表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

802/897

802 ニャルルのアレで城が大騒ぎになる

 録画ボタンをポチっと押すとランプが赤く光った。

 小さな画面に風景が映っているので、被写体を枠内に収めるのは簡単だな。


 しかしこんな高性能魔道具、神様じゃないと作るの不可能だろ・・・。



「セレスティーナ、この小窓にニャルル達が映ってるだろ?今小窓に映ってる風景がそのまま魔石に記憶されるんだ」

「ほうほうほうほう!確か声も記憶されるんだよな?」

「うむ。今も俺とセレスティーナの会話が記憶されている」

「それって何時間くらい録画出来るんだろな?」

「残り時間みたいなのは表示されていませんね。自分で調べるしかないのかも」

「ガチャの景品って全部スゲーんだけど、マジで説明不足だよな~」

「鑑定の説明文が、一行で纏めようとしている感ありますよね」


「「それな!」」



「あっ!その魔道具初めて見るかも!ガチャで手に入れたの!?」



 声のした方を見ると、ソフィアがいた。



「ああっ!姿が見えなかったから五人だと勘違いしてたけど、そういや引率のソフィアもいたんだった!今までどこに行ってたんだよ!!」


 操作に慣れてきたので、ソフィアの顔をアップにしてみる。


「いや~、前回服があまり手に入らなかったからギリギリまで粘ってたの。そっちの五人は初めてのガチャだから時間が掛かると思ってさ~。毛皮がいっぱい欲しかったからずっとシルバーウルフ狩ってた」

「なるほど。あまり他人の結果とか気にしないタイプなんだな」

「そんな事ないわよ。結果は知りたいけど過程は見なくてもいいかなってだけ」

「いやいやいや!そこが面白いんじゃないか!」


 ドライな考え方をしていたので、おっぱいだけドアップにしてやった。


「えーと、次はソフィアさんの番ってことでいいのかな?」

「いいんじゃね?あたいらは一回ガチャってるしな」

「スロット打ちたいにゃ」

「今はガチャに集中するべきじゃろ。まだ始まったばかりぞな」

「気持ちは分かるがな!」



 停止ボタンを押して録画を終了させた。



「よし、こんなもんだろ。んじゃ今録画したヤツを再生してみよう!」



 アイテムボックスから箱を取り出し、映写機を置いて壁に向けてみる。

 これで合ってるのか分からんけど、説明書も無いし色々試してみるしかない。


 再生ボタンをポチッ。



『セレスティーナ、この小窓にニャルル達が映ってるだろ?今小窓に映ってる風景がそのまま魔石に記憶されるんだ』

『ほうほうほうほう!確か声も記憶されるんだよな?』


 おお!今撮った映像が壁に映し出されたぞ!


「よっしゃ!録画に成功してるっぽい」


「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!」」


「本当に風景と音声が記憶されているじゃないか!」

「これは凄いのう!」



 俺と三河の二人で会話しているが、画面にはゴマちゃん達が映っている。



『あっ!その魔道具初めて見るかも!ガチャで手に入れたの!?』



 そしてここでソフィアが登場。

 少し話をした後、おっぱいがドアップになった。



「ちょっと!なんで私の胸しか映ってないのよ!!」

「ソフィアがガチャの結果だけわかればいいとか言ったからだ!」

「もう、早く消してよこれ!」



「ほほう・・・」



 セレスティーナの声を聞き、俺は大変なミスをやらかした事に気が付いた。


 健全な方向にって考えてたのに、懲罰でソフィアの胸をドアップにしてしまったのだ・・・。いかんですぞ!彼女に気付かれたかもしれねえ。


 再生が終わったようで、映像が勝手に止まった。



「と、とにかくこんな感じだ!凄い魔道具だろう?」

「大当たりじゃん!」

「カメラよりこっちの方が断然凄いかも!」

「ウチのスロットくらい当たりにゃね!」

「皆良い物を手に入れたが、(わらわ)はキセルが一番良いと思ったな。しかし始まったばかりじゃ。どんどんガチャを回さねば夕食までに帰れぬぞ?」

「えーと、次は私でいいのよね」

「おう!」


 清光さんと虎徹さんが入口の方へ歩き出した。


「んじゃオレ達は労役に戻るわ」

「頑張れよ~」

「そっちも頑張って下さい!」



 というわけで、ガチャが再開された。

 結構時間が掛かっているので、ここからはサクサクいかねばなるまい。


 ただ映写機をマジックバッグに入れるセレスティーナの口端が上がっていたのが非常に気になった。


 映写機の危険な使い方に気付いてしまったのかもしれねえ・・・。

 嫌な予感しかしないが、彼女がゲットした物だし、放っておくしかないだろう。




 ・・・・・




 ガチャタイムは2時間にも及んだが、ソフィアとシャイナが服をゲットしてたし、かなり良い結果だったんじゃないだろうか?


