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788 ボヤッキーが大変なことに・・・

 街の中心で焼き肉大会をやっていたわけだが、レザルド軍を心の底から恐れている住民も多く、そういう人達はなかなか家から出ようとしなかった。


 しかし人懐っこいケンちゃんとセイヤによる場の盛り上げ方は半端なく、更に焼き肉にぶっかけた秘伝のタレが爆発的に食欲をそそる匂いだったので、家に閉じ籠っていた腹ペコ住人達も我慢の限界を超え、最終的には街で暮らすほとんどの人達が参加したんじゃないかな?


 ゼーレネイマスと弟子二人は京の都ダンジョンで異常なほど魔物を狩りまくっていたので、焼肉大会でどんだけ大盤振る舞いしようが肉が尽きることはないそうだ。


 というかダンジョンを攻める前からどこかの国を獲ろうと考えていたようで、マジックバッグに詰め込んだ魔物の肉は食用に適したモノばかりらしい。


 ただ作戦を聞いていて調味料が不足だと思ったので、俺に借りを作るのを嫌がっていた魔王だったが無理矢理持たせてやった。こっちとしても化け物クラスの男を味方につけるメリットは非常に大きいからな。


 それにダンジョン産調味料の美味さに慣れてしまったら、もう塩だけで味付けした料理程度で満足できるわけがないのだ。嫌がる素振りは見せていたが、何だかんだで結局受け取ってしまう大魔王はすでに飼いならされているのだ!


 レザルド軍の倉庫から回収した食料は、明日にでも街の住民に分配するそうだ。


 焼き肉大会とは言ってるが、ただ騒いでいるわけじゃなく、『今すぐではないが、近い内に挙兵するかもしれない(・・・・・・)。か弱い住人を装いながら身体を鍛えておくと良いことあるかもな~』なんてとぼけた感じでXデーを匂わせておく。


 俺達は一旦この街を出て他の街へ行くので、時が来るまで味方だと意思表示してはならないのだ。宙ぶらりんでいないと命が危ないからな。


 絶対的な力と優しさを見せつけた事により、間違いなく好印象を与えたハズだから、事を起こした時、かなりの人達が味方になってくれるだろう。


 ただ、分け隔て無く全ての人達に夢と希望を与えているケンちゃんと違って、セイヤは自分より年上のお姉様方の中心で高笑いしてる感じなので、近江の人達がついて行くのはケンちゃんの方だな。たぶん近江の大名になるのはケンちゃんだと思う。


 しかしセイヤよ、30代40代の女性ばかり狙って声を掛けまくるとか、ガチの熟女好きに進化してやがる・・・。恐ろしい男だ。



 良い時間になったので、レミィに声を掛けてからガチャ部屋に飛んだ。

 そしてピピン達を回収し、流星城に戻って食堂へと向かう。


 今日の夕食はハンバーグだった。


 ミスフィート軍で一位二位を争う人気メニューなので対抗馬の海鮮丼と共に比較的登場回数が多いのだけど、これを嫌いな人なんか一人も存在しないので、皆ニコニコ顔で食事が終わった後も楽しそうにしていた。


 しかし俺は今日も元気に夜伽へ行かなければならないので、席を立ってお風呂へ向かって歩き出す。



 ビシッ!



「うひょーーーーーーーーーー!ありがとうございました!!」



 何事かと思って音が聞こえた方向を見ると、ボヤッキーが女王様に鞭でしばかれて悶絶していた。


 いや、よく見たら女王様ではなく、少し前にボヤッキーが手に入れた衣装を身に纏ったドロシーちゃんじゃねえか!


 なぜ食堂でボヤッキーが鞭でしばかれているのかは知らんが、あの衣装を着てくれる人が存在するとは思わなかった。



「おいボヤッキー!お前何で女王様にしばかれてんだ?」


 通りすがりの俺の声を聞き、ボヤッキーの食卓メンバー全員がこっちを見た。


「いや女王様って・・・、ム!?その呼び方すごくいいかも!」

「何言ってるのよおバカ!」

「ああ、えーとドロシーちゃんにですね、その衣装と一緒にガチャで手に入れた鞭もプレゼントしたんですよ!そしたらすぐに着替えてくれたんですが、感動して褒めまくったら、恥ずかしかったのか鞭でビシッ!としばかれまして・・・」


 ビシッ!


「どわああッッ!女王様、ありがとうございました!」


 いや、なぜ鞭でしばかれて恍惚の表情になってんだこいつ?


「なるほど。鞭でしばかれるのに興奮する体質になってしまったのか・・・」

「おお、流石はド変態と名高い小烏丸さんです!こんなのどう考えてもご褒美っスよね!?」

「鞭で叩かれて喜ぶのは私もどうかと思うのですが、最近このテーブルはいつもこんな意味不明な状態なんですよ・・・」

「わっはっはっは!アホだよな~、すげー面白いけど!」


 ジルも困惑しているようだ。ヴォルフは喜んでるが。

 ちなみにヒューリックはもうバイクの訓練に向かったようで、此処にはいない。


「お前にド変態とか言われるのは心外だぞ!俺はまだ叩かれて喜ぶほどの上級者じゃねえ!」

「それは少し違いますぞ!ドロシーちゃんに鞭で叩かれるのはご褒美ですが、他の人にやられたらグーでボコボコにしますんで!」

「言ってる意味は分かる。しかしドロシーちゃん、よくぶちキレずにその衣装を着てくれたな~」

「ぶちキレたから鞭で引っ叩いたのですわ!でもやってみると、スカッと爽快でしたわね~!この人もなぜか喜んでるし」


 ビシッ!


「ありがとうございましたーーーーーーーーーー!!」



 そういう愛もあるのだろう。俺からは何も言うまい。

 しかし食堂であのエロい服を着て平然としているドロシーちゃんもすげえな。


 今度は女王様と僕か・・・。なるほど、進化先にも色々あるんだな。

 セイヤの熟女好きに少し思う所があったが、こっちよりは健全と言えるだろう。


 俺もレムとセレスティーナの二人に改造された自覚があるので、これ以上変な方向に進化しないよう気を引き締めながら、慎重に夜伽へと向かった。




 ◇◇◇




 (´・ω・`)ずっと殺伐としていたのに、なぜ突然こんな話に・・・。

 

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― 新着の感想 ―
ボヤッキーがドロシーにあんな服着せたのが悪い。
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