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771 ケンちゃんとセイヤに武器を授ける

 

 ガシャガシャガシャガシャ!


 会議室に骨剣をぶち撒けた。



「やる」



 近江で挙兵するなら必要になるだろう。


 宇宙刑事合宿のウォーミングアップで丸二日骨をしばきまくって手に入れた剣を大放出したのだが、俺がどういう考えでこんな行動をとったのか親父も気付き、自分が集めた骨剣を全て山に追加した。



「そういう話ならこれでも足りんと思うが、まあ上手く使ってくれ」



 突然俺と親父が抜き身の剣を山積みにしたので、ゼーレネイマスが目を大きくしていたが、その内の一本を手に取りニヤリと笑った。



「礼を言う。良い剣だ」


「うおおおおおおおおお!すげえ!剣の山だ!!」

「そうか!剣が無いと兵士を集めても戦えないもんな。有難うございます!!」


「上質な剣だから与える人物を選べよ?雑魚に持たせたら敵の手に渡っちまう」

「敵を強化しちまったら逆効果だわな」


 でもって、あと必要なのはケンちゃんとセイヤの武器か。

 いや、その前にミスフィートさんに報告だ。



「ちょっとミスフィートさんを呼んで来る」



 浅井朝倉連合とドンパチするつもりは無いが、近江と隣接する国の守りを固めなければならない。


 ウチに迷惑をかけるつもりは無いだろうけど、内乱を起こす以上、飛び火する可能性を考えなければならない。難民も流れて来るだろうしな~。



 仕事中のミスフィートさんを捕まえ、会議室に連れてきた。



「何だこの剣の山は!?ここは倉庫じゃなくて会議室だぞ!」

「ああ、それはゼーレネイマスにくれてやっただけなので、すぐ回収されますよ」



 彼女が来るまで時間あったんだから回収しとけや!

 何も言わずに連れて来たので、ミスフィートさんに事のあらましを説明した。



「小烏丸だけずるいぞ!私も行く!」

「ダメですよ!尾張大名が近江で暴れたら戦争になっちゃいますって!」

「清光殿だって行くのだろう!?」

「変装するから問題無い。それに三河とは隣接してねえしな」

「ぐぬぬぬ・・・。やっぱりずるいぞ!!」


 話が進まないので、彼女の耳元で『もっと身体を労わらないと、無茶したら流産しちゃいますよ』と言ったら、ようやく大人しくなった。


「今回の主役はゼーレネイマスとケンちゃんとセイヤの三人です。それ以外のメンバーはただの野次馬ですので、あまり大きく考えないで下さい」

「しかし奴らは美濃に攻め込もうと企んでいるのだろう?」

「ええ。だから近江と隣接している国の防御だけ固めてほしいのです。ただ敵に知られると警戒されてしまうので、やる事は砦を守る兵の増員とかですね。美濃の守備隊は見せつけた方が抑止力になると思いますけど」

「なるほど・・・」


 ミスフィートさんにやってもらう事はこれくらいかな?

 よし!あとはあの二人の武器だな。



「ケンちゃんとセイヤ、武器を渡すからこっちに来い」


「「おおおおお!?」」


「ぬ?二人の武器は先程頼んだばかりだが、もしや用意してあったのか!?」



 円卓の上に、ミスリルの金属バット、ミスリルのメリケンサック、そしてダンジョン10階層に出現する黒騎士(ブラックナイト)から手に入れた槍を並べた。


 ちなみに黒騎士(ブラックナイト)は、大剣を持ったヤツと槍を持ったヤツの二種類が出現する。


 普通ならどう考えても手強い魔物なんだけど、黒いフルアーマーを装備しているので動きが遅く、最強の刀を持つ俺にとっては美味しい魔物でしかないのだ。



[ミスリルの金属バット]


 :織田小烏丸作の金属バット。様々な付与魔法が込められている。評価S

 :総ミスリル製。

 :破壊強化(強)攻撃速度強化(強)

 :自動修復(中)衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++



[ミスリルのメリケンサック]


 :織田小烏丸作のメリケンサック。様々な付与魔法が込められている。評価S

 :総ミスリル製。

 :破壊強化(強)攻撃速度強化(強)

 :自動修復(中)衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++



[黒騎士の紫槍]


 :黒騎士の紫槍。素材は不明。評価S

 :斬撃強化(強)斬撃速度強化(強)刺突強化(強)

 :自動修復(中)衝撃耐性+++ 汚れ耐性+++



「うおおおおおおおおおおお!!死ぬほどカッケエ・・・」

「なっ!?この槍・・・見た目からしてヤバ過ぎませんか!?」



 本当はこんなに早く渡す予定ではなかったのだが、今まで使ってた武器で近江に攻め込んだら最後まで持たないだろう。


 敵の重臣クラスの武将が所持している武器は、ミスリル製やオリハルコン製だ。


 戦闘中にぶっ壊れたとしてもゼーレネイマスが死なせはしないだろうが、体の部位欠損をしてもおかしくない。いや、師匠の目が届かない所で戦っていれば死ぬな。


 そもそも三人で暴れようってんだから、かなり無茶することになる。

 俺ルールから外れるのは気に入らんが、今渡すしかあるまい。



「このレベルの武器は本来、軍で努力を積み重ねた結果、一定の身分にまで出世をしたご褒美として受け取ることが出来るといった代物なんだ。だが今のままでは死ぬだろうから持っていけ」


 二人の目を見る。


「だが覚えておけ。もしこの武器で非道を行った時は必ず俺が殺しに行く。まあ俺がやらなくても、そこの蒼い男が許さないだろうけどな!」


 ゼーレネイマスがニヤリと笑った。


 ケンちゃんに、ミスリルの金属バットとミスリルのメリケンサックを。

 傾奇者セイヤに、黒騎士の紫槍を手渡す。



「近江の国で真の地獄を知るだろう。己の正義と向き合え。そしてその武器で弱き者を守り抜け」


「「は、はい!!」」



 噂通りなら、やっぱり近江って昔の尾張みたいな感じなんだろな~。


 また地獄のような光景を見るのは正直すごく嫌だが、近隣国をキレイにするいい切っ掛けだったのかもしれん。


 ケンちゃん、セイヤ、もっと強くなれ。身体だけじゃなく心もだ!

 

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