 一つ驚いたのが、『にゃんか良いのが出る気しにゃいにゃ』とか言って、ニャルルがノーマルガチャをぶん回し始めた事だ。


 あの猫、絶対ガチャの達人だろ!運が尽きた事に気付いて、ノーマルガチャで回復させる戦法に切り替えたんだぞ!?


 初めてのガチャでなぜそこに気が付くのか・・・。


 まあとにかく、こうしてアリアダンジョンツアーの初日が終わり、全員ホクホク顔で流星城に帰還した。


 真っ直ぐ食堂に向かい、それぞれがいつものテーブルに着いた。


 基本的にほとんどの人が自分の座席で食事をするのだ。流れでそういう感じになったってだけで、自分の席って決まってるわけじゃないんだけどね。


 そして俺のすぐ後ろのテーブルに着いたニャルルが、マジックバッグからスロットマシンを取り出した。


 テーブルの上に置いたから、アレじゃあメシなんか食えないだろう。



「「なにそれーーーーーーーーーーーーーーー!?」」



 当然ながら、高さが1メートル程もあるスロットマシンなんて非常に目立つわけで、何人かがニャルルの周りに集まって来た。



「おいニャルル、それじゃあメシ食えんだろ?」

「今日は寿司しか食わにゃいにゃ!」

「なるほど、それもまた一興か。でも大当たり図柄でも揃えない限り、満腹になるまで結構大変だと思うぞ?」

「がんばるにゃ!」

「ねえねえ、これって何なの?」

「今日ニャルルが引き当てたガチャの景品だ」


 集まった人達に、これがどういう物なのか説明した。


「お寿司が出てくるの!?すごいじゃない!!」

「始めるにゃ」



 今日はカレーライスだったので、食堂はスパイシーな香りに包まれていたが、ニャルルは一人もくもくとスロットを打ち続けている。


 何だかんだで俺も気になってしょうがなかったので、ニャルルの近くに椅子を運んでそこでカレーを食いながらスロットを見ていた。


 そして150Gほど回した頃だろうか?

 『キタキター』という声と共に、液晶画面の右から左に魚群が流れていった。


 ああ!ニャルルがレインボーを当てた時に見えた魚群ってコレだったのか!!



「にゃんかすごい演出にゃ!」

「チャンス到来だ!もしかしたら大当たりするかもしれねえ!777狙ってみ!」

「やってみるにゃ!」


 ニャルルが左リールを止めると、目押しが成功したようで7が止まった。

 続けて真ん中リールにも7が出現。


「うにゃあああ!すごく緊張するにゃ!」

「ニャルルならやれる!魚マスターの意地を見せてみろ!」



 そしてニャルルが右リールを止めると、待望の777が揃った。



『大当たり~~~~~♪』


 テテーテーテテテテ チャーチャーチャーチャーーーーーーーーーー!



 スロットから大当たりって声が聞こえ、ファンファーレが鳴り響いた。

 そして軽快で楽しい曲が流れ始める。



「「777が揃ったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」


 ギャラリー達も大興奮だ。


「揃ったにゃーーーーーーーーーーーーーーー!これどうすればいいにゃ?」

「わからん。とりあえずレバーを叩いてみ」

「うにゃ」


 液晶画面は賑やかだが、説明みたいな示唆は何も無かった。

 でもニャルルがリールを三つ止めるとホタテが揃った。


「簡単に揃ったにゃ」

「たぶん大当たり中は図柄が揃いまくるぞ!ひたすら寿司を食いまくれ!」

「食うにゃ!」



 ボーナス中は魔石を投入しなくても良さそうだったので、おしぼりで手とレバーと停止ボタンを拭かせてから、後はニャルルの好きなようにさせた。


 でもイチイチ拭くのがめんどいから、寿司は箸で食った方が良さそうだ。


 とりあえず腹ペコのニャルルが優先だけど、出てくる寿司の数次第では、ギャラリー達にご祝儀の寿司を振舞ってもいいかもしれんな。


 しかしまあ、なんつー面白いスロットを手に入れてしまったのだろう。

 こりゃあ城内はしばらく大騒ぎだぞ!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