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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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803 軍師、寿司スロットの攻略法を見切る

 ニャルルが寿司スロットで大当たりである777を揃えたので、彼女のすぐ左後方でボーナスゲームの消化がどんなものなのか見続けていた。


 ホタテを揃えた後の3ゲーム間図柄が揃わず、その後マグロが揃って、次にリプレイ図柄が揃うと液晶画面に【1】8-0と表示された。


 ・・・何となく分かってきたぞ。


 リプレイが揃うと1回目のボーナスゲームが始まり、8-8になるとまた最初の状態に戻り、【3】8-8まで消化するとボーナス終了なんだと思う。


 最近のスロットは結構仕様が変わってしまったけど、昔のスロットは全部このパターンだったんだよな~。


 3×8の24、1皿二貫だから、すなわち最低でも48個の寿司が食えるわけだ。


 人によるだろうけど、男でも10皿も食えば結構腹いっぱいになるので、最低保証の24皿を食うだけでも結構キツイんじゃないだろうか?


 そして問題は揃う図柄だ。


 マグロやサーモンの上位互換である、中トロ、大トロ、キングサーモンなんかは通常ゲームでは滅多に揃わない感じだった。おそらくレア役になってるんだと思う。


 しかしボーナスゲーム中はリール制御が変化し、左リールに止まった図柄が中リールと右リールを止めた時にズルっと滑り落ちてくる感じなのだ。


 ということはだ。左リールを適当に止めるのはもったいない!

 目押しすることによって、高級ネタが食べ放題なんじゃないか?



「ニャルル、ようやく分かってきたぞ!左リールを適当に止めちゃダメだ」

「そうにゃの?」

「食いたい寿司ネタを狙い撃ちするんだ。これを『目押し』と言うんだが、ボーナスゲーム中ならどんなネタだろうが簡単に揃える事が出来るハズ!」

「にゃるほど!えーと、左リールだけ狙えばいいにゃか?」

「今【1】8-5ってなってるだろ?これが8-8になるまでは、左に止まった図柄が強制的に揃う状態になってるから、左リールに何が出るかが重要なんだ!」

「ほうほうほう!この5が8までいったら終わりにゃ?」

「いや、ココに【1】って書いてあるだろ?これはおそらくボーナスゲームの一回目って意味で、たぶん【3】まで進むから、大当たりはまだまだ続くと思うぞ」

「すごいにゃ!にゃにか狙ってみるにゃ!」



 まだ初心者なので、少し無茶を言ってしまったかもしれんけど、ニャルルがイクラの軍艦巻きを止めた。


 かなり高速でリールが回ってるから7以外を狙うのは難易度が高いのだが、図柄の色が黒と赤だから狙いやすかったのかもな。



「フオオオオオ!イクラが揃ったにゃ!!」

「やったな!でもやっぱり思った通り、ボーナス中は目押しが重要だな」

「スロットは奥が深いにゃ・・・」

「うむ。全ての図柄を目押し出来るよう精進するといい」



 ニャルルが幸せそうにイクラの軍艦巻きを食べるのを横目で見ながら、寿司スロットの仕様と攻略法をノートに書き記していった。


 ボーナスゲームは進み、【2】8-4まで進んだところでニャルルが呟いた。



「もう満腹にゃ・・・」

「無理して一人で食う必要はない。そういう時はご祝儀としてギャラリー達に寿司を振舞うんだ!」

「お~、それにゃ!次揃えたヤツはこがにゃんにあげるにゃ!」

「おおおおお!んじゃトロで頼む!大トロでも中トロでもいいぞ!」

「任せるにゃ!どっちかわからにゃいけど、ニャニャのすぐ上にあるヤツにゃらたぶん楽勝にゃ!」


 ちなみにニャニャってのは7のことだ。猫獣人は『な』の発音が苦手なのだ。

 ニャルルの自信は確かだったようで、中トロが一列に並んだ。


「ナイス中トロ!」


 小さな木製の台の上に出現した中トロを醤油につけ、口に放り込んだ。


「死ぬほどうめえ・・・」

「んむ!この寿司メッチャ美味いんにゃ!」


 ギャラリー達から感嘆の溜息が漏れた。


「つ、次私も食べてみていい?」

「いいにゃよ!最初からずっと見守ってくれてた人を優先するにゃ!」

「やったーーーーーーーーーーーーーーー!」


「「わああああああああああ~~~~~~~~~~!」」



 こうしてご祝儀タイムに突入し、寿司スロットに興味津々だったギャラリー達は、二貫ずつ寿司を御馳走になった。


 カレーを食った後なので、みんな腹が減っていたわけでもなく、ただ味見してみたかっただけなのだ。旅のメンバーも全員寿司をご馳走になったぞ!


 そしてやっぱり【3】8-8がラストゲームだったようで、そこまで消化してようやくボーナスゲームが終了した。


 ニャルルはすでに大満足しているのでスロットは一般開放され、その後は皆のオモチャとなって寝るまでぶん回されることとなった。


 とりあえずルールとして、食事の時間にニャルルが寿司気分だったらニャルルが優先され、それ以外の時間は誰でも勝手に遊んでいいことになった。


 彼女は太っ腹なのだ。


 ただしスロットで遊ぶ為に必要な極小魔石は、個人で用意するのが条件。

 これからは魔石の入手が重要となるだろう。


 ゴーレム班も魔石を狙っているので買うのもなかなか難しく、個人で雇った兵士をダンジョンに送り込んで魔石を収集させるのが流行るんじゃないかと思ってる。


 理由がどうであれ、兵士がダンジョンで鍛えて強くなるのはむしろ歓迎なので、俺があれこれ口出しする必要も無い。


 ただ結局、スロットを打つのに金が必要ってのはちょっと笑えるな!

 景品が寿司でもやっぱりギャンブルなのだ。






 ************************************************************






 翌日。


 アリアダンジョンに仲間達を放流した後、俺は休日なんだけど、清光さん虎徹さんをゼーレネイマス達に合流させなければならないので、一緒に近江へ転移した。


 覗き魔呼ばわりされて、石をぶつけられまくったあの場所だ。


 俺達の方が朝色々やる事があるので、到着した時間にはすでに皆起きていた。

 しかしどうも、森の中で一泊した全員の様子がおかしかった。



「・・・なんか皆眠そうな顔してねえか?」


 レミィとケンちゃんとレナが顔を上げた。

 パトランもすぐ側にいるけど、俯いたまま眠っているようだ。


「夜中にセイヤハウスが崩れたのよ・・・」

「寝てたら顔の上に瓦礫が落ちてきて、もう最悪っスよ!」

「しかも2回!」


 見ると、セイヤハウスの天井が崩れていた。


「ぶわーっはっはっはっはっはっは!」

「天井が崩れたままじゃねえか。あの下で寝てたのかと思うと涙が出るな」

「ポンコツハウスもいいとこだ」


 ゼーレネイマスがセイヤを引き摺って歩いて来た。


「このゴミを鍛え直さねばならぬようだ」

「うぅ、こんなハズじゃ・・・」



 これならゼーレネイマスが作った氷の城で寝た方がマシだったかもしれんな。

 魔法の制御から訓練しなきゃならんから前途多難だぞ・・・。


 まあとにかく俺は休日だから、後は清光さん虎徹さんに任せよう。

 眠いだろうけど皆がんばれよ~。

 

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