんなの予想外すぎますぞ!!



「まるでミニゴーレムですやん・・・。もしかして中に魔石が入ってるのか?」

「魔石なんか入ってねえぞ」

「それなのに動いてるんですか!?動力源は?」

「普通に魔力だ。実は自動じゃなくてオレが遠隔操作してんだ」

「マジか!」


 ああ、だから会話を始めたら動かなくなったのか。


「すげーだろ?動き始めた時は俺も驚いた」

「やれば出来るもんだな!」

「時空先輩のことだから何かしてくるとは思ってたけど、こんなナナメ上の発想で、しかもたった一日で歩かせるとは・・・」

「まあその辺はゴーレム知識のおかげかな?アニキの横でずっと見てたから」

「それにしても天晴だ!あとはよちよち歩きを何とかすれば完成だな」

「アレはアレで可愛かったですよ!ゴン太郎くんってあんなもんだったような気もするし」

「着ぐるみ重そうだしな」

「覚えてねーけど、もっとちゃんと歩いてたんじゃね?」



 やっぱ時空先輩ハンパねーーーーーーーーーー!


 しかしまだだ、まだ終わらんよ。

 もう一度新しい事に挑戦して、また時空先輩に一泡吹かせてやるぜ!

 

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― 新着の感想 ―
そーいや埴輪王子は居ないのかな……?
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