80 論功行賞Ⅱ（3回目）
その刀を見たカトレアの目が輝く。
[羅刹]
：織田小烏丸作の刀。様々な付与魔法が込められている。評価S
：総ミスリル製。
：斬撃強化（強）斬撃速度強化（強）刺突強化（強）
：自動修復（中）衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++
「この刀は『らせつ』と読みます。ミスフィートさんが所持する毘沙門天は戦の神様の名前なのですが、毘沙門天にとって、なくてはならない眷属の一人がこの羅刹です。この刀を持って、ミスフィートさんの支えとなってくれることを願います！」
受け取ったカトレアの手が少し震えていた。
「カトレア、次の戦でもその刀に相応しい活躍を見せてくれ！」
「ハッ！絶対に期待を裏切らない事を、此処に誓います！」
カトレアなら間違いなく期待通りの活躍をするだろう。
「次。戦功第四位、チェリン！前へ」
「っしゃ！ゴ、ゴホン、はいっ！」
「「わはははは！」」
「チェリンの統率力は実に素晴らしかった。そして武力も我が軍で一、二を争うほどの腕前だ。次の戦でも活躍する事を期待し、金貨を更に20枚、そして刀を授ける！」
「ありがたき幸せ！」
チェリンの前まで歩いて行き、箱から一振りの刀を取り出す。
[夜叉]
：織田小烏丸作の刀。様々な付与魔法が込められている。評価S
：総ミスリル製。
：斬撃強化（強）斬撃速度強化（強）刺突強化（強）
：自動修復（中）衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++
チェリンの目が少し潤んでいる。
「この刀は『やしゃ』と読みます。ミスフィートさんが所持する毘沙門天。夜叉もその偉大なる眷属の一人です。この刀で、ミスフィートさんの支えとなってくれることを期待します！」
「チェリン、次の戦でもその刀に相応しい活躍を見せてくれ！」
「ハッ！この刀でジャバルグ軍を打ち砕いて見せます！」
これで2人目かー。まだいっぱい残ってるな・・・。
「次。戦功第五位、ルル！前へ」
「へ？ボクですか！？」
ルルが恐る恐る前へ出る。
「今回の戦は、ルルの支援魔法のお陰で優位に進めることが出来た。そしてそれが死傷者を大幅に減らす結果となったのは間違いないだろう。支援魔法の素晴らしき効果に、軍の皆は絶賛していたぞ！なので戦功第五位に決定した。ルルには金貨を更に20枚、そして服を授ける！」
「あ、ありがたき幸せ！」
ルルの前まで歩いて行き、箱から一着の服を取り出す。
[ディアンドルドレス（黄緑）]
：謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価S
：斬撃耐性++ 刺突耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性++ 炎耐性++
熱耐性++ 冷気耐性++ 汚れ耐性++ 精神耐性++
：自動修復（中）サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能
ダンジョン最終日にゲットした黄緑色の服だ。最初はワンピースかと思ったけど、よく見ると、胴衣、スカート、ブラウス、エプロンの組み合わせだった。
これはドイツの伝統的民族衣装で、非常にメルヘンチックな衣装である。
ガチャ産なので、本物よりも更にメルヘンな仕上がりで、童話の世界の女の子が着ているような可愛らしさだ。白いブラウスの清涼感がルルには良く似合うだろう。
「わああぁぁぁ～～～！可愛い！すごく可愛いですコレ！」
よしっ！今回も大成功じゃい！
ミスフィートさんとカーラを見ると、2人共ガッツポーズしていた。
「次の戦でも活躍する事を期待しているぞ！」
「ハイッ！頑張ります！」
「次。戦功第六位、ピピン！前へ」
「え？ワタシなの！？」
驚きながらピピンが前へ出る。
「キミの隊の活躍は、軍の皆から色々と報告が上がってるぞ！ルーサイアとパラゾン解放の時も、実に見事な活躍をしていた。今回キミの隊からはピピンだけが代表で選ばれた格好だが、認められたのは一つの小隊としての完成度の高さにある。故に、他のメンバーの功績も非常に高いと言えるだろう」
こういう部分でも評価されるとなれば、自分をアピールする為のワンマンプレーを回避することが出来るかもしれない。論功行賞をも有効に使い、あらゆる方向から評価することで、団結力のある軍に育て上げるのだ。
「同じような活躍を続けて行けば、遠くないうちにピピン隊全員に恩賞が与えられると思ってくれて構わないぞ！ピピンに金貨を更に15枚、そして服を授ける！」
「ありがたき幸せ！みんなも認められたよ！！次も頑張ろうねー！」
「おめでとー！」
「やったね！」
「団結力も評価されるなんて、素晴らしいわ！」
「次こそ私達も！！」
ほんと良い仲間達だな。隊のチームワークはウチの軍でも一番だろう。
ピピンの前まで歩いて行き、箱から一着の服を取り出す。
[ゴシックロリータ]
：謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価S
：斬撃耐性++ 刺突耐性++ 衝撃耐性++ 魔法耐性++ 炎耐性++
熱耐性++ 冷気耐性++ 汚れ耐性++ 精神耐性++
：自動修復（中）サイズ自動調節 防水機能 消臭脱臭機能
ゴスロリは一体誰の手に渡るのかとずっと気にしていたんだが、ココに来て満を持しての登場だ。ピピンは見た目が明らかに可愛い系で、どう考えてもコレが似合わないハズがない！後は本人が気に入るかどうかなのだが・・・。
「えええーーーっ！？ワタシがこの服を！？」
「どうだ？」
「うわうわうわ！これ可愛すぎるよ！！ワタシに似合うかな？」
「これ以上無いくらい、すごく似合うと思いますよ」
いきなりこの服だからなー、心配になるのもすごくわかる。
だが俺には間違いないという確信があるんでね！お披露目が本当に楽しみだ。
「次の戦でも活躍する事を期待しているぞ！」
「はい！またみんなと一緒に頑張るよ！！」
えーと・・・、現在戦功第六位だから残りは6名か。選出が多いと大変だなあ。
