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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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763 家具の大海原を越えていく

 仲間達と一緒にガチャ部屋へ行くと、入り口がアイテムで埋まっているという、もう案の定としか言い様がない光景でフフッと笑ってしまった。



「「なんじゃこりゃああああああああああ!!」」


「小烏丸の言った通りじゃない!」

「ガチャ部屋に入れないよ!」

「どうするの?」

「隙間に手を突っ込んで通路を切り開くから、ちょっと待っていてくれ」

「やっぱりこの奥で清光くんが滅びているのか・・・」



 家具の隙間を少しずつ広げていって、何とか通れるスペースを作った。



「全員入るのは無理かもしれんので、とりあえず親父とボヤッキーとピピンとエレンの4名だけついて来てくれ!」

「しゃーねえ、行くか~」

「俺も突入部隊なのですか!?」

「面白そう!」

「うそッ!私も行かなきゃダメなの!?」

「ごわごわした大バカ殿様が通った後なら広くなってそうだし大丈夫じゃない?」

「あははははは!がんばってね~~~~~!」



 家具と家具の隙間に体をねじ込み匍匐前進。

 突き当たりのタンスの前を右折してテーブルの下を潜り抜ける。


 米袋を移動させて一旦立ち上がり、洗濯機と炬燵と思われる魔道具の間に隙間を作って前進し、本棚を乗り越えてマットレスを横にスライドさせる。



「オイ、まだか!?」

「うおおおお、ここ狭っ!!」

「もう泳げないよーーーーー!」

「うわっ!服が引っ掛かったんですけどーーーーー!」


 後ろから苦情が飛んで来ているが、俺が一番大変なんだぞ!


「たぶんもう少しだ。真っ直ぐ進めば・・・ぬあっ!ベッドかよ。左に進むぞ」

「ベッドは隅っこに置いといてくれよな~」

「何なんスかこれは!地獄じゃないですか!」

「溺れるうううううーーーーー」

「ブラがズレちゃったじゃないの!もう狭すぎ!」


 なんだと!?後ろがすごく気になる!

 しかしこれは孔明の罠だ。振り返っても親父と目が合って鼻で笑われるだけ。


 もうワチャクチャだったけど、ソファーの上にあったデッカイぬいぐるみを移動させたら光が差し込んだ。


「よっしゃ光だ!とうとう大海原を越えたぞ!」

「やっとか!」



 ソファーを乗り越えて隙間から顔を出すと、ガチャの前で朽ち果てている清光さんを発見した。



「清光さん!ガチャ部屋がメチャクチャじゃないですか!!」


 もはや生きる屍と化している清光さんだったが、最後の力を振り絞ってこっちに顔を向けた。


「俺はもうダメだ・・・」


 清光さんの周りだけ空白スペースがあったので、何とかそこまで泳いで行った。

 親父達も息を切らしながら安全地帯へと到着。


 なんか虎徹さんを発見した時とまったく同じ流れだな。



「朽ち果てているってことは、やはりバイクは・・・」

「バイクが出たら屍になってねえよ・・・」

「ちなみに何連したんだ?」

「わからん。手持ちの魔石全部ぶっ込んだが出なかった」

「ガチャ部屋の感じからいって、虎徹さんと同じく500連ってとこですかね」

「でもこの辺はまだスペースがあるな。外にいる連中呼んでも大丈夫じゃね?」

「呼ぶ?」

「ふーーーーっ、やっと到着!あっちまで声届くのかしら?」

「ちょっと呼んでみてくれ」


 一番後ろにいたエレンが、家具の隙間に向かって大声で呼び掛ける。



「おーーーーーい!みんなガチャ部屋に入って来ていいよーーーーー!」



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



「声が届いていないようだな。すまんエレン、来た道を少し戻って仲間達を呼んでもらっていいか?」

「エエエエエエエエエエ!?いや無理よ!!胸んとことか色々引っ掛かって服が脱げそうになるんだってば!ピピンお願い!」

「エーーーーーーーーーーーーーーー!!」



 ピピン隊で1番ナイスバディなエレンには厳しい任務だったので、ピピン隊で1番つるぺたバディなピピンがしぶしぶ家具の海に戻って行った。


 ちなみに『服が脱げそう』と聞いて、男連中がエレンをチラ見したのは言うまでもないだろう。


 仲間達が集まるまで、清光さんと雑談を続ける。



「にしても500連ですか!一回で魔石10個だから・・・5000個おおおおお!?」

「それだけ回してダメなら諦めるしかないわね」


 それを聞いた清光さんの目が強く光った。


「誰が諦めると言った?」


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


「城に置いてある魔石を全てかき集めて、明日も勝負だ!」

「それ、虎徹さんもやってタコ殴りにされた挙句、現在も労役中なんですけど?」

「覚悟の上だ!!」


 ダメだこの人、虎徹さんの一件から何も学んでねえ!


「えーと、城の魔石をかき集めたところで全然足りませんよね?魔石10個で好きな物が買える清光商店がオープンすると考えてよろしいですか?」


 清光さんの目が大きく開いた。


「それだ!小烏丸達から魔石を回収すれば、俺はまだ舞える!!」


 清光さんが生気を取り戻して立ち上がった。



 ガタガタッ


 ピピンに続いて、他の仲間達も続々と到着したようだ。



「おお、この人数ならかなり魔石を回収できそうだな!よし、このガチャ部屋にあるアイテムなら大きさに関係なくどれでも魔石10個で売ってやる!清光商店、たった今オープンだ!」



「「キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」



 その言葉を聞き、親父とボヤッキーと三人で固い握手を交わした。


 前回買った家具はすでに結構売れた後なので、魔石のストックは十分だ。

 もちろんココにいる仲間達が優先だが、また小烏丸商店が充実しそうだな!

 

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