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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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767 バイクに面白い機能が付いていた

 久しぶりのラーメンを食った三河の二人はご機嫌だった。



「やっぱラーメンは最高だな!」

「美味かったな。あの味を思い出したからにはもう、三河にもラーメン文化を広げるしかないだろう」

「シルヴァラに作らせたら、激辛の閻魔ラーメンになるじゃん!」


 地獄じゃなくて閻魔かい!それは死ねる。


「まずは俺が作る。前に言ったと思うが俺の実家はラーメン屋だ。店を継ぐ気は無かったが、何度も手伝っていたから作り方は覚えている」

「清光さんの実家ってラーメン屋だったのか!!」

「そういえば何年も前に言ってた!っていうか実家がラーメン屋なのに一度も御馳走してくれないの酷くね?なんで三河で広めないんだよ!」

「何度か考えたことはあったんだが、麺を作るのがすげえ面倒臭いんだよ!」

「素手でやるつもりなんですか?ウチは製麺機使ってますよ」

「なにィ!?製麺機があるのか!一つ売ってくれ!!」

「俺の手作りなんで、時間があればって感じですかね~」

「お前忙しすぎなんだよなーーーーー!」



 そんな会話をしながら城の外に出た。



「あれ?何で外に出たんだ?訓練場に行くんじゃねの?」

「ゴーレム場が完成したからそっちの方がいいかと思いまして。ナイター設備があるんで夜でも大丈夫ですよ」

「懲り過ぎだろ!!しかしゴーレム場だと地面は土だよな?」

「ところがですね~、道路の耐久力テストをしようと思って一部にアスファルト風道路を敷いてみたんですよ。ゴーレムが歩いても平気なのかって実験です」

「いい実験してるじゃねえか!」

「完成したばかりなので、実験はこれからですけどね」



 学校の反対側にあるゴーレム場に到着した。



「わはははは!野球場の照明みたいなのがあるぞ!」

「素晴らしいゴーレム場じゃねえか!お、アスファルトの部分って結構長いんだな。これなら特攻隊長の訓練に丁度いい!」

「ヒューリック、ここに照明のスイッチがあるから一つずつ上げてみてくれ」

「えーと、下に向いてるのを四つとも上に向ければいいのですか?」

「そうだ」



 パチン

 パチン

 パチン

 パチン


 四つの照明群で、ゴーレム場だけ昼間のような明るさになった。



「ナイター設備ハンパねええええ!」

「こりゃいいな!レメシス城の隣にサーキットでも作るか。もちろんナイター設備アリの完璧なヤツをな!」

「おお、サーキットですか!そりゃ面白そうですね!」

「アニキ、もしかしてレースとかするのか!?」

「まずはバイクを量産しねえとだけどな。でも面白そうだろ?」

「絶対面白いに決まってるじゃん!」



 この二人って遊びにも全力だから、イチイチやることが楽しそうなんだよな~。

 しかも何をするんでも豪快だ。まあ俺もなんだけどさ。



「さーて、バイクを走らせてみっか!」



 清光さんが手に入れたばかりのバイクに跨った、



 キーッキッキッキッキッ ドゥルルルルルルルル!!



「「なにィィィィィィィィィィ!?」」



「嘘・・・だろ・・・」

「このバイク、エンジン音が出るんかい!!」

「無駄にスゲーーーーーーーーーーーーーーー!」

「私のバイクと違って音が凄いですね~」


 見た感じ振動などは無く、ただエンジン音が聞こえるだけなんだけど、清光さんの指先は震えていた。


「これだ・・・俺が求めていたのは!!振動が無いのが残念ではあるが、この音が聞けただけでも十分満足だ!・・・ん?何だこの切り替えスイッチは」


 カチッ


 エンジン音が聞こえなくなった。


「なるほど。音の有無が選択できるんですね~」


 カチッ


 ドゥルルルルルルルル


 すぐに『エンジン音あり』に変更された。


「この音を消すとか有り得ねえだろ!」

「気持ちは分かります。俺がそのバイクに乗るなら絶対音ありにします」

「オレならどうだろ?気分次第かな?」

「うるさいのが逆に良いということでしょうか?私なら音なしにしそうですが」


 まあこの世界の住人には理解出来ないバイク乗りの拘りだよな。

 ヒューリックの考え方がむしろ普通と言えるだろう。



「よし、走らせてみる!」



 ヴオオオオオオオオーーーーーン!



 ゴーレム場に騒音を撒き散らしながら、清光バイクがぶっ飛んでいった。



 ヴォン ヴォン ヴォン! バリバリバリッ ヴォオオオオオオオオオ!!



 マフラーから煙が出たりはしていないんだけど、排気音が半端ねえ!

 うん。アレは走り屋というよりも暴走族の方だな。


 三河の街の中でアレをやったら死ぬほど苦情が来るんじゃないか?

 まあ隣の国のことなんか知ったこっちゃねーですけど。


 満足した清光さんが戻って来た。



「最高のバイクだ!聞いたか?俺のアクセルミュージック!」

「良かったですね~。でも街の中でやったら絶対に苦情が来ますよ」

「どうせ死刑囚なんだからいいんじゃね?」

「死刑囚って呼ぶのはヤメロ!俺はまだ逮捕されてねえ!」

「ハハハッ!あと数時間の命ですけどね」

「くそッ!もう朝までバイクに乗っていたいが、さすがにそれは拙いか」

「朝まで見てるなんて絶対に嫌だぞ!」


「あの~、そろそろ私も訓練を始めたいのですが・・・」


 おっと!ヒューリックの訓練なのに、また横道に逸れてしまっているし。


「放置して悪かった。最高のバイクを手に入れて浮かれすぎたな。よし、そろそろ始めっか~」

「例の如く俺は時間切れです。ヒューリック、訓練が終わったら照明だけしっかり落としといてくれ」

「了解です!」



 というわけで、今回もヒューリックの訓練を見ることなくサラバですじゃ!

 

 明日は清光さんを連れてシドの店に行かなきゃな~。

 生きていればの話だが。

 

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